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ちょっと気になる!「ヴァン・ナチュール」ってどんなワイン!?

ワイン好きの間でよく話題に上るようになった『ヴァン・ナチュール』。“ナチュール”だから、“自然”ってことですよね。ちょっと気になる響きのこのワインについて、ヴァン・ナチュールを揃える人気店「BIANCARA(ビアンカーラ)」に聞きました。

ちょっと気になる!「ヴァン・ナチュール」ってどんなワイン!?

ワイン好きなら見逃せない新機軸。でも昔ながらのつくり方でもあるのです。

BIANCARA(ビアンカーラ)のヴァン・ナチュールワインの写真

住みたい街ランキング上位にある吉祥寺のシンボルともいえる井の頭公園。その目の前にあるのが、「BIANCARA(ビアンカーラ)」。アパレル業界にいた小平尚典さんがヴァン・ナチュールに感動した末に開いたお店です。ブーメラン型のカウンターとテーブルが2つの店内は、いつもワイン好きで賑わっています。

小平さんに「ヴァン・ナチュールってどういうもの?」と聞いてみました。「とくに規定があるわけではないんです。言ってみれば、昔ながらのつくり方をしているワインといえるかな」とのこと。

各地のワイナリーでは、多くの人の求めに応じて確実にワインをつくるために、1960年ごろから除草剤や添加物などの使用が増えてきたそうです。これに疑問を持った人たちがつくり始めたのがヴァン・ナチュール。比較的新しい考え方に基づいているわけですが、じつは昔のつくり方に戻ったということなのでしょう。

イタリアの「La Biancara」のヴァン・ナチュールの写真

もともと焼酎派だった小平さんが、初めて出会ったヴァン・ナチュールがイタリアの「La Biancara」のワイン。すごい世界がある…と絶句したとか。

たし算もしない、引き算もしない。自然のままにつくるワイン。

ヴァン・ナチュールは、ぶどうを栽培するときに化学合成の農薬や除草剤を使いません。これはオーガニックワインも同じ。違いは発酵させるときにオーガニックワインが培養酵母を使うことがあるのに対して、ヴァン・ナチュールはぶどうの皮についている天然酵母のみをつかうこと。それからオーガニックワインは酸化防止剤として添加する亜硫酸をできるだけ控えていますが、ヴァン・ナチュールは使わないか、使うとしても天然由来のものを少しだけ。またオーガニックワインで必要に応じて行う香料などの添加もしません。加熱殺菌もせず、澱も引かないか最小限に抑え、ろ過もしません。

つまり、できるだけ足さず、できるだけ引かないということ。人の手をかけず、実ったぶどうをそのまま醸してつくるというわけです。

飲み心地がよく、体にもやさしい感じ

小平さん曰く、ヴァン・ナチュールの魅力は「飲み心地のよさ」。確かに飲んでみると、一般的なワインとはまったく違う、ゆるゆるとした飲み心地です。捉えどころがないのに、いつの間にか仲よくなってしまった親友のような心地よさとでも言えるでしょうか。
「体にもやさしい感じがするんですよね」というひと言が、とてもよく腑に落ちます。

「ヴァン・ナチュールは懐が深く、料理に寄り添ってくれます」。だから赤ワインと魚介料理という組み合わせも楽しみやすいのだとか。「BIANCARA」では、季節感を味わえるよう、旬の魚介を使ったメニューを多く用意しています。

BIANCARA(ビアンカーラ)の名物・炙り〆サバとポテトのソテーの写真

フードメニューの定番、「名物・炙り〆サバとポテトのソテー」。ギュッと味が凝縮した〆サバの味わいでワインが進みます。

BIANCARA(ビアンカーラ)のワインと相性のよい「パテ・ド・カンパーニュ」の写真

ワインと相性のよい「パテ・ド・カンパーニュ」。澱がらみの白ワインとも好相性

グラスで飲み比べもよし、ボトルでゆるりもよし。おつまみパンも必食!

BIANCARA(ビアンカーラ)のヴァン・ナチュールワインが陳列されているところ

「BIANCARA」では、毎日約10種類のグラスワインを用意しています。「にごりはうま味!」とか、「森を抜けたら、花園でした…」などのひと言コメントもついているので、ヴァン・ナチュール初心者にも安心です。
ボトルを選ぶときは、リスト代わりに空きボトルを並べた棚をチェック。エチケットを見ながら悩むのも楽しいひとときです。

「BIANCARA」のお楽しみはもちろん小平さんセレクトのヴァン・ナチュール。そして相棒の飯野さんが腕をふるうワインが進むフードメニュー。さらに、小平さんの奥さんが焼き上げる、ワインのためのおつまみパン。フルーツやスパイスなど、意外な組み合わせが楽しいパンは、遊び心もいっぱいで、彼女の「酒場にふさわしいパンを」という想いを表しているようです。

BIANCARA(ビアンカーラ)の「オレンジキュラソー漬けきんかんとホワイトチェダーのパン」の写真

「オレンジキュラソー漬けきんかんとホワイトチェダーのパン」

「難しいことは考えずに気楽に楽しんでください」という小平さんの言葉通り、まずはグラス一杯から試してみませんか。ヴァン・ナチュールの楽しみに目覚めたら、新しい世界が広がるかもしれません。

BIANCARAお店紹介

ヴァン・ナチュールに魅了された小平尚典さん(左)と、イタリアン出身のシェフ飯野究さん(右)が紡ぎ出す、心地よいオフのひとときに魅せられる人、多数。
10日に一度くらいの割合で、無農薬野菜を生産者が直販するマルシェも開催。地元で人気のイベントになっています。

ヴァン・ナチュールに魅了された小平尚典さんと、イタリアン出身のシェフ飯野究さんの写真

BIANCARA(ビアンカーラ)のヴァン・ナチュールが陳列されているところ

photo / 佐藤紀子

BIANCARA

三鷹市井の頭3-31-1
17:00〜23:30(LO)、日祝は15:00〜21:00(LO)、木休

https://www.facebook.com/biancaikokka/

この記事を書いた人

佐藤 紀子 新潟県生まれ。ライター、編集者。大学卒業後、証券会社に勤務。その後編集プロダクション勤務を経て1998年よりフリーとなり、商業誌、企業誌、単行本などの制作に携わ...

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