えっ、これが日本酒? おしゃれな瓶・ラベルの“新しい日本酒”たちを一挙ご紹介!
- 公開:2016.3.30
- グルメ・食
日本酒というと、漢字で名前を書いたラベルというのが一般的なイメージだと思いますが、最近はクラシックな漢字ラベルだけでなく、工夫を凝らしたラベルが登場するようになりました。瓶の大きさや形もさまざまです。日本酒のイベントで見つけた、「え、これが日本酒?」な瓶とラベルのお酒、ご紹介します。
日本酒イベントで見つけた! 意外な風貌の日本酒たち
3月12日(土)〜13日(日)、新潟市で「新潟淡麗 にいがた酒の陣2016」というイベントが開催されました。2004年から続くイベントで、新潟県内の多くの酒蔵が集まり、各蔵自慢のお酒を試飲したり購入したりできます。県内の味自慢もそろい、日本酒と料理のマリアージュも楽しめるのです。
500種類もの日本酒が揃うというこのイベント。味わいはもちろんですが、瓶やラベルもさまざまな日本酒が集まっていました。「大切なのは瓶やラベルじゃなくて中身でしょ」という声が聞こえてきそうですが、たとえるなら、瓶に貼ったラベルは、そのお酒の“顔”。クラシックなラベルを脱いで新しいラベルを着た日本酒は、やっぱりちょっと新しい味わいだったりします。
スタイリッシュなボトル!
日本酒といえば丸い瓶…という常識を覆したのが、宝山酒造の「ひと飲み酒」のシリーズ。内容量はそれぞれ200ml。小さな冷蔵庫でもドレッシングボトルの横にちょこんと収まるサイズです。
日本酒にはおもに1.8l入りの一升瓶と720ml入りの四合瓶がありますが、一升瓶はもちろん、四合瓶でも冷蔵庫にしまうのは大変! という人も多いでしょう。それに「720mlじゃ飲みきれないかもしれないし」とか、「純米酒とか吟醸酒とか、いろいろあるなら、あれこれ飲んでみたいよね」という気持ちになることも。その想いに応えたのが、この200mlの飲みきりサイズというわけです。しかも細長い四角い瓶はまるで化粧品のボトルみたいにスタイリッシュ!
「ひと飲み酒」のシリーズは、本醸造から純米大吟醸まで全7種類。味わいの違いを飲み比べてみたい!
ラベルの人影には物語アリ!
こちらの細長い瓶は、松乃井酒造場の「チーム松乃井」シリーズで、500ml入りのもの。ワインボトルをひと回りスリムにしたような雰囲気で、テーブルにおいても圧迫感なし。それどころか、いつものテーブルがちょっとおしゃれにランクアップしそうです。
注目なのは、中央の花のようなデザインと、下にある人影。これ何ですか?と伺うと「じつは“チーム松乃井”のメンバーを表しているんです」とのこと。“チーム松乃井”って?
注目なのは、中央の花のようなデザインと、下にある人影。これ何ですか?と伺うと「じつは“チーム松乃井”のメンバーを表しているんです」とのこと。“チーム松乃井”って?
日本酒づくりにはさまざまな行程があり、それぞれに人の手がかかります。またつくったお酒を多くの人々に届けるために営業をする人も必要です。松乃井酒造場ではこれを「チーム」と捉え、「チーム力」を活かした酒づくりをしているとのこと。ラベルの人影はチームの一人ひとりの姿なのです。奥の瓶のラベルでは下の人影に赤い姿がプラスされているの、わかりますか? これは、チームに新しい力が加わったということなのだそう。
そして花のように見えたのは、このチームの人数を表した数字でつくられた模様。青いSUPER本醸造は蔵人6人を表す「6」、ピンクのSUPER純米では、蔵人7人を表す「7」がぐるっと円を描き、蔵人が手をつないでまとまっているようすを表しているのだとか。
ラベルに秘められた“物語”、ちょっと楽しいですよね。
そして花のように見えたのは、このチームの人数を表した数字でつくられた模様。青いSUPER本醸造は蔵人6人を表す「6」、ピンクのSUPER純米では、蔵人7人を表す「7」がぐるっと円を描き、蔵人が手をつないでまとまっているようすを表しているのだとか。
ラベルに秘められた“物語”、ちょっと楽しいですよね。
ほどよい酸味があり、きれいな味わいの「SUPER純米」。“SUPER”の命名は伊達じゃない!
ストライク!な名前がいい
ここ数年、発泡性の日本酒が注目されています。日本酒らしい甘やかな風味と口の中ではじける炭酸の心地よさが人気です。
原酒造の「あわっしゅ」は、日本酒を瓶内で二次発酵させて、酵母の出す天然の炭酸ガスを封じ込めた発泡性の日本酒。細やかな炭酸がはじける感じと、純米酒らしいふくよかさが魅力です。
瓶内で二次発酵するのは、ワインでいえばシャンパーニュ方式。そう、シャンパンと同じ製法なのです。泡のお酒だから「あわっしゅ」。この“ド・ストライク”な名前は、つぶやくほどに楽しくなる名前でもあります。
原酒造の「あわっしゅ」は、日本酒を瓶内で二次発酵させて、酵母の出す天然の炭酸ガスを封じ込めた発泡性の日本酒。細やかな炭酸がはじける感じと、純米酒らしいふくよかさが魅力です。
瓶内で二次発酵するのは、ワインでいえばシャンパーニュ方式。そう、シャンパンと同じ製法なのです。泡のお酒だから「あわっしゅ」。この“ド・ストライク”な名前は、つぶやくほどに楽しくなる名前でもあります。
「あわっしゅ」はアルコール度数は7%。お酒はあまり強くなくて…という人でも飲みやすい日本酒です。
切り絵風のカワセミがキュート
越の華酒造の「カワセミの旅」は、フランスのショコラティエ、ジャン=ポール・エヴァン氏がショコラにあう日本酒と認めた一本。新潟の日本酒といえば「淡麗辛口」という言葉を思い浮かべる人が多いと思いますが、純米原酒のこの「カワセミの旅」は、ゆったりとして甘やか、それでいて繊細なうま味が口の中に広がる日本酒です。ビロードのような膨らみ感がたまりません。
ラベル上部の「Le Martin Pêcheur」はフランス語でカワセミのこと。
シンプルな二重丸ラベルは、「酒の陣」限定
瓶のおなかの部分に、ティアドロップ型を囲んだ二重丸。ただそれだけのラベル。あまりの潔さに「シンプルだけど、よく目立つラベルですね」と声をかけると、「この『酒の陣』用の特別ラベルなんです」とのこと。この頚城酒造の代表銘柄は「越路乃紅梅」で、ラベルには紅梅や梅の花びらが描かれています。そうか、この中央のティアドロップ型は梅の花びらなんですね!
ピンクのラベルは「HANA」と名付けられた純米大吟醸、水色のラベルは「YUKI」と名付けられた純米吟醸酒。ほんのりとお米のうまみがあり、やさしい口当たり。とてもきれいな味わいの日本酒です。どちらも無濾過ですが、「YUKI」のほうはうっすらとした濁りがあり、雪解けしたばかりの春を感じさせる風貌も好ましい感じです。
おしゃれな瓶は、「酒の陣」限定でした。…となると、来年の仕様が気になります。
頚城酒造の「越路乃紅梅 花と雪<HANA>」と、同じく「越路乃紅梅 花と雪<YUKI>」は、ラベルだけでなく中身もこの「酒の陣」だけの限定販売だとか。「酒の陣」は2004年から続くイベントで、毎年楽しみにしている日本酒ファンが増えています。だからこそ、このイベントに向けたちょっと特別なお酒を用意する酒蔵も増えているのです。
ラベルにピン!と来たら、“ジャケ”買い!
瓶のラベルは、CDでいえばCDジャケットのようなもの。聴いたことのないアーティストのCDを「“ジャケ”買い」するように、日本酒のラベルにも“ピン!”ときたら買ってみることをおすすめします。おすすめは冷蔵庫に入れやすい四合瓶。500ml瓶をつくっている酒蔵もあります。あるいは200mlや300mlなどの飲みきりサイズなら試しやすいですよね。
日本酒を飲むときは、必ず“和らぎ水”を用意して。これは、お酒を飲む合間に飲む水のこと。酔いを和らげるから和らぎ水といいます。本当は各酒蔵の仕込み水があるといいのですが、簡単に手に入るものではないので、軟水のミネラルウォーターを用意しましょう。では、おいしく飲んで、たのしいひとときを!
松乃井酒造場