お世話するのも癒しの時間。ひとり暮らし・マンション暮らしでも飼いやすいペット特集

2020年以降、これまで想像もしていなかったような状況が長く続き、日常というものが一変してしまいました。
そんな中、様々なストレスや悩みを抱えている方が多いように感じます。比較的、適応能力が高い方だと思っていた筆者自身も、常にどこか心が晴れないようなモヤモヤとした気分が続いたり、肩こりや頭痛など体の不調を感じるようになっていました。

そんな日々の中で、これまでずっと飼ってみたいと思っていた、ある生き物をお迎えしよう！と思い立ったのです。
飼育方法やその生き物の生態などを下調べし、必要なものを買い揃え、ペットショップも何件か下見し…などと準備しているうちに、久しく感じていなかったワクワクした気持ちが湧き上がってきました。
そして、いざお迎えしてみると、お手入れやエサやり、健康チェックなど、日々ペットのためにあくせくと動く自分が。気が付けば、毎日お世話することで生活にリズムとメリハリが生まれ、気分もいつの間にか晴れやかになっていたのです。

もし同じようにストレスやモヤモヤを抱えている方がいたら、ぜひペットとの暮らしをおすすめしたい。そんな思いから、今回は、一人暮らしの方や、集合住宅にお住まいの方にもおすすめの生き物たちを集めました。エサや飼育する際の注意点についても、簡単にご紹介しますので、参考にしてみてくださいね。

耳の垂れた愛くるしい姿が人気のうさぎ・ロップイヤー。中でも、「ホーランドロップイヤー」は、最も小さい種類です。
物静かでおとなしく、初心者でも楽しく飼育することができるそう。それぞれの個体に合った接し方を心掛けていると、より慣れるのが早いかも。
比較的、毛は短い種類ですが、ブラッシングはきちんと行う必要があります。また耳が垂れていることもあり、耳の通気性が悪いため、耳掃除はまめに行いましょう。

ケージサイズ：横幅60～80cm程
エサ：ウサギ専用フード・牧草・野菜（小松菜・ニンジン・キャベツなど）・果物（リンゴなど）
寿命：5～10年

まるで絵本の中から飛び出してきたかのようなキュートさ、「ヨツユビハリネズミ（ピグミーヘッジホッグ）」。飼育はそれほど難しくなく、カラーバリエーションも多いので、人気急上昇中です。
飼いはじめは、背面の針を立てて警戒してくる個体が多いそうですが、手からエサを与えたり、負担をかけない触れ方をしていくことによって徐々に針を立てなくなるので、素手でも抱っこしたりできるようになるのだとか。
夜行性なので、日中お仕事をしている方も帰宅後に触れ合いタイムを楽しめそう。

ゲージサイズ：床面積60×90cm程
エサ：ハリネズミ用フード・高品質の犬猫用フードやフェレットフードなど
寿命：6～10年

頭の冠羽とチークのような頬のオレンジ色が特徴的な「オカメインコ」。
ヒナから手のりにすると非常によく懐き、性格も穏やかな個体が多いそう。なれた個体は、飼い主のそばをなかなか離れないなど、触れ合いを求める姿には悶絶。おしゃべりや音真似をする場合もあり、上手に覚えさせれば会話も楽しめてしまうかも？
成鳥からの飼育は比較的簡単ですが、ヒナの飼育はやや難易度が高いので、事前によく勉強しておきましょう。冬場は成鳥・ヒナともにペットヒーターなどでの十分な保温を。

ゲージ：幅45cm以上、高さ50cm以上のもの
エサ：中型インコ・オカメインコ専用フード・野菜（小松菜・チンゲン菜・ブロッコリー・ニンジンなど）・果物（リンゴなど）
寿命：18～20年

動物の毛によるアレルギーがある方におすすめしたいのは、水生生物。水草や水槽用小物などをお洒落にレイアウトするアクアリウムとしても楽しめますよ。

写真は、コロンとしたまんまるのお腹がキュートな金魚「ピンポンパール」。模様のバリエーションはとても豊富で、赤・更紗・キャリコ（3色）・黒などがあります。
魚は懐かないと思われがちですが、ピンポンパールは比較的なれやすく、エサの準備をする仕草に反応して寄ってくるようになるそう。丸い姿で泳いでくる姿は愛嬌たっぷり。
琉金型（丸い金魚）は、消化不良などを原因とした転覆病になりやすいので、餌の与えすぎには注意が必要です。ヒーターを使用して水温を調節したり、適度な水かえも行いましょう。

水槽サイズ：横幅45cm以上　
エサ：金魚用人工フード・イトミミズ・アカムシ・ドライシュリンプなど
寿命：約10年

顔の横のふさふさ、とぼけたような表情が、どこか宇宙人のよう…。実は筆者が飼い始めたのが、こちらの「ウーパールーパー」です。
「ウーパールーパー」とは日本で付けられた愛称で、正式には「メキシコサラマンダー」。メキシコ原産の両生類でサンショウウオの仲間です。ふさふさのエラが付いた可愛い姿は、実は幼体（オタマジャクシ）。その幼体のまま成熟するという非常に珍しい生態の持ち主なのです。写真のようなピンク色のイメージが強いですが、実際は様々なカラーがあり、ブラックにマーブル・ゴールデンなど、それぞれに魅力的なので、どのカラーの子にしようか事前に狙いを定めておくのがおすすめ。
比較的丈夫で飼育しやすいですが、水質と水温には注意が必要。とくに夏場は、こまめな水替えと水温チェックを欠かさないでくださいね。

水槽：45cm以上（体長が小さいうちは、それ以下でもOK。成長に合わせて大きな水槽にしてあげましょう）
エサ：ウーパールーパー専用フード・アカムシ・その他生餌など
寿命：約10年

可愛らしい生き物たちをご紹介してきましたが、ペットを育てる上で、まずしっかりと考えておかなければならないことがあります。それは、ペットも人間と同じ「命」ある生き物だということ。その子を迎えたその日から、家族の一員として最期まできちんと面倒を見ることはもちろん、周囲への配慮や日頃の健康管理などもすべては飼い主の責任となります。住居環境・スペース・飼育にかかる費用・寿命も考慮した上で、しっかりと下調べし、必要な環境や餌・その他用具を準備してからお迎えしましょう。

今回、取材にご協力いただいた「ペットの専門コジマ」と「うぱるぱ屋」のHPには、ペットたちの育て方について詳しく掲載されていますので、ぜひ参考にしてくださいね。不安や疑問点があれば、サイトから問い合わせも可能ですよ。

ペットを飼い始めて筆者が感じたことは、眺める時間、触れ合う時間はもちろん、お世話している時間も楽しいということ。一緒に暮らすことで、たくさんの癒しをもらっています。そして癒しをもらう分、私たちも愛情を持って一生懸命お世話していかなくてはならないと、強く思います。
ペットたちが貴方の家にお迎えされて幸せ、と思ってくれるよう、大切に育ててあげてくださいね。

※飼育・生態に関する情報は、あくまで目安としてご理解ください。飼育は自己責任の元、管理してください。