【京都】紅葉の見頃に訪れたい。窓から美しい景色を眺めてゆっくりできる古民家カフェ<3選>
- 公開:2021.12.1
- 旅行・お出かけ
まもなく見ごろを迎える紅葉を楽しみに、秋の京都へ出かける方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、カフェにまつわる本を数多く出版されている川口葉子さんの一冊『京都 古民家カフェ日和』(世界文化社)を元に、美しい景色を眺めつつゆったりできるお店を3つご紹介します。 Photo:川口葉子
歴史を感じる建築と、山中の紅葉に触れられる「茂庵」
風情ある古い建物のカフェや喫茶店が数多くある京都で、紅葉を楽しむのにぴったりの古民家カフェへご案内。ひとつめは、京都大学のすぐ東にある吉田山、なだらかな石段をのぼった頂にある「茂庵」です。
京都駅からバスで30分ほど、浄土寺または銀閣寺道のバス停で降りてから徒歩15分。少し遠いな…と感じる方もいるかもしれませんが、季節により色彩を変える自然のなかを歩く散策は楽しいもの。この時期は常緑樹に混じる紅葉を見上げながら進むうちに、歴史を感じるこの建物にたどり着けます。
こちらの茂庵は、大正時代に実業家の谷川茂次郎が造った、広大な茶苑の食堂棟を改修したカフェ。天井も床も窓も大正時代に建てられたままの姿を残しており、京都市の登録有形文化財となっています。
京都駅からバスで30分ほど、浄土寺または銀閣寺道のバス停で降りてから徒歩15分。少し遠いな…と感じる方もいるかもしれませんが、季節により色彩を変える自然のなかを歩く散策は楽しいもの。この時期は常緑樹に混じる紅葉を見上げながら進むうちに、歴史を感じるこの建物にたどり着けます。
こちらの茂庵は、大正時代に実業家の谷川茂次郎が造った、広大な茶苑の食堂棟を改修したカフェ。天井も床も窓も大正時代に建てられたままの姿を残しており、京都市の登録有形文化財となっています。
1階の待合スペースから2階のカフェに上がると、四面すべてに設けられた窓からいっぱいに広がる緑・赤・黄の木々のコントラストに目を奪われます。
そして室内を見渡すと、エレガントな赤紫色のチェアカバーが掛けられた椅子と、それに囲まれたテーブルは洋風。対して、檜が使われた天井や床板は日本の山小屋を思わせるような雰囲気。建築もインテリアも、和の伝統に洋の文化が取り入れられ始めた時代の空気を今に伝えているようです。
そして室内を見渡すと、エレガントな赤紫色のチェアカバーが掛けられた椅子と、それに囲まれたテーブルは洋風。対して、檜が使われた天井や床板は日本の山小屋を思わせるような雰囲気。建築もインテリアも、和の伝統に洋の文化が取り入れられ始めた時代の空気を今に伝えているようです。
窓の外も内装も見どころがいっぱいの空間で味わえるのは、シフォンケーキやチーズケーキといったスイーツと、ピタパンやフォカッチャサンドなどの軽食。旬の食材が使われ、メニューは季節ごとに変わっていくので、外の景色と同じように、訪れるたびに新鮮な味に出会えます。
おいしい料理に舌鼓を打ちながら、紅葉や建築をじっくり眺める。普段の忙しない日々とは少し異なるひとときを過ごしてはいかがでしょうか?
おいしい料理に舌鼓を打ちながら、紅葉や建築をじっくり眺める。普段の忙しない日々とは少し異なるひとときを過ごしてはいかがでしょうか?
和モダンな空間の大きな窓から紅葉を眺める「お茶と酒 たすき」
多くの人でにぎわう祇園四条駅から徒歩5分ほど。白川のせせらぎを聞きながら少し歩くと、小さな橋の向こうに築120年を超える2階建ての町家が見えてきます。大きな紅葉と橋、提灯、暖簾がかかる入口…。絵になる光景に目が釘付けになり、なかなか橋を渡れずに立ち止まってしまいそう。
この町家は、実はセレクトリサイクルショップ「パスザバトン京都祇園店」。建物内には、喫茶「お茶と酒 たすき」もあります。
この町家は、実はセレクトリサイクルショップ「パスザバトン京都祇園店」。建物内には、喫茶「お茶と酒 たすき」もあります。
お茶と酒 たすきのスペースは、川に面した部屋。お店のすぐ前を流れる白川と、窓の手前まで迫る紅葉を眺めながらお茶をすることができます。
店内のインテリアデザインは、世界各国のファッションブランドなどのインテリアや建築デザインを手掛けるWonderwallの片山正通さんによるもの。モダンな印象のガラス壁の空間に、時代を経た和家具が並んでいます。お茶と酒 たすきのテーブルや椅子は現代のスタイリッシュなものですが、床には古い体育館の床板が再利用されるなど、古いものを活かしている部分も。随所から、パスザバトンの「すでにあるものを大切にし、新たな価値を創造する」というコンセプトが感じられます。
店内のインテリアデザインは、世界各国のファッションブランドなどのインテリアや建築デザインを手掛けるWonderwallの片山正通さんによるもの。モダンな印象のガラス壁の空間に、時代を経た和家具が並んでいます。お茶と酒 たすきのテーブルや椅子は現代のスタイリッシュなものですが、床には古い体育館の床板が再利用されるなど、古いものを活かしている部分も。随所から、パスザバトンの「すでにあるものを大切にし、新たな価値を創造する」というコンセプトが感じられます。
お茶と酒 たすきで出されている甘味で人気なのが、ふわふわとした氷が口のなかですっと溶けていくかき氷。定番の「抹茶みつ 練乳付き」をはじめ、趣向を凝らした月替わりのメニューも人気です。12月なら「レモンパイ」や「キャラメリゼしたナッツと焦がし塩キャラメルソース」など、ほかでは食べられないメニューが登場しています。美しいアンティークの器とトレイの組み合わせも素敵なので、ぜひそうした点にも注目して味わっていただきたいです。
紅葉を切り取る窓の格子や障子の陰影も美しい「ぎをん小森」
最後にご紹介するのは、同じく白川のほとり、新橋のたもとにある甘味処「ぎをん小森」です。
戦後間もない頃に建てられたこの建物は、元はお茶屋。今のご主人のおばあさんのお姉さんがおかみをつとめていたそうです。そのおかみさんが亡くなられた後、厨房を改装した以外はほぼお茶屋の頃のまま、1998年に甘味処として開店して今に至ります。
戦後間もない頃に建てられたこの建物は、元はお茶屋。今のご主人のおばあさんのお姉さんがおかみをつとめていたそうです。そのおかみさんが亡くなられた後、厨房を改装した以外はほぼお茶屋の頃のまま、1998年に甘味処として開店して今に至ります。
暖簾をくぐり店内に入ると、奥まで長く廊下が伸び、大小の座敷が並んでいます。写真は、坪庭に面した1階奥の座敷。等間隔の美しい格子と、障子から透ける木漏れ日にも風情があります。窓際の席なら、お店の外を流れる白川と周りの紅葉も眺めることも可能です。
席と席の間にほどよく距離があり、ほかのお客さんの楽し気な会話も心地よいBGMに。のんびりくつろぐうちに、かつてのお茶屋の頃にタイムスリップしたかのような気分になれそうです。
席と席の間にほどよく距離があり、ほかのお客さんの楽し気な会話も心地よいBGMに。のんびりくつろぐうちに、かつてのお茶屋の頃にタイムスリップしたかのような気分になれそうです。
パフェやあんみつなど、メニューは豊富にあります。
こちらの「わらび餅」は、わらび粉100%で毎日練って作られているもの。驚くほどぷるぷるとした食感に、香ばしいこがしきなこと黒蜜が絡みます。抹茶とのセットにし、ゆっくりと味わいたい一品です。
こちらの「わらび餅」は、わらび粉100%で毎日練って作られているもの。驚くほどぷるぷるとした食感に、香ばしいこがしきなこと黒蜜が絡みます。抹茶とのセットにし、ゆっくりと味わいたい一品です。
古都の暮らしや文化を伝え続ける古民家をギュッと集めた一冊
以上、川口葉子さんの『古都の記憶を旅する43軒 京都 古民家カフェ日和』(世界文化社)から3軒の古民家カフェをご紹介いたしました。古都ならではの長い歴史をもつ建物が数多く残る京都で、築50年以上の建物を転用・再生したカフェを集めた書籍です。
京都に何度も足を運んだことがある方でも、「こんなところもあったの?」と驚くであろう隠れ家のようなお店もたくさん。紹介文を読んでみると、かつてそこに暮らした人々の知恵や工夫と、それを末永く伝えていきたいと残してくれた方々の想いにも触れることができ、実際に訪れたときの楽しみがぐっと増します。
編集部スタッフがこの本を片手に掲載のお店に足を運んだところ、「とても素敵だった!もう一度行きたい」と感激の声が。
近々京都旅行しようという方はもちろん、いずれ旅したいという方も、持っていて損はない一冊です。ぜひ書店で手にしてみてはいかがでしょうか?
京都に何度も足を運んだことがある方でも、「こんなところもあったの?」と驚くであろう隠れ家のようなお店もたくさん。紹介文を読んでみると、かつてそこに暮らした人々の知恵や工夫と、それを末永く伝えていきたいと残してくれた方々の想いにも触れることができ、実際に訪れたときの楽しみがぐっと増します。
編集部スタッフがこの本を片手に掲載のお店に足を運んだところ、「とても素敵だった!もう一度行きたい」と感激の声が。
近々京都旅行しようという方はもちろん、いずれ旅したいという方も、持っていて損はない一冊です。ぜひ書店で手にしてみてはいかがでしょうか?
photo / 川口葉子
古都の記憶を旅する43軒 京都 古民家カフェ日和
刊行:世界文化社
定価:1,650円(税込)