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目利きの店主が選んだ、その1冊との出会いがある場所。田原町に書店「Readin’Writin’」が誕生

本が売れないと言われ、書店が街中からひっそりと姿を消していく中、店主によるユニークなセレクトが特徴の個人経営の書店は、地域のファンの心をガッチリ掴んで頑張っています。そんな書店のひとつ、今年4月に田原町にオープンした「Readin’Writin’(リーディン ライティン)」をご紹介しましょう。

目利きの店主が選んだ、その1冊との出会いがある場所。田原町に書店「Readin’Writin’」が誕生

第二の人生では、大好きな本を扱おうと思った

田原町の書店「Readin’Writin’」の店内に本がたくさん並んでいる

街になくてはならないもののひとつに、書店があるのではないでしょうか。そこに行けば、「なにか」との出会いが期待できる場所。目的の本があるならば、通販でも十分でしょう。でも、もしかしたらその後の人生を変えるかもしれないような本との偶然の出会いは、自分で書店に足を運ぶことによってしかもたらされないような気がします。そんな貴重な場所がどんどんなくなっていくのは、街の命の危機と言っては、言い過ぎでしょうか?東京の東側、浅草や蔵前にもほど近い田原町にできた書店「Readin'Writin'(リーディン ライティン)」は、元新聞記者の店主・落合博さんが第二の人生を考えたとき、自分の大好きな本を扱いたいと思って開いたものです。

中二階のある空間は、運命の出会いだった!?

田原町の書店「Readin’Writin’」の店内を入り口から見た全景

「あと数年で定年を迎える歳になったとき、これから自分はどうするのかと考えるようになりました。自分としてはまだ何かをしたいという意欲もあるし、子供も小さいから何かしなければいけない。その時、家にいっぱいある蔵書、会社でも机の回りに積み上がっている本を扱ってみたらどうかと思ったんです」(落合さん)。本に囲まれた場所が居心地がよいと感じ、さまざまな書店を訪ねていく中、本に携わる人との出会いがあり、落合さんは背中を押されたのだそうです。田原町のこの物件を選んだのは全くの偶然だったのだとか。「どんな街だろうかと歩いているときに、たまたまこの建物のシャッターが開いていて、中を覗いてみたら中二階が見えたんです。これは面白そうだとピンときて、ここに決めました」(落合さん)。

居場所のない、幼い子どものいる家族連れにも寛ぎの空間を

田原町の書店「Readin’Writin’」の畳敷の中二階に絵本が並んでいる

落合さんの心を引きつけた中二階は、畳敷きになっていて、壁面には絵本が並んでいます。畳を敷いたのは落合さんのアイディアだったそうですが、絵本を並べたのは「たまたま」だったのだとか。開店前に絵本が納品されたとき、一階部分はまだ内装工事が終わっていなかったので置くことが出来ず、たまたま中二階に並べたのだそう。「お子さん連れのお父さん、お母さんが寛ぎのスペースとして使ってくれているので、結果として良かったんだと思います。僕も経験がありますが、小さい子供のいる家族は、どこかの店に入ろうとしたら、ベビーカーお断りなんて言われて、居場所がないんですから」(落合さん)。開店から約2ヶ月。そんな家族連れはもちろんのこと、たまたま前を通りかかった人のほか、落合さんとつながりのある書店関係者のツイートで知ったという本好きも多く訪れる書店になっています。

Readin'Writin'―読むことと書くことの深い関係

田原町の書店「Readin’Writin’」の店主で元新聞記者の男性の落合博さん

Readin'Writin'がただの書店じゃないのは、その店名に現れています。「僕は書店の店主としてはド素人。でも、“書く”ということは仕事として30年近くやってきたので、ここは自分のストロングポイントですから、これを何かに活かしたいと思いました」(落合さん)。ということで始めたのが文章教室(Workshop for Writing)です。マンツーマンで一回90分。課題を書いてきたものを読みながらいろいろな話をする中で、こういう風にしたらもっと読みやすくなりますよというようなアドバイスをしていきたいと落合さんは言います。「読むことは、書いた人の立場になって考えること。書くことは、読む人の立場になって考えること」と、ワークショップのチラシに書いてあるように、まさにReadin'Writin'なのでしょう。

本をきっかけに人が集まる空間へ

田原町の書店「Readin’Writin’」の木の棚に写真集が展示されているスペース

私がこのお店にうかがった日、書棚の間にモノクロの写真が飾られていました。写真家の桑田絵梨さんの写真集『東京祭臭』発刊を記念した個展なのだそうです。「近々の予定としては、絵本作家と出版社の協力を得て、ワークショップやトークショーなどの企画があります。知り合いの編集者などからも、ここを使わせて欲しいなどという問い合わせも結構来てるので、レンタルスペースやギャラリーとして使って貰えると嬉しいなと思っています」(落合さん)。たまたま取材で知り合ったという建築家の手による内装は、新しいのにどこか懐かしい空気を作り出しています。壁面を飾る本の数々は、ほとんどが本好きの店主の選球眼によって選ばれたもの。本好きはもちろん、普段本にはあまり縁のない方も、出会いを求めに是非来てみて頂きたい空間です。

photo / reeeko

田原町の書店「Readin’Writin’」の入り口にある木の看板

Readin’ Writin’ BOOK STORE
〒111-0042
東京都台東区寿2-4-7

http://readinwritin.net/

この記事を書いた人

reeeko 食べることと飲むこと、そして読むことが大好き(ついでに寝るのも)。以前は本なしで電車には乗ることはできなかったけれど、最近はスマホで読書できるようになったか...

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