日本茶の魅力を再発見できる、蔵前「NAKAMURA TEA LIFE STORE」
- 公開:2017.4.3
- グルメ・食
現代人の生活は便利になったのに、なぜか慌ただしく味気ないもの。だからこそ、ティーバッグやペットボトルではなく、急須で淹れた日本茶を飲むというゆとりある時間を楽しんで欲しい。そんな思いから生まれた素敵なお店「NAKAMURA TEA LIFE STORE(ナカムラ ティーライフストア)」を紹介します。
完全無農薬有機栽培に挑んだ静岡の老舗茶園の安心の味
「NAKAMURA TEA LIFE STORE(ナカムラ ティーライフストア)」は、以前ご紹介した蔵前の文具専門店「カキモリ」のすぐ裏手に位置します。店主の西形さんはお茶の名産地・静岡県出身で、グラフィックデザイナーをしていました。そんな西形さんの同級生の実家が、静岡県藤枝市でお茶の栽培から製茶加工までを一貫して行う「中村家」。1919年からお茶づくりを始めた老舗です。そして1979年から減農薬栽培に取り組み、約10年の歳月をかけて1989年には自社茶園全てを完全無農薬有機栽培へ移行することに成功しました。この安心して毎日飲める安全で美味しいお茶をもっと多くの人に広めたいと、西形さんは蔵前に「NAKAMURA TEA LIFE STORE」をオープンしました。
品質への自信を反映したスタイリッシュなデザインが人気
「NAKAMURA TEA LIFE STORE」の全てのお茶にはいつ(茶葉の収穫日)、どこで(収穫場所)、誰が(栽培担当者)、どうやって作ったか(栽培方法)を記載した品質保証書が付いています。それはお茶を飲む人により多くの安心を届けたいという思いと同時に、商品に対する自信の証でもあります。またお茶の品質の良さもさることながら、パッケージデザインがスタイリッシュなことからギフトとしての人気も高いのだとか。たとえばパッケージに並ぶ長い数字。これはそのお茶が収穫された畑の緯度と経度なんだそう。なんともいえない遊び心ですよね。あえてアンティーク風に仕上げた茶筒には収穫された年の西暦が入るので、コレクションしている人もいるのだとか。
簡単に美味しいお茶を淹れるための5つのステップ
では、美味しいお茶を淹れるにはどうしたらいいのでしょうか?まず、用意するのはお好みの茶葉とお湯、そして急須に湯呑だけ。お湯の温度は1煎目は70℃、2煎目は80℃、3煎目は90℃と徐々に温度をあげていくといいそう。ただし、お湯は湯呑みを温めるのに使うため、この温度よりも少し高めのお湯を用意しましょう。たとえば一煎目は70℃のお湯なので85℃程度のお湯を用意。
STEP1.お湯を人数分の湯呑みに注ぎカップを温める。
STEP2.急須に茶葉を入れる。1人分は茶さじ1杯程度で3g、2人分は5g程度。
STEP3.湯呑みのお湯をゆっくり急須に注ぐ。紅茶とは違い、茶葉をジャンピングさせる必要はないので、静かに注ぐのがポイント。
STEP4.急須に蓋をして待つ(抽出時間1煎目1分、2煎目5秒、3煎目10秒)。
STEP5.ゆっくり均等に湯呑みに注ぐ。
STEP1.お湯を人数分の湯呑みに注ぎカップを温める。
STEP2.急須に茶葉を入れる。1人分は茶さじ1杯程度で3g、2人分は5g程度。
STEP3.湯呑みのお湯をゆっくり急須に注ぐ。紅茶とは違い、茶葉をジャンピングさせる必要はないので、静かに注ぐのがポイント。
STEP4.急須に蓋をして待つ(抽出時間1煎目1分、2煎目5秒、3煎目10秒)。
STEP5.ゆっくり均等に湯呑みに注ぐ。
焦らず、ゆっくり、自分の好みを追及する
よくお茶を淹れるときに、ぐるぐると急須を回す人がいますが、あれは間違いだそう。無理に茶葉をひらかせようと沸騰したお湯を注いだり、急須をゆすったりすると余計な苦みが出てしまうので、あくまでも適温のお湯で静かに茶葉を開かせるのがコツ。こうして丁寧に淹れると、茶葉がうまく開くのを待つ時間も楽しくなってくるから不思議です。ただし、これといった明確な決まりはないので、お湯の温度や茶葉の量を変えて自分好みの味を追求してみてください。
また急須を選ぶとき、洗うのが便利だからとついつい籠網付きを選びがちですが、それでは茶葉が開きづらいので、できれば写真の急須のように籠網付ではなく底が広いものを選ぶといいそうです。
また急須を選ぶとき、洗うのが便利だからとついつい籠網付きを選びがちですが、それでは茶葉が開きづらいので、できれば写真の急須のように籠網付ではなく底が広いものを選ぶといいそうです。
急須でお茶を淹れる行為を楽しむ、新しいライフスタイル
「NAKAMURA TEA LIFE STORE」ではお茶の淹れ方を実演し試飲させてくれます。西形さんが淹れたお茶は、とろっとしたまろやかな口当たり、ほのかな甘みの後に感じる苦み、そして喉の奥から鼻に抜ける緑茶独特の爽やかな香りがなんとも言えません。「お茶ってこんなに美味しかったっけ?」と驚くこと間違いなしです。取材日も途切れることなくお客様が訪れ、その度に西形さんはお茶を淹れて、皆さんにふるまっていました。それまでなんとなく遠慮がちだったお客さんはお茶を飲んだ途端に急に笑顔になり、西形さんにあれこれと質問を始めます。お茶は決して敷居の高いものでも面倒なものでもなく、ほっとしたい時、おしゃべりのお供に、食後の口直しにと生活の様々なシーンで気軽に楽しむものだということを改めて認識しました。
自宅でコーヒー豆を挽いてハンドドリップする人が増えたように、急須でゆっくりとお茶を淹れてその味を楽しむことは、これからの新しいライフスタイルのひとつになりそうです。自宅でのティータイム、コーヒーや紅茶の他に急須で淹れた緑茶を選択肢に加えてみてはいかがですか?
自宅でコーヒー豆を挽いてハンドドリップする人が増えたように、急須でゆっくりとお茶を淹れてその味を楽しむことは、これからの新しいライフスタイルのひとつになりそうです。自宅でのティータイム、コーヒーや紅茶の他に急須で淹れた緑茶を選択肢に加えてみてはいかがですか?
photo / カオリーヌ
NAKAMUA TEA LIFE STORE
東京都台東区蔵前4-20-4