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僕が「Why Juice?」を始めたわけ―プライベートと仕事の境界線―

WEBを中心とするクリエイティブな領域で名を馳せている一方、2014年にコールドプレスジュースショップ「Why Juice?(ホワイジュース)」を立ち上げた小池博史氏。なぜ、あえて今、ジュースなのか?何かを始めたいと思っている人、必読のお話を小池氏に伺いました。

僕が「Why Juice?」を始めたわけ―プライベートと仕事の境界線―

はじまりは美味しい野菜との出会い

「Why Juice?」を立ち上げたクリエイターの小池博史氏

以前、Sheageでも紹介した代官山にショップを構えるコールドプレスジュースブランド「Why Juice?(ホワイジュース)」。実はこのブランドを立ち上げたのは、カンヌほか国内外のクリエイティブ・アワードを数多く受賞してきた、クリエイターでもあり、インタラクティブを中心としたデザイン会社「NON-GRID Inc.」「IMG SRC Inc.」の代表でもある小池博史氏です。デジタル業界ですでに成功を収めていた小池氏が「Why Juice?」を立ち上げることになった大きなきっかけのひとつが美味しい野菜との出会いだったのだそう。
 知人の経営する会社が新潟県に引っ越し、遊びに行った時のこと。それまでは東京でも、お金を出せば美味しいものが食べられると思っていたのに、その時に食べた野菜には、決してお金では買えない全く次元の違う何かを感じたのだとか。新鮮な旬の野菜の美味しさに衝撃を受けた小池氏は、それをきっかけに、野菜を作っている農家の人たちと交流を広げていくようになったのです。

モノを作って発信したいという憧れが現実に

「Why Juice?」で使用される新鮮な野菜

小池氏は、美味しい野菜に出会う以前から、デザイン会社として仕事を受注するだけではなく、自分たちでモノを作って発信したいという思いを漠然と抱いていたと言います。「自分たちがインターネットを通じて仕事を広げてきたので、モノづくりに憧れがあったんでしょうね」(小池氏)。そんな風に、美味しい野菜を作る農家の人たちとの繋がりもでき、モノ作りがしたいとモヤモヤと考えている中、2011年に東日本大震災が起こります。その時、一度海外に避難し日本に戻ってきた人たちから「安全な野菜はどこで手に入れられるの?」と聞かれたことが背中を押し、「Why Juice?」立ち上げが本格的に始動しました。
 40歳を超える頃から、それまで楽しかった夜遊びよりも、自分の体のことや健康について興味を持ち始めたという小池氏は、自分が美味しい野菜に触れていいなと思えた気持ちを、もっと多くの人に伝えたいと考えました。そのまま野菜を売る方法もある中、今まで自分が仕事でやってきた「デザイン」という要素を取り入れ、野菜を加工して売る「ジュース」が、自分たちらしいのではないかと考えたそうです。

意外なきっかけから生まれた出張ミニトラック

「Why Juice?」のおしゃれでかわいいミニトラック

繋がりのあった美味しくて安全な野菜を作る農家の方々の協力も得て2014年に「Why Juice?」が誕生しました。とはいえ、今までとは勝手の違う世界ですぐに大成功というわけではなかったようです。たとえば、屋外のイベントやランチスポットに出現する
「Why Juice?」のかわいいミニトラック。実はこれも、少ないコストで商圏を広げるためのひとつの手段だったと言います。でも、それが今では「Why Juice?」のシンボルとして人気となっていると言いますから、どこにどんなチャンスがあるかは、本当にやってみないと分からない良い例と言えるかもしれません。

提携している農園で行われる「農園キャンプ」

「本当は受注したデザインやデジタルの制作だけに集中した方が生活は安定するのかもしれません」と小池氏。それでも、ひとつのデザインをしたらそれで終わりではなく、自分が良いと思えるものを永続的に続けることにチャレンジしたかった小池氏は、提携している農園で「農園キャンプ」を開催したり、ジュースを作る工程で出る野菜の搾りかすを利用し、ベーグルや、ビーガンの人たちのためのソーセージを開発するなど、今も新しいことにチャレンジし続けています。「こうした試みができるのも、会社のスタッフたちが会社のブランディングとしてプロダクション業務にもよい影響があると、理解してくれているから」と言う小池氏。そんなスタッフの理解こそが自身の最大のモチベーションに繋がっているのだそうです。

「Why Juice?」の人気商品とブランドを立ち上げた小池氏

「Why Juice?」は、小池氏にとって仕事でもあり、プライベートで興味のあったことを具現化したものでもあります。仕事とプライベートを切り分けるのではなく、むしろふたつの境界線が曖昧であることを目指してきたと小池氏は言います。「Why Juice?」は、小池氏が自分の人生を考えた時に、年を取っても永続的にできるものというライフスタイルの一部であり、近年興味を抱くようになった「食」というプライベートでもあるのです。
 今回、小池氏のお話しを伺って、何かを始めたい、何かに興味があると感じた時に「仕事を取るか趣味を取るか」「転職するのか起業するのか」で悩むのではなく、両方のいい所をうまく利用し、「仕事」と「プライベート」をグラデーションのように繋げていくライフスタイルもあるのだということを、知ることができました。「仕事」か「プライベート」かなんて堅苦しく考えるのではなく、まずは興味を持ったことに積極的にかかわってみること。たとえば「いいな」と思うことをSNSで発信したり、趣味の仲間を作ったり、休日に気になる場所を訪ねたり。その最初の一歩が、新たな可能性を切り開いてくれる、きっかけになるかもしれません。

photo / Why Juice?、カオリーヌ(人物写真)

Why Juice?
〒150-0034 東京都渋谷区代官山町13−8
info@why-juice.com

http://www.why-juice.me/

この記事を書いた人

カオリーヌ 女性情報誌、グルメ系雑誌などでライターとして執筆。そのほか、文芸小説の編集も担当。担当作品が山本周五郎賞の最終候補作品にノミネートされる。プライベートでは、...

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