暮らしの中に小さな物語を添える。プロダクトブランド「studio note」の作品
- 公開:2016.10.16
- アート・カルチャー
21_21 DESIGN SIGHTで行われた「デザインあ展」や「コメ展」などへの出展や、内装デザイン、店舗アートワークなど、デザインの分野で多岐にわたり活動されているプロダクトデザイナー寺山紀彦さんのプロダクトブランド「studio note(スタジオ ノート)」の作品をご紹介します。
見て触れるほどにストーリーが広がる「studio note」のプロダクトデザイン
栃木県出身のプロダクトデザイナー寺山紀彦さん。日本やオランダ留学でプロダクトデザインを学び、帰国後の2008年にプロダクトブランド「studio note(スタジオ ノート)」を立ち上げ、活動をスタート。“形がきれいというだけではなく、物語を感じるモノづくり”をテーマに、独創的な作品の数々を発信し続けています。
awaglass
時計を作ろうと考えていた時にひらめいたという、砂時計ならぬ“泡時計”な「awaglass(アワグラス)」。ガラス部分は、砂時計を制作している吹きガラス職人の方によるハンドメイドで、中の液体は、寺山さんが試行錯誤して生み出した特殊な液体なのだそう。
砂時計だと空になっていくはずの上部のガラス部分に、ポコポコと泡が登っていく様子はとっても不思議。泡“時計”とはいっても時間はまちまちです。一瞬一瞬で形を変えて生まれる泡は不規則で個性的。眺めているうちに、むしろ時間を忘れてしまうような、次第に心が落ち着いてずっと見ていたくなる作品です。
砂時計だと空になっていくはずの上部のガラス部分に、ポコポコと泡が登っていく様子はとっても不思議。泡“時計”とはいっても時間はまちまちです。一瞬一瞬で形を変えて生まれる泡は不規則で個性的。眺めているうちに、むしろ時間を忘れてしまうような、次第に心が落ち着いてずっと見ていたくなる作品です。
twotoo
一見趣のある普通の器のように見えますが、さりげなくもしっかりとデザインされているのにお気付きでしょうか。よく眺めてみると、金継ぎが施された部分が対照的なんです。モノが割れる時というのは、大体が複雑な形に割れていきますよね。ですが、こちらの作品は「同じ形で割れた2つの器があったとしたら」と言うテーマで作られています。模様部分と白磁を互い違いに組み合わせ、金継ぎの線は全く同じ。なんだかロマンティックですよね。大切なカップルの記念日にプレゼントできたら粋だなぁ、と思いました。
g,a,r,d,e,n
アクリルプレートに並ぶ野草たち。ただ眺めているだけでも十分素敵なのですが、実はこの野草は1cm間隔に並んでいて、30cm定規と言う実用的な面も持っているのです。寺山さんが、愛犬とお散歩中に見かけた野草や、小さな花々が点々と咲く様子にヒントを得て生まれたものなんだそう。厚みがあるので、ちょっとした場所に立たせておけば、インテリアとして素敵に飾ることもできます。
SleafN
シャーレに入ったお水に浮かぶ葉っぱ。なんだかこれから実験でもするかのような佇まいです。シャーレごと振ってしばらく置くと、葉っぱはいつも北方向を向くのが不思議。自宅の窓辺に飾って光合成させておきたくなるような、おしゃれな方位磁石です。
表参道の駅近くに昔からよく立ち寄るスープ屋さんがあって、いつからか、すごくスタイリッシュにリニューアルオープンしていたので立ち寄りました。その時に店内に飾ってあったオブジェが寺山さんの作品だったと知ったのはつい最近のこと。寺山さんがデザインする作品は、日々の風景に馴染むようなナチュラルな雰囲気を感じるものが多いですが、実際に目にすれば、どれも探究心を掻き立てられ、思わず触れてみたくなるものばかり。これから生み出される、寺山さんの新しいアイデアを拝見出来る時が楽しみです。
studio note(スタジオ ノート)
寺山紀彦
日本にてデザインを学んだ後オランダDesign Academy Eindhovenに留学。在学中にオランダのコンセプチュアルデザインを体感しStudio Richard Hutten, MVRDVにて研修。帰国後 studio noteを立ち上げプロダクトをメインにクラスカ701内装デザインや店舗アートワーク2121DESIGN SIGHT(デザインあ展、コメ展、単位展、雑貨展)に参加。クライアントデザイン業務など多岐に渡りデザイン活動を行う。