味も香りもさまざまな茶葉の宝庫。中国茶ならではの種類の差を楽しもう。「今古茶籍」<その2>
- 公開:2017.3.19
- グルメ・食
中国茶と言えば、ウーロン茶、ジャスミン茶などがすぐ頭に思い浮かびます。でも、中国茶とは何?と聞かれると意外に私たちは知らないのではないでしょうか?そこで東京・富ヶ谷にある 中国茶の専門店「今古茶籍(ここんちゃせき)」のオーナー・簡里佳さんにお話をうかがいました。
お茶は女性にとっては『ままごと』!?
「今古茶籍(ここんちゃせき)」を訪れるお客様は男性が多いのだそうです。「理由は簡単。ここはお茶を飲むお店じゃなくて、茶葉を売る店だからです。男性にとってお茶は『おもちゃ』、女性にとってお茶は『ままごと』。男性は茶葉があれば、これは何だろう?などと言ってAとBのお茶を比較したり、ひとりで遊ぶけれども、女性はお茶を淹れて私とあなたで遊ぶ、ということなんです。それが男女のお茶に対する態度の違いですね」(簡さん)。とは言え、お茶の基礎的な知識は押さえておきたいので、簡さんに簡単に解説していただきました。
お茶を飲む文化の発端は中国から
「中国のお茶の原産地は雲南省や貴州、インドなども含まれます。だから植物としての原産地は、アジアの西南。インドでも茶葉は収穫されていますけれども、インドは香料(スパイス)の国で、お茶を飲んで楽しむということをし始め、お茶の文化が始まったのは中国が発端だと言われてます」(簡さん)。
お茶の芽を摘む緑茶、廬山雲霧 (ろざんうんむ)
一言で中国茶と言っても、概要はなかなかわかりにくいので、簡さんに説明していただきました。「木から摘んだ芽が緑茶です。発酵度がだいたい10%までのものが緑茶のカテゴリに入ります。芽が出る度に収穫を行う緑茶は、毎日茶摘みができます。それが、成熟した葉を摘む、他の種類のお茶とは異なる特徴です。緑茶が摘める期間は、ひとつのシーズンで約20日間。雨が降ったり、気温が低いと茶芽が伸びない場合もあるので、約20日の間に7、8回から12、3回。これがひとつのシーズンで摘める回数です。また、緑茶は、初日、5~10日、10~15日と、摘んだ日にちによって区別されるのも特徴。初日のお茶は、まだ出ている芽が少ないのでパワーが強く、希少価値があり価格も高いのです」。
酸化を経たお茶の分類
中国茶には、緑茶を発酵させてできるものがあり、発酵度によって、以下のように分類されます。
(酸化)酵素による発酵を経たお茶
・白茶(発酵度10~25%)
・青茶(発酵度25~75%)
・紅茶(発酵度75%以上。完全発酵)
他の方法による発酵を経たお茶
・黄茶(発酵度10~25%)
・黒茶(発酵度25~75%)
(酸化)酵素による発酵を経たお茶
・白茶(発酵度10~25%)
・青茶(発酵度25~75%)
・紅茶(発酵度75%以上。完全発酵)
他の方法による発酵を経たお茶
・黄茶(発酵度10~25%)
・黒茶(発酵度25~75%)
産地によって異なる青茶の数々
「青茶は、ひとつのシーズンに1回しか茶摘みをしません。ということは、品質を決めるのは産地。そして摘む日付によって品質に差が出てくるのです」(簡さん)。
今回は 簡さんに典型的なお茶を6種類選んでいただきました。写真右下から時計回りに、
・凍頂烏龍茶(台湾 南)
・東方美人(台湾 中部)
・文山包種(台湾 北)
・鉄観音(福建省 南)
・鳳凰単叢(広東省)
・岩茶(福建省 北)
となっています。茶葉の色、形が異なるのはもちろんですが、口に含んだときに広がる香りも、何回か入れるうちにかわってきて、中国茶の奥深さを体感することができました。
次回は、簡さんがどのようにして中国茶にはまり、お店を開くにいたったのかについてうかがいます。
今回は 簡さんに典型的なお茶を6種類選んでいただきました。写真右下から時計回りに、
・凍頂烏龍茶(台湾 南)
・東方美人(台湾 中部)
・文山包種(台湾 北)
・鉄観音(福建省 南)
・鳳凰単叢(広東省)
・岩茶(福建省 北)
となっています。茶葉の色、形が異なるのはもちろんですが、口に含んだときに広がる香りも、何回か入れるうちにかわってきて、中国茶の奥深さを体感することができました。
次回は、簡さんがどのようにして中国茶にはまり、お店を開くにいたったのかについてうかがいます。
photo / reeeko
今古茶籍(ここんちゃせき)
東京都渋谷区富ヶ谷2-21-11 西建ビル 1F
03-5478-1428
井の頭線「駒場東大前駅-」徒歩7分
地下鉄千代田線「代々木公園駅-」徒歩10分
小田急線「代々木八幡駅」徒歩10分
<続編の記事>
まず目の前にあるものを飲んでみる。そこから始まる“中国茶”の面白さ。「今古茶籍」<その3>