「五月病」を抜け出すには?簡単習慣で変わる。春に起こりやすい不調の原因と3つの対策【管理栄養士監修】
- 公開:2025.4.30
- コスメ・ビューティー
暖かくなり、道端でも色とりどりの花を見かける春。始まりの季節であり、気分が高揚する時期のはずなのに、なぜかやる気が出ないと感じる人も多いのではないでしょうか? それは、春の不調「五月病」かもしれません。今回は、メンタルが不調になる原因やセルフチェック法、そして五月病から抜け出す3つのポイントについてもご紹介します。
春に不調を抱えやすいのはなぜ?
ふとしたきっかけで誰でも起こる可能性がある五月病。まずは、春に不調が起こりやすい理由や、その症状をご紹介します。
さまざまな環境の変化によるストレス
春は入学、進学、異動などで環境が大きく変わりやすいシーズン。それに伴った対人関係の変化から来るストレスも、五月病の原因となります。
一般的に「五月病」と呼ばれますが、医学的には主に「適応障害」と診断されます。そのほかにも「うつ病」「パーソナリティ障害」「発達障害」「パニック障害」「不眠症」となる場合も。
そして、五月病の症状は、大きく「身体症状」と「精神症状」のふたつに分かれます。
身体的な症状は、わかりやすい変化でいえば、だるさや疲労感、不眠、食欲不振・過食などです。精神的な症状は、何もやる気が起こらなかったり、感情が不安定になったり、気分の落ち込みなどが起こります。
一般的に「五月病」と呼ばれますが、医学的には主に「適応障害」と診断されます。そのほかにも「うつ病」「パーソナリティ障害」「発達障害」「パニック障害」「不眠症」となる場合も。
そして、五月病の症状は、大きく「身体症状」と「精神症状」のふたつに分かれます。
身体的な症状は、わかりやすい変化でいえば、だるさや疲労感、不眠、食欲不振・過食などです。精神的な症状は、何もやる気が起こらなかったり、感情が不安定になったり、気分の落ち込みなどが起こります。
自律神経への影響
ストレスは、自律神経に影響を与えます。
自律神経は「交感神経」「副交感神経」のふたつで構成される、日々からだの生命活動を維持するシステムのこと。それぞれが1日のなかで適切に切り替わることで、からだを正常に保っています。日中には、からだを活動的にする交感神経が、夜はからだをリラックスさせる副交感神経が優位になり、1日の流れを作っているのです。
しかし、さまざまなストレスにより自律神経が不安定になると、からだに不調があらわれてメンタルも不安定に。五月病もその影響のひとつと考えられています。
自律神経は「交感神経」「副交感神経」のふたつで構成される、日々からだの生命活動を維持するシステムのこと。それぞれが1日のなかで適切に切り替わることで、からだを正常に保っています。日中には、からだを活動的にする交感神経が、夜はからだをリラックスさせる副交感神経が優位になり、1日の流れを作っているのです。
しかし、さまざまなストレスにより自律神経が不安定になると、からだに不調があらわれてメンタルも不安定に。五月病もその影響のひとつと考えられています。
東洋医学的には「気滞(きたい)」と「気虚(ききょ)」
ここまでは西洋医学の観点解説をしましたが、東洋医学観点からもみていきましょう。
東洋医学では、からだのエネルギーである「気」の流れが滞っている「気滞」、もしくはそもそもエネルギーが不足している「気虚」の状態が五月病に当てはまります。
生命の根本であるエネルギー源の流れが滞ったり不足していることで、五月病を発症しているというわけです。
東洋医学では、からだのエネルギーである「気」の流れが滞っている「気滞」、もしくはそもそもエネルギーが不足している「気虚」の状態が五月病に当てはまります。
生命の根本であるエネルギー源の流れが滞ったり不足していることで、五月病を発症しているというわけです。
あなたは大丈夫?五月病セルフチェック
もしかしたら五月病かも?という方は、簡単なセルフチェックを行ってみましょう。当てはまると思う項目をすべてチェックしてください。
□常に疲労感がある
□朝起きられない
□食欲が湧かない
□頭痛やめまいをよく感じる
□眠りが浅い
□気分が塞ぐ
□不安感がある
□やる気が出ない
□仕事に集中できない
これらはすべて五月病のサイン。当てはまる数が多いほど、五月病の可能性が高まります。
2週間以上不調が続く場合は、かかりつけ医に相談しましょう。かかりつけ医がいない場合は、内科、もしくは精神科、心療内科を受診してください。
五月病に限らず、からだや心の不調はひとりで悩まないことが大切です。五月病を放置すると、悪化してうつ病を発症するケースもあるので、まずは医療機関で診てもらい、適切な治療を行いましょう。
□常に疲労感がある
□朝起きられない
□食欲が湧かない
□頭痛やめまいをよく感じる
□眠りが浅い
□気分が塞ぐ
□不安感がある
□やる気が出ない
□仕事に集中できない
これらはすべて五月病のサイン。当てはまる数が多いほど、五月病の可能性が高まります。
2週間以上不調が続く場合は、かかりつけ医に相談しましょう。かかりつけ医がいない場合は、内科、もしくは精神科、心療内科を受診してください。
五月病に限らず、からだや心の不調はひとりで悩まないことが大切です。五月病を放置すると、悪化してうつ病を発症するケースもあるので、まずは医療機関で診てもらい、適切な治療を行いましょう。
五月病から抜け出す3つの方法
ここからは、五月病から抜け出すためのセルフケアについて3つご紹介します。今日から簡単に始められるものばかりなので、参考にしてみてください。
1.適度な運動習慣
定期的にからだを動かすと、自律神経のバランスを整えることができます。血圧が上昇することで交感神経が高まり、日中に活発に動ける状態を作ることができるのです。また、血流が促されて筋肉をほぐすことにもつながり、心身にたまった疲れを解消する効果も期待できます。
おすすめは、ウォーキングやジョギングのような有酸素運動。室内のランニングマシンよりも、できれば野外で行ったほうが、景色も変わり気分転換になっておすすめです。
1週間に一度運動するのではなく、短時間でもいいので週に何度も運動するほうが効果的とされています。運動習慣のない方は、まずはからだを定期的に動かす習慣を身につけましょう。
おすすめは、ウォーキングやジョギングのような有酸素運動。室内のランニングマシンよりも、できれば野外で行ったほうが、景色も変わり気分転換になっておすすめです。
1週間に一度運動するのではなく、短時間でもいいので週に何度も運動するほうが効果的とされています。運動習慣のない方は、まずはからだを定期的に動かす習慣を身につけましょう。
2.食事の栄養バランスの見直し
食事メニューは「トリプトファン」の摂取を意識しましょう。トリプトファンとは、精神を安定させるホルモン「セロトニン」の材料になるタンパク質の一種。セロトニンを安定して生成するには、トリプトファンが必要不可欠です。
トリプトファンは、主に以下のようなものに含まれています。
・肉
・魚
・大豆製品
・穀類
・乳製品
タンパク質の一種ですが、魚や肉、豆腐、納豆、味噌などの大豆製品以外に、米のような穀物、ごまやピーナッツ、バナナなどにも含まれます。
いろいろな食材を摂ると、栄養バランスが偏るのを防ぐことができます。
トリプトファンは、主に以下のようなものに含まれています。
・肉
・魚
・大豆製品
・穀類
・乳製品
タンパク質の一種ですが、魚や肉、豆腐、納豆、味噌などの大豆製品以外に、米のような穀物、ごまやピーナッツ、バナナなどにも含まれます。
いろいろな食材を摂ると、栄養バランスが偏るのを防ぐことができます。
3.睡眠の質と量
安定した睡眠は、五月病で落ち込んだメンタルを回復させることにつながります。
就寝前は、パソコンやスマートフォンなどの使用を控えましょう。電子機器の画面から発せられるブルーライトを浴びてしまうと、目を通じて脳に刺激が伝わり、からだが昼間と勘違いしてしまいます。その結果、睡眠ホルモンの「メラトニン」の分泌が抑制され、寝つきが悪くなったり、睡眠の質を下げたりします。
安定した睡眠には、朝に太陽の光を浴び、メラトニンの材料になるセロトニンの分泌を促すことが大事です。メラトニンは、起床後に太陽の光を浴びてから約14~16時間後に作られるので、朝にしっかりと起きて太陽の光を浴びることで、毎日の睡眠のリズムをコントロールしやすくなります。
就寝前は、パソコンやスマートフォンなどの使用を控えましょう。電子機器の画面から発せられるブルーライトを浴びてしまうと、目を通じて脳に刺激が伝わり、からだが昼間と勘違いしてしまいます。その結果、睡眠ホルモンの「メラトニン」の分泌が抑制され、寝つきが悪くなったり、睡眠の質を下げたりします。
安定した睡眠には、朝に太陽の光を浴び、メラトニンの材料になるセロトニンの分泌を促すことが大事です。メラトニンは、起床後に太陽の光を浴びてから約14~16時間後に作られるので、朝にしっかりと起きて太陽の光を浴びることで、毎日の睡眠のリズムをコントロールしやすくなります。
五月病の対策には漢方薬も役立つ
五月病のような不調には、前述のようなセルフケアのほかに、漢方薬を使用することもおすすめです。漢方の基本理念は、体質を根本から改善すること。漢方薬は慢性的な不調にアプローチするのも得意で、乱れた心とからだのバランスを整え、不調を解消していきます。
また、漢方薬は植物や鉱物を原料とする自然由来の生薬でできていて、一般的に西洋薬よりも副作用リスクが低いといわれています。毎日飲むだけなので、生活習慣を大幅に見直さなくて済むのもメリットです。
メンタル不調に対しては、「血流の滞りを解消し、自律神経の乱れを整える」「鎮静作用で心を落ち着ける」「消化・吸収機能を高め、からだの内側から心を元気にする」といった作用を期待できる生薬を含む漢方薬を選びましょう。
また、漢方薬は植物や鉱物を原料とする自然由来の生薬でできていて、一般的に西洋薬よりも副作用リスクが低いといわれています。毎日飲むだけなので、生活習慣を大幅に見直さなくて済むのもメリットです。
メンタル不調に対しては、「血流の滞りを解消し、自律神経の乱れを整える」「鎮静作用で心を落ち着ける」「消化・吸収機能を高め、からだの内側から心を元気にする」といった作用を期待できる生薬を含む漢方薬を選びましょう。
五月病対策におすすめの漢方薬
・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):
血液の循環を整えて精神を安定させ、不安や興奮を抑えます。
・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ):
からだにこもった余分な熱を冷ますことで心を落ち着かせて、イライラや興奮を解消します。
※漢方薬は、体質との相性もとても重要です。体質に合わない漢方薬を使うと、本来の効果を発揮できないどころか、副作用が起こることもあります。取り入れたい場合は、漢方に精通した医師や薬剤師に相談しましょう。
血液の循環を整えて精神を安定させ、不安や興奮を抑えます。
・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ):
からだにこもった余分な熱を冷ますことで心を落ち着かせて、イライラや興奮を解消します。
※漢方薬は、体質との相性もとても重要です。体質に合わない漢方薬を使うと、本来の効果を発揮できないどころか、副作用が起こることもあります。取り入れたい場合は、漢方に精通した医師や薬剤師に相談しましょう。
生活習慣から見直して、五月病対策を!
五月病は、生活環境の変化によりストレスがたまったり、それにより自律神経が影響を受けたりすることで、倦怠感や気分の落ち込みなどの症状があらわれる病気です。
思い当たることがあれば、ひとりで悩まずに、まずは医療機関で診てもらうことが大切です。
症状が軽ければ、運動、食事、睡眠といった、生活習慣を見直すことで改善が期待できます。今回ご紹介したセルフケアを行いながら、五月病を乗り切っていきましょう。
思い当たることがあれば、ひとりで悩まずに、まずは医療機関で診てもらうことが大切です。
症状が軽ければ、運動、食事、睡眠といった、生活習慣を見直すことで改善が期待できます。今回ご紹介したセルフケアを行いながら、五月病を乗り切っていきましょう。
photo / Shutterstock, unsplash, pixabay
小原水月(おはらみづき)
社員食堂で300以上の料理を修得、ダイエット合宿所・特定保健検診の業務に携わり600人以上の食事と生活習慣改善を個別サポート。
自身の出産後の体調不良から食事と漢方で体調改善した経験を生かし、栄養学と漢方を合わせたサポートを得意とする。「心も体も食べたものだけで作られる」をモットーに簡単で時間もお金もかけずに元気になれる食事の選び方、食べ方を発信中。また、症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」などでもサポートを行っている。
保有資格:
管理栄養士
健康食育シニアマスター
漢方養生指導士養成講座 初級修了
あんしん漢方へのリンク