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300年続くワイナリーを目指して。能登にある新鋭の醸造所「ハイディワイナリー」

石川県輪島市門前町の小高い丘の上に立つハイディワイナリー。2011年に開設し、目の前に日本海が広がる畑ではミネラルを多く含んだ、その土地ならではの品種のブドウを栽培しています。能登の輪島で若き醸造家が新たにチャレンジする、この土地の自然の恵みを生かした純国産のワイン造りとは?

300年続くワイナリーを目指して。能登にある新鋭の醸造所「ハイディワイナリー」

地の利をいかした輪島ならではのワイン造り

ハイディワイナリーの外観の様子

石川県能登半島西部の輪島市門前町にあるハイディワイナリーは、日本海を臨む小高い丘の上にあります。ロケーションはまるで南フランスの地中海を彷彿とさせる雰囲気。敷地内には醸造所のほか、ワインの直営店や能登の食材を使ったフレンチレストラン、ベーカリーがあります。

“ブドウをゼロから栽培し、ワインを造り、お客様へ楽しんでいただく”という、ワイン1杯の背景をすべてひっくるめてお届けしていきたい。そんな志のもと、輪島でワイン造りに情熱を注ぐのは、ハイディワイナリーの社長であり、醸造家の高作正樹さん。生まれ育った横浜から移住し、2011年に父親の故郷となる輪島でワイナリーを設立しました。これまで新潟県のカーブドッチ・ワイナリーやフランスブルゴーニュのシモン・ビーズで醸造やブドウの栽培方法などについて学び、ブドウの品種についてもこの土地に適したものを探し求めてきたといいます。

現在、約6,000本のブドウを栽培

ハイディワイナリーの高作さんがワインを見ながら話しているところ

ハイディワイナリーは輪島市門前町にある皆月鵜山と千代の2つのエリアで7品種、約6,000本のブドウを育てています。門前町は能登の中でも比較的雪が少ないエリア。冬は著しく温度が下がったり、雪が積もったりすることは少なく、そのためブドウはストレスがかからず、海の側ゆえミネラル豊富な土であるため、ワイン用のブドウ作りに適した土地なのだそう。「ブドウは最初の5年はまだ幼いですが、50年くらいかけて徐々に人間が子供から大人になっていくように成長していきます」と高作さん。2013年に醸造所を立てて初めて醸造した時は、まだブドウの収穫ができなかったため、山梨や兵庫の契約農家からブドウをわけてもらいワインを造ったそうです。

歴史ある揺るがないワイン造りの第一歩

ハイディワイナリーのワインが積み重ねられている様子

ハイディワイナリーの畑でブドウを収穫できるようになったのは2014年。現在は7人のスタッフで栽培から醸造、販売までをおこなっていますが、最初は高作さんと妹の二人で畑の苗植えから始まったといいます。その時のブドウで造ったワインが『ルーテージ』。製造数量が限られるため、まだ一般販売はしていないものの、自分たちで初めて苗植えをして栽培を始めた畑からとれるブドウだけを使用したワインがようやく誕生しました。ルーテージの由来はルーツから来ているそうです。“200年、300年続くワイナリーを目指す”ワイナリーとして、始まりの場所を意味しています。
ハイディワイナリーで使っている樽はブルゴーニュの知り合いのワイナリーで使用していたフレンチオークの樽。ステンレスタンクで3週間~4週間発酵させたものを樽に入れて熟成させることで色・香り・味わいにコクが増し広がりを持たせます。樽熟成の期間を変えて商品リリースすることでそれぞれに特徴を持ったワインができあがります。中には熟成させないヌーヴォーも造っています。

直営店でしか手に入らない数量限定ワインも

ハイディワイナリーの店内の棚にワインが並べられている様子

ハイディワイナリーの敷地内にあるフレンチレストランの店内と、ベーカリーで販売しているパン

敷地内のフレンチレストランの入り口横にワインの直営店を併設し、こちらでしか手に入らない数量限定のワインなど、ハイディワイナリーが造っているワインを購入することができます。人気NO.1はフレンチオーク樽で6か月間熟成させた、紫の水玉模様のエチケットがかわいらしい赤ワイン『ヤマ ソービニオン 2015』(写真上)。色鮮やかなルビー色にベリーやハーブのような香りが印象的。山ブドウとカベルネ・ソーヴィニヨンを掛け合わせたヤマ ソービニオンという品種のブドウを使用し、溢れる果実味、豊かな酸味野趣に富んだ風味が楽しめ、照り焼きチキンとの相性もぴったり。
また、レストランが入った建物のお隣にはベーカリーがあり、クロワッサンやバゲットなど10種類以上のパンを建物内の工房で手作りしています。ワインとともにおみやげにおすすめです。

ロゼやスパークリングワインにもチャレンジ

ハイディワイナリーのぶどう畑と、その背後にある日本海の様子photo:ハイディワイナリー

今年の5月には、2016年の秋に初めて醸造したロゼワイン(原料:ヤマ・ソービニオン)を発売する予定です。味わいは華やか。赤ワインと白ワインしか作っていなかったのですが、ロゼは初めて。今シーズンはスパークリングにもチャレンジするそうです。
ハイディワイナリーでは醸造所の見学ツアーも開催していますので、実際にその土地を訪れて、このワイナリーのワイン造りを知り、ブドウ畑と海を見下ろす美しいロケーションとともに、作り手の思いが詰まった上質なワインを楽しんでみてはいかがでしょうか。

photo / 渡邊 孝明、Sheage編集部

ハイディワイナリーのロゴ

HEIDEE WINERY(ハイディワイナリー)
石川県輪島市門前町千代31-21
0768-42-2622

http://heidee-winery.jp/

この記事を書いた人

渡邊 孝明 エディター&ライター/関心と取材のテーマは、旅と北海道とものづくりとライフスタイルとアートと歴史とまちと乗りものと温泉と麺類と。だいたいのファクターは、旅の...

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※掲載内容は記事公開時点のものです。最新情報は、各企業・店舗等へお問い合わせください。
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