「腸活」でお腹スッキリ＆お肌つるつる。管理栄養士おすすめ美腸をつくる朝ごはんレシピ3選

「腸活」とは、具体的にどのようなことをすればよいのでしょうか？ まずは、毎日の食事で手軽に腸活を行うためのポイントをご紹介します。

「腸活」とは、食事や運動などによって腸内環境を整えて、健康なからだをつくること。
腸はからだにとって必要な栄養素を消化吸収し、余分なものや毒素を排泄するという、とても大切な働きをもつ臓器です。腸内をからだにとってよい働きをする善玉菌優位の環境にすることで、便秘の解消や肌荒れの改善に効果が期待できます。
また、腸には免疫機能の70％が集まっているとされ、ウイルスや病原菌などの外敵から私たちのからだを守ってくれています。免疫力アップのためにも、腸内環境を整えることはとても大切です。

腸内細菌は、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つに大きく分類され、そのうち善玉菌の割合を増やすことが腸活のポイント。そのために毎日の食事で取り入れたいことが、以下の2点です。

（1） 善玉菌を含む食品（プロバイオティクス）を摂ること
・発酵調味料…味噌、醤油、塩麴、酢など
・発酵食品…納豆、キムチ、ぬか漬け、ヨーグルト、チーズ、甘酒など

（2）善玉菌を増やすはたらきをもつ食品（プレバイオティクス）を摂ること
・水溶性食物繊維が多い食品…海藻類、なめこ、オクラ、山芋、果物、大麦など
・不溶性食物繊維が多い食品…穀類、野菜類、きのこ類、豆類など
・オリゴ糖が多い食品…玉ねぎ、ごぼう、にんにく、豆類、バナナなど

プロバイオティクスとプレバイオティクスを合わせて食べることを「シンバイオティクス」と呼び、相互作用が期待できるため腸活に効果が期待できます。キムチとオクラ和えや、きのこのみそ汁など、（1）（2）の食材を組み合わせた食事を心がけましょう。

次に、忙しい朝でも手間なく作ることができて、腸活に役立つレシピをご紹介します。

ごはん派の方におすすめの食材が「もち麦」。水溶性と不溶性どちらの食物繊維も含むので、腸活にぴったりです。
ぷちぷちとした食感とまろやかな豆乳味噌スープは食べ応えがあり、この一皿で満足感があります。切干大根やきのこは、食物繊維が豊富なうえ、旨味たっぷりで出汁いらずですよ。

パン派の方におすすめなのが、ライ麦パンや全粒粉パンといった食物繊維の多いパン。アボカドと合わせて摂ると、より腸活力がアップします。
アボカドには、活性酸素を除去して血流を促すビタミンEや、肌のうるおいを保つのに欠かせない良質の脂肪酸が多く含まれています。

朝ごはんを食べる習慣がない方は、腸によい食材をミックスしたドリンクで発酵パワーを取り入れるのがおすすめ。
りんごは皮の近くの部分に食物繊維やビタミンCなどが多く含まれるので、よく洗って皮ごとすりおろすと栄養を余すところなく摂取できますよ。

なかなか治らない便秘や肌荒れの改善のために腸活を考えている方も多いと思います。
「便秘や肌荒れを根本から何とかしたい」
そんな方におすすめしたいのが、漢方薬で体質改善を目指す方法です。
便秘や肌トラブルが続く原因は、体内の免疫力や回復力、排出力（デトックス）が衰えてしまっているからかもしれません。本来のバランスを取り戻すために、腸活とあわせて根本の体質にはたらきかける漢方薬を取り入れてみてはいかがでしょうか。
自然由来の成分がナチュラルに作用する漢方薬ですが、実際に便秘やしみ、にきびなどの治療にも医薬品として用いられています。漢方薬は運動や食事制限が難しい方でも手軽に始められるので、セルフケアを行う時間かない方にもピッタリです。

・防風通聖散（ぼうふうつうしょうさん）
からだの余分な熱を取り除き、血流や水分代謝を促す働きがあります。便や汗などで不要物を体外へ排出し、からだを軽くします。また、脂質代謝を促すので、ため込んでいる脂肪を減らすのに役立ちます。

・大柴胡湯（だいさいことう）
気のめぐりをよくし、食欲などの気持ちを整えてくれるので、イライラを抑えたり脇腹が張る便秘の解消をしたりするのに役立ちます。

漢方薬を使用する際の重要なポイントは、自分の状態や体質にうまく合った生薬を選んでいるかどうか、という点です。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が起こることもあります。

どの漢方薬が自分に合っているのかを見極めるのはなかなか難しいですが、最近ではAI（人工知能）を活用した「あんしん漢方」のようなオンライン相談サービスも登場してきました。AIを活用し、漢方のプロが自分に適した漢方を見極めてお手頃価格で自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が可能です。是非活用してみてください。

腸内環境を整えることは、健康なからだづくりのためにとても大切です。食事のポイントは、善玉菌を摂ることと、育てること。また、朝ごはんを食べることで腸のぜん動運動が活発になり、便秘の解消につながります。朝食習慣がない方も、簡単な腸活ドリンクから取り入れてみてはいかがでしょうか。
根本的な体質改善を目指したい方は、専門家に相談して漢方薬の助けを借りるのもおすすめです。ご自身に合う方法で、腸活に取り組んでみてくださいね。