バーガースタンドとヘアーサロン!?４店舗があつまる商業施設、蔵前「THE EAST」

もともとハンバーガースタンドをオープンしたいと考えていた落合さんは物件探しをしている時に、隅田川に架かる厩橋（うまやばし）のたもとにある物件に一目ぼれ。ところがそこは５階建てビル丸ごとでないと借りられないことが判明しました。想像していたバーガースタンドのイメージ的にも、予算的にもビルを丸ごと借りるのは現実的ではなかったのですが、どうしても諦めきれなかった落合さんは、飲食店を経営する知人に相談。すると、「こんなにいい物件はもう出ないから協力する」と、その知人がビル内にコーヒースタンドを出店してくれることに。さらにその噂を聞きつけた、ヘアーサロンのオーナーが２店舗目を出店することになり…気づいてみたら、未だかつてない不思議な複合施設「THE EAST（ザ イースト）」が誕生することになりました。

このビルは厩橋の西側のたもとの角地にあるのですが、１階の南側にはバーガースタンド「McLean（マクレーン）」、東側にはコーヒースタンド「LEAVES COFFEE APARTMET（リーブスコーヒーアパートメント）」というふたつの顔を持っているのが特徴です。McLeanは２階にイートインスペースがあり、ハンバーガーを買えば１階で買ったコーヒーを一緒に飲むことができます。オールドアメリカンをイメージした店内は異国情緒たっぷりで、アメリカのバーガースタンドにいるよう。ただし味はハンバーガーの本場アメリカから来た観光客が「アメリカのものより美味しい」と絶賛するクオリティ。

オーナーの落合さんは、定食屋で1000円の日替わりランチを毎日のように食べる人はたくさんいるのに、1000円以上のハンバーガーは一度食べるとしばらくはいいやと思う「特別なもの」になってしまうことを残念に思っていました。そこで日替わり定食を食べるように、明日も明後日も食べたくなる「日常」のハンバーガーを作りたいと試行錯誤。ハンバーガー業界で知らない人はいないというパン屋「峰屋」に頼んで作ってもらったオリジナルのバンズは、しっとりしていて旨味が濃いのに、食べ飽きない程よい軽さが絶品のバランス。さらに肉の旨味と食感が楽しめる粗びきのパティはジューシーで、シャキシャキの野菜と、外はカリッ、中はもちふわのバンズとの相性も抜群です。確かにこれならば毎日でも食べたい！実際、毎日のように訪れるご近所のご老人もいるのだとか。実際、取材の日もその方がいらしていてスタッフと気さくにお話をしている姿がなんとも微笑ましい光景でした。

１階のLEAVES COFFEE APARTMETは、世界最高水準のコーヒーといわれるノルウェーの首都オスロ発の「FUGLEN TOKYO ROASTERS」（渋谷区神南）代表小島氏と、スペシャリティコーヒーのスタンドとして話題の「Mightysteps coffee stop」（中央区日本橋）代表石井氏がコラボして作ったコーヒースタンド。１杯１杯丁寧にハンドドリップで淹れたコーヒーの他、エスプレッソなどが楽しめます。基本的にはテイクアウトのみで、近くの会社員や墨田川沿いを散歩している人、蔵前散策をしている人などがひっきりなしに訪れる人気店です。

そして３階の「HANARE CUT STAND（ハナレカットスタンド）」は、蔵前のヘアーサロン「HACHI&CO.」の離れとしてオープンしましたが、その秘密基地のような雰囲気から離れではなく“あじと”と呼ぶお客様もいるのだとか。確かに一見入りづらそうな入口ですが、前髪をカットしに気軽に訪れる女性客も多いそうです。さらに４階の「ROOM`S space & gallery（ルームズスペースアンドギャラリー）」は、“使い方はあなた次第”をコンセプトにしたフリースペース。アパレルの展示会やアーティストの個展などさまざまに利用できるので、興味のある方は気軽にご相談を。

実は取材から数日後、どうしてもまたあのハンバーガーが食べたくなって、個人的に再訪しました。取材時はアボカドチーズバーガーを頂いたのですが、その日はマクレーン天婦羅バーガーをオーダー。なんとパティとフレッシュ野菜の他に野菜のかき揚げがサンドされています。最初は「合うの？」と半信半疑でしたが、和風出汁のきいた特製だれが肉と天婦羅を見事にマッチさせていてクセになる美味しさ。定番メニューのほか、季節野菜などを使った限定メニューもあるそうなので、蔵前散策の際には是非！