古さの中に新しさが。チェコの絵本・雑貨の店「チェドックザッカストア」で掘り出し物を発見
- 公開:2019.5.4
- インテリア・生活雑貨
北欧・アジア・フランスなど、雑貨で人気の国はいろいろありますが、チェコの名前は聞いたことがないという人もいるのでは?実は、チェコには歴史的背景もあって、掘り出し物がいっぱいあるんです。観光客で賑わう、浅草の静かな一角にある「CEDOKzakkastore(以下、チェドックザッカストア)」をご紹介します。
従来のヨーロッパのイメージにはない雑貨の発見
海外諸国の雑貨を扱っているお店は多数ありますが、チェコ共和国に特化したお店を私は他に知りません。オーナーの谷岡剛史さんも、最初からチェコに限定していたわけではなかったのだそうです。
「僕が雑貨を取り扱い始めたのは、今から15年ぐらい前です。当初はフランスやドイツ、オランダ、それに加えてチェコのものを揃えていました。でも、フランスのアンティークなどは特に、なぜか既視感があったんです。日本でも見たことがあったし、きちんとしたアンティークのものでも、何かのコピーみたいな印象で…。しかし、チェコに行ってみると、それまで目にしたことのないようなものがいっぱいありました。色鮮やかなガラスや布製品など、共産主義国だったころの暗いイメージは良い意味で裏切られ、気が付いたらチェコにばかり行くようになっていたんです」(谷岡さん、以下同)
「僕が雑貨を取り扱い始めたのは、今から15年ぐらい前です。当初はフランスやドイツ、オランダ、それに加えてチェコのものを揃えていました。でも、フランスのアンティークなどは特に、なぜか既視感があったんです。日本でも見たことがあったし、きちんとしたアンティークのものでも、何かのコピーみたいな印象で…。しかし、チェコに行ってみると、それまで目にしたことのないようなものがいっぱいありました。色鮮やかなガラスや布製品など、共産主義国だったころの暗いイメージは良い意味で裏切られ、気が付いたらチェコにばかり行くようになっていたんです」(谷岡さん、以下同)
普通の人が日常的に使っているもの、不要品の中に宝物が
年に少なくとも2回はチェコに買い付けに行くという谷岡さん。頻繁に行くうちに友人も増えて、友人同士の横の繋がりから雑貨に関する有益な情報を得ることもあるそうです。
「最近は、空港に着くと友人が迎えに来てくれて、車で友人宅に行ってしばらく滞在し、ガラクタ市やセカンドハンズの店に連れて行ってもらったり、知り合いのお宅に伺って古いものを見せてもらって気に入ったら購入して…という感じで品物を集めています。いわゆるアンティークショップのような所には行きません。というのも、普通の人が日常的に使っているものや、要らなくなったものの中から見つけた面白いなと思うものを扱いたいと思っているからです」
お店に並べる品は、「自分の琴線に触れるもの」であることはもちろん重要ですが、だからといって偏ることなく、チェコの文化的な背景も含めて紹介できるものを選ぶようにしているのだそうです。
「最近は、空港に着くと友人が迎えに来てくれて、車で友人宅に行ってしばらく滞在し、ガラクタ市やセカンドハンズの店に連れて行ってもらったり、知り合いのお宅に伺って古いものを見せてもらって気に入ったら購入して…という感じで品物を集めています。いわゆるアンティークショップのような所には行きません。というのも、普通の人が日常的に使っているものや、要らなくなったものの中から見つけた面白いなと思うものを扱いたいと思っているからです」
お店に並べる品は、「自分の琴線に触れるもの」であることはもちろん重要ですが、だからといって偏ることなく、チェコの文化的な背景も含めて紹介できるものを選ぶようにしているのだそうです。
戦争の影響が少なかったことが、掘り出し物が多い理由
実は、チェコは工業国としてたいへん技術が発展している国。EUに加入してヨーロッパ各国の製品が流通するようになる前は、何でも自国で生産し消費する、自己完結型の国だったのだとか。
「チェコは、ボヘミアガラスに代表されるようにガラス産業が有名です。第二次世界大戦での爆撃をほとんど受けていないので、7、80年前の製品も無傷のまま残っていたりするんです。また、製品を作る型のようなものも、昔から変わっていないので、最近作られた製品でも懐かしい印象を受けるのではないでしょうか」
素敵なネックレスが目に留まったので、いつ頃作られたものか伺ってみると、5、60年目ぐらいだとのこと。今、身に着けても全く古く見えないのには、チェコのそういった歴史的背景もあるのかもしれません。
「チェコは、ボヘミアガラスに代表されるようにガラス産業が有名です。第二次世界大戦での爆撃をほとんど受けていないので、7、80年前の製品も無傷のまま残っていたりするんです。また、製品を作る型のようなものも、昔から変わっていないので、最近作られた製品でも懐かしい印象を受けるのではないでしょうか」
素敵なネックレスが目に留まったので、いつ頃作られたものか伺ってみると、5、60年目ぐらいだとのこと。今、身に着けても全く古く見えないのには、チェコのそういった歴史的背景もあるのかもしれません。
絵本はチェコの重要な産業のひとつ
チェドックザッカストアで取り扱っている製品で特筆すべきは、チェコの絵本。常時2000冊ほどがお店に並んでいて、バックヤードにも同じぐらいの数があるのだそう。
「チェコは、大人向けの本に携わる有名な作家やクリエイターが、子どもの目線に降りてきて絵本を作ることが珍しくありません。文化的水準の高いものを子どもに与えれば、レベルの高い人間に育つと言われているんです。実際に絵本のクオリティは高くて、共産主義時代には外貨を稼ぐ手段になっていたぐらいなんですよ。日本語に翻訳された絵本も日本向けに輸出されていました」
「チェコは、大人向けの本に携わる有名な作家やクリエイターが、子どもの目線に降りてきて絵本を作ることが珍しくありません。文化的水準の高いものを子どもに与えれば、レベルの高い人間に育つと言われているんです。実際に絵本のクオリティは高くて、共産主義時代には外貨を稼ぐ手段になっていたぐらいなんですよ。日本語に翻訳された絵本も日本向けに輸出されていました」
本を作るお金を国が出していたので、採算度外視の質の高いものが揃っていることも、チェコの絵本の魅力のようです。言葉が分からなくても、ただイラストを眺めているだけでも面白いし、デザインやタイポグラフィーなどは専門家を唸らせるほどで、それを目当てに探しに来るデザイナーなどもいるのだとか。ただ、部屋にインテリアとして飾ってもおしゃれに見えそうです。
最近注目を集めつつあるチェコの家具
お店の2~3階にはチェコのアンティーク家具も陳列されています。チェコは、ドイツの有名家具メーカー「トーネット」の工場があるので、家具の製作技術もしっかりしたものが根付いているのだそう。形は北欧っぽいけれど、木の部分は曲げ木などが使われていてドイツっぽいなど、独特のミックス感が特徴なのだとか。
「共産主義のチェコスロバキア時代にはダサイなどと言われて隅に追いやられていたものが、最近脚光を浴びはじめているのは喜ばしいんですが、僕としては手に入りにくくなっていて、ちょっと困ってます。実際にここにあるものでも、今はこの値段では買えないというものも多いですよ」
58年のベルギー万博にも出展されたという「ラウンジチェア」を見せてもらいましたが、今から60年も前に作られたものとは思えないほど、おしゃれな椅子です。
谷岡さんからお話を伺うまで、チェコという国に対して漠然としたイメージしかなかったのですが、帰る頃にはすっかりその魅力の虜に。谷岡さんの著書『もうひとつのチェコ入門 メイド・イン・チェコスロバキアを探す旅』を買い、いつか必ずチェコに行こうと心に誓いました。
「共産主義のチェコスロバキア時代にはダサイなどと言われて隅に追いやられていたものが、最近脚光を浴びはじめているのは喜ばしいんですが、僕としては手に入りにくくなっていて、ちょっと困ってます。実際にここにあるものでも、今はこの値段では買えないというものも多いですよ」
58年のベルギー万博にも出展されたという「ラウンジチェア」を見せてもらいましたが、今から60年も前に作られたものとは思えないほど、おしゃれな椅子です。
谷岡さんからお話を伺うまで、チェコという国に対して漠然としたイメージしかなかったのですが、帰る頃にはすっかりその魅力の虜に。谷岡さんの著書『もうひとつのチェコ入門 メイド・イン・チェコスロバキアを探す旅』を買い、いつか必ずチェコに行こうと心に誓いました。
photo / CEDOKzakkastore/reeeko
CEDOKzakkastore
チェドックザッカストア浅草
東京都台東区駒形1-7-12
営業時間: 12:00 - 19:00
定休日:月曜(祝日の場合は翌火曜)