生き生きとした自然が刺繍に。マカベアリスさんが一針一針縫う、美しい草花のブローチ

小鳥や植物をモチーフにした刺繍作品を手がけるマカベアリスさん。「季節の流れの中で感じる小さな感動や喜びを形にしたい」という思いで、パネルやポーチなどの刺繍小物の制作をされています。生き生きとした自然が表現され、ストーリーがあるようにも感じられる奥深さや広がりがある作品ばかり。今回はその中でも、春夏の暖かな日差しや空気に似合いそうなかわいらしい草花がモチーフのブローチをご紹介します。

まずご紹介するのは、たくさんの花が描かれたブローチです。左は、「野の花のリース」。オレンジや水色などのカラフルなお花が、円を描くように楽しげに並んでいます。小さな頃、野原で見つけた草花で花飾りを作ったときのわくわく感を思い出させてくれそうな雰囲気です。
右の「森の散歩道」は、淡いグリーンの背景に、白や黄緑、ブルーグリーンの植物が並びます。大きく葉っぱや花びらを伸ばす植物たちが、ひっそりとした森の奥で、生命力をもって生きていることが感じられるようなブローチです。にぎやかな印象のこれらのブローチは、シャツやバッグなどにつければ、装いに華やかさを加えてくれそう。

野の花のリース（白）・森の散歩道（グリーン）各4,000円（税込）

こちらは、1種類のお花が繊細に表現されたブローチ。実際のお花をよく見ると、お花の中心から外側に向かって花びらに筋が入っているのが分かりますが、こちらのブローチはそんな細かなところまで丁寧に再現されています。
たとえば、左のやわらかなベージュ地のブローチにあしらわれている、ブルーの「ビオラ」。おしべの辺りから伸びる白い線や、花びらによって色の濃さが異なっているところなど、本物のビオラの佇まいが表現されています。
右の「ひなげし」も、ギザギザとした葉っぱと丸い蕾のかたちは、まるで本物のお花のよう。ただ、葉っぱなどに使われているのはピンク色の糸。この少し変わった色使いで、幻想的な作品になっています。
どこかふんわりとした雰囲気をもつ2つのブローチは、目にするたびにやさしい気持ちになれそうです。

ビオラのブローチ・ひなげしのブローチ　各3,600円（税込）

同じお花でも、こちらは上の2つと比べ抽象的で、絵本などに出てきそうな形。
左は「小さな草花のブローチ」。赤くて丸いお花が印象的で、なにかの木の実のようにも見えます。ちょっとポップでかわいらしい形や色合いで、ファッションのアクセントにもなりそう。
右の黒地に白いお花が映える「スクエアフラワーのブローチ」は、シックで大人っぽい雰囲気。実在しないお花の名前がつけられていますが、モチーフとなったのは、アリッサムか水仙か、それともイチゴの花でしょうか？そんなふうに想像するのも楽しい作品です。
落ち着いた色使いながら色のコントラストがくっきりとしたブローチは、シンプルな服やバッグにつければ、ほどよいアクセントになりそうですね。

小さな草花のブローチ　2,300円（税込）
スクエアフラワーのブローチ　3,600円（税込）

ご紹介したブローチは、すべてマカベアリスさんが一つひとつ制作しています。一度にたくさん作ることができず、オンラインショップは不定期でのオープンとなっています。作品がショップ・取扱店に並ぶときや、個展や企画展があるときは、公式サイトやSNSで事前告知があるそうなので、ぜひ確認してみてくださいね。

また、昨年12月に、マカベアリスさんがご自身で物語を作られた刺繍絵本『野のはなとちいさなとり』（株式会社ミルトス）も発売されました。さびしい思いをしていた小さな鳥が、美しい草花に出会い心を動かされていく、とても素敵なお話です。一針一針刺繍で丁寧に表現された、生き生きとした自然の光景は、読者の私たちの心も温かくしてくれます。こちらもぜひ、本屋さんなどで手にとってみてください。

素敵な自然が描かれた、マカベアリスさんの刺繍作品。手にすれば、本物の自然の穏やかさに触れたときのように、幸せな気分になれますよ。