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進化するオシャレな町のパン屋さん、東日本橋「BEAVER BREAD(ビーバーブレッド)」

2017年11月、神田や日本橋からほど近いビジネス街・東日本橋の街角にオープンしたパン屋「BEAVER BREAD」。売り場がたった3坪ほどしかないこの小さなパン屋には1日に数百人もの人が訪れるといいます。ビーバーのロゴが可愛い人気のパン屋さんの魅力に迫ります。

進化するオシャレな町のパン屋さん、東日本橋「BEAVER BREAD(ビーバーブレッド)」

食事パンからワインに合うパンまで、愛される町のパン屋さん

「BEAVER BREAD」の外観

東日本橋駅から徒歩数分。通りに面した大きな窓に設置された棚に美味しそうなパンがずらっと並ぶのは、パン好きの間で話題になっている「BEAVER BREAD」。店内にはバゲットや食パン、量り売りをしてくれる大きなカンパーニュやサワードゥブレッドなどの食事系のパンのほか、メロンパン、あんパンといった菓子パン、さらにはセミドライトマトを練り込んだワインにも合いそうなパンなどが、所狭しと並んでいます。取材をした日も、ご近所のOLさん、赤ちゃん連れの女性など、さまざまな方がひっきりなしに訪れていました。まさに町のパン屋さんといった雰囲気です。

過去の成功をあっさり捨てた、新たなチャレンジ

「BEAVER BREAD」の作り手、割田さん

オープンから連日多くの人で賑わうこの店のプロデューサーでもあり、パンの作り手でもあるのは、パン好きならその名前を聞いただけで「ああ」と頷くであろう、銀座の「ブーランジェリーレカン」でシェフを務めていた割田健一さんです。以前の店でシェフとして忙しくしていた割田さんに知人が「このエリアに町のパン屋を作りたい」と相談したのがことのはじまり。最初はアドバイザー的な立ち位置で話を聞いていたはずが、気がついたら自身がパンを焼くことになっていたそう。すでにパンの世界で名を馳せていた割田さんですが、名もなきパン屋をはじめることになったことに関して「今の時代、いつまでも何かに執着してしがみつくのではなく、新しいことをパッとやれる軽さも必要だと思うから」と言います。有名店での成功は、割田さんにとってゴールではなかったそう。過去の肩書きを捨て、無名の店を一から作り上げることは冒険でもありますが、割田さんは、どこかこのチャレンジを楽しんでいるようでもありました。

好奇心と出会いが生み出す、新しいパン

「BEAVER BREAD」のMGドッグ

現在、店頭に並んでいる商品はだいたい40種類程度。博多から送ってもらうという明太子を使った明太フランスや、個人的にも親しくしている銀座の有名レストラン「マルディ・グラ」の和知シェフが自ら作ったソーセージを使ったMGドッグなど、人気の商品はあっという間に売り切れになることも。これだけの種類のパンを、割田さんを含む3人のスタッフで焼き続けると言います。

「BEAVER BREAD」のスタッフたち

さらに通常業務の間に、毎日のように試作を重ね、新作の開発も行っています。そのため、割田さんは早朝から夕方までひたすらパンを焼き続けます。和知シェフとの出会いもそうですが、新しい素材に対する好奇心と、それを作っている人たちとの出会いが、割田さんのものづくりの幅をさらに広げているようです。

美味しいものがあるところには、自然に人が集まってくる

「BEAVER BREAD」の店員

BEAVER BREADは過去の肩書きをあえて外して挑戦した新たな試み。そのため、オープンの際には宣伝も、プレスリリースもせずに挑みました。「お客さんが来なかったらどうする?」と冗談交じりにスタッフと話していたそうですが、実際開店当日は沢山のお客様が訪れました。BEAVER BREADのパンは決して安くはありません。通常のレーズンよりも高価なレーズンを使った巨峰のレーズンパンは1個300円。それでも、焼きたてが店頭に並ぶと、次々に売れていきます。「美味しいものは記憶に残りますから」と割田さんが言う通り、BEAVER BREADは、たとえ安くはなくても、一度買って食べたお客様が、その味を求めて再びやってくるリピーターの多い店でもあるのです。

お客様の変化に合わせて進化を続ける町のパン屋

「BEAVER BREAD」の店内にある窓

店の設計をする際に割田さんが取り入れたかったことのひとつが、店舗と厨房をつなぐガラス窓。お客様からはパンが焼けるところを見られるし、割田さんたち職人からはお客様がどんなパンをどんな風に買ってくれるかを見ることができる、大切な窓です。「毎日食パンを買ってくれていたお客様が、ある日食パンを買わずにカンパーニュを買っていったんです。食パンに飽きたのか、それともうちのパンに慣れてくれて、他のものも食べてみようと思ってくれたのか。そんな日々のお客様の変化を見ながら、商品の改良や、新しいメニューの開発をしているんです」と割田さん。過去の成功ではなく、目の前にいるお客様の笑顔を見つめて、近所の人が毎日食べたくなるようなパンづくりをしながら、今日もBEAVER BREADは進化を続けています。

photo / カオリーヌ

BEAVER BREAD(ビーバーブレッド)
東京都中央区東日本橋3丁目4-3

https://www.instagram.com/beaver.bread/

この記事を書いた人

カオリーヌ 女性情報誌、グルメ系雑誌などでライターとして執筆。そのほか、文芸小説の編集も担当。担当作品が山本周五郎賞の最終候補作品にノミネートされる。プライベートでは、...

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※掲載内容は記事公開時点のものです。最新情報は、各企業・店舗等へお問い合わせください。
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