生ごみは捨てずに再利用できる！？環境に優しい「コンポスト」の作り方

「コンポスト（Compost）」とは、生ゴミや落葉などを利用して作る堆肥のこと。有機物を微生物の力で発酵・分解させ、栄養豊富な土壌へ導く効果があります。

その堆肥を作るための容器の名称は本来「コンポスター（Composter）」になりますが、堆肥と同じように「コンポスト」と呼ばれることも珍しくありません。本文では、堆肥を意味する「コンポスト」と、容器を意味する「コンポスター」は分けることとします。

コンポストを手作りすることには、いくつものメリットがあります。特に自宅で作ることで、生ゴミを捨てる手間が省けて、ゴミ袋の消費も抑えることができます。
また、家庭菜園やガーデニングで肥料の代わりとして使うことが可能。
さらに環境面においては、ゴミ処理施設に持ち込まれるゴミの量が減ることから、焼却に必要な燃料や費用の削減に繋がります。

コンポスト作りには色々な方法があります。バケツのような形の市販のコンポスターを使って作るものもあれば、段ボールを利用して容器から自作することも可能。
また、ベランダの片隅で使えるコンポスト作りのための便利なキットを利用したり、より簡単に済ませたい場合は、電動生ゴミ処理機を取り入れるのも良いですね。

どれもさほど難しいものではなく、初心者でも挑戦しやすいですよ。

コンポストの作り方の一つとして、設置型コンポスターを利用したものがあります。
設置型は、地面に穴を掘り、容器の下部分を埋めるという使い方をするもの。上には蓋がついていて、中を密閉することで生ゴミの発酵を促します。
バケツのようなタイプからおしゃれなものまで色々なデザインがあり、比較的安価で初心者にも人気の方法。ですが、ベランダでは利用できず、庭や畑が必要。また、堆肥が完成するまで3～4ヶ月ほどの時間を必要とします。

市販のコンポスターには、設置型の他に回転式も。
ドラム型の容器を回転させたり、抽選のガラガラのように持ち手で回したりして、中を撹拌させながらコンポストを作っていきます。
地面を必要としないため、ベランダに設置できるのが利点。庭や畑がないという方に人気です。ただし、使い方が簡単な反面、設置型よりもコストが高くなります。

コンポストは、段ボールを使って手作りすることも可能です。庭やベランダの片隅で使用できますし、段ボールの代わりに、プランターや麻袋を使ってもOK。バケツやビニール袋のような嫌気性の素材でなければ大丈夫です。
ただし、使い方には注意が必要。虫が入り込んだり、臭いが発生したりするので、虫よけや消臭対策が必須となります。その分コンポスターに費用がかからないので、まずは一度試してみたい、という初心者の方におすすめですよ。

コンポストをおしゃれに手作りしたい場合は、専用キットを一式揃えてみては。ベランダはもちろん、室内に置いても違和感のないお洒落なデザインの専用キットが販売されています。
また、コンポスト作りに必要なキットが一式揃っているので、材料を揃える手間が省けるのが魅力。初心者向けの使い方の手引もついてきます。配合済みの床材が定期的に届けられるサブスクリプションサービスがある場合も。
キットを使った方法は、種類によって若干作り方が異なります。使い方をしっかりチェックして、手順通りに作っていきましょう。

電動生ゴミ処理機は、最も簡単にコンポスト作る方法の一つ。他の作り方は微生物によって分解させているのに対して、電動生ゴミ処理機は温風を発生させ乾燥させて堆肥にします。また、電気を利用しているため、他のどの方法よりも短時間で完成。処理の過程で臭いが発生しにくい点も人気です。
デザインに関しては、バケツ型からスタイリッシュなものまで幅広く、室内で使用OK。
ただし、初心者が挑戦するにはコストが高く、電気代も必要になるというデメリットも。

コンポストを手作りする際には、生ゴミの種類に注意しましょう。微生物によって分解されにくいものや、悪臭の原因になるものがありますので、以下のリストをチェックしておいてくださいね。
また、野菜の硬い皮や、果物の種のようなものは、分解に時間がかかることを覚えておきましょう。

OK ごはん・野菜や果物のくず・卵の殻・魚や肉のくず・お茶の出がらしなど
NG 骨・貝殻・油類・病気の植物・腐敗した生ゴミなど

設置型や回転型、段ボールやキットを使ったコンポスト作りのときには、カビの種類にも注意してください。中に黒カビが発生している場合は、悪臭の原因になることから、すぐに取り除く必要があります。ちなみに、白カビの発生は問題ありません。コンポスト作りでは、発生するのが自然です。
電動生ゴミ処理機の場合は、内バケツの中で乾燥させるので、カビの心配はしなくてもOK。

家庭菜園やガーデニングに役に立つコンポストは、初心者でも簡単に手作りすることができます。使用するコンポスターによってメリット・デメリット・作り方は異なってくるので、自分に合ったものを選んでくださいね。庭やベランダなど作りたい場所を基準にしたり、デザインを基準に選んだりしましょう。
記事を参考に、地球に優しいコンポスト作りに挑戦してみてくださいね。