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翌日に疲れを残さない。薬剤師に聞く「睡眠の質を高める」5つの生活習慣

新生活や環境の変化が大きいこの時期は、「なかなか眠れない」「寝ても眠い」などの睡眠の悩みを訴えられる方が多くみられます。寝不足がつづくと気分はどんより。健康面だけでなく美容にも悪影響がでます。この記事では、睡眠の質を上げ快眠に導く5つのヒントを、あんしん漢方の薬剤師・白倉みかさんに伺いました。

翌日に疲れを残さない。薬剤師に聞く「睡眠の質を高める」5つの生活習慣

どうして眠れなくなるの?

翌日に疲れを残さない。薬剤師に聞く「睡眠の質を高める」5つの生活習慣photo:photo AC

不眠や眠りが浅くなる理由はいろいろと考えられますが、とくに今の時期は、新生活のストレスや生活リズムの変化、それに伴う自律神経の乱れなどが大きく影響している可能性があります。

自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2種類がありますが、就寝時に副交感神経が優位になっていると、自然に眠りにつきやすくなります。

一方で、眠ろうとするときに交感神経が優位になっていると、なかなか寝つくことができません。交感神経は緊張や興奮、不安があると、優位な状態が続きやすくなります。

それを防ぐ為に、まずは寝る前にからだがリラックスした状態をつくる工夫が必要です。

質のよい睡眠をとる為のポイント

翌日に疲れを残さない。薬剤師に聞く「睡眠の質を高める」5つの生活習慣photo:photo AC

寝るときに副交感神経を優位な状態にもっていく為には、就寝前と就寝時の過ごし方がポイントです。また、眠りやすい環境を意識して作ることも重要となります。

睡眠の質を高める方法1:睡眠環境を整える

翌日に疲れを残さない。薬剤師に聞く「睡眠の質を高める」5つの生活習慣photo:unsplash

以下に紹介する方法で、睡眠環境を整えてみましょう。

・部屋を暗くする

翌日に疲れを残さない。薬剤師に聞く「睡眠の質を高める」5つの生活習慣photo:unsplash

室内が暗いほど、睡眠ホルモンのメラトニンが分泌されます。そのため、就寝時は真っ暗であることが理想です。
間接照明やフットライトを活用してみるのもいいでしょう。
また、寝る直前は明るい蛍光灯よりも暖色系の照明で過ごすのがおすすめです。

・適温にする

部屋の温度は比較的、涼しめの方が眠りを促してくれます。
人の体温は通常、就寝時には活動時よりも下がるようになっています。それに合わせた室温にすると、眠りにつきやすくなるでしょう。
室温は16〜26℃程度、また、湿度は通年で50%前後がおすすめです。

・スマホやタブレットを見ない

翌日に疲れを残さない。薬剤師に聞く「睡眠の質を高める」5つの生活習慣photo:shutterstock

スマホなどから発生するブルーライトには脳を覚醒させる作用があり、寝る直前まで使っていると寝つきにくくなります。
ベッドに入ったら、スマホやタブレットをなるべく見ないように心がけましょう。

睡眠の質を高める方法2:ツボを押す

翌日に疲れを残さない。薬剤師に聞く「睡眠の質を高める」5つの生活習慣photo:unsplash

自律神経を整えるには、ツボ押しも有効です。就寝前に以下のツボを押してみてください。

・失眠穴(しつみんけつ)
たかぶった神経を落ち着かせて眠気を誘います。
足の裏側、かかとの中央の少しへこんだところにあります。にぎりこぶしで20回程度、ゆっくりたたくのがポイント。両ひざを立てて、かかとをゆっくり布団にすりつけるようにするのも効果的です。

・丹田(たんでん)
活発に働いている交感神経を落ち着かせる為に、興奮した気持ちをツボの場所まで下ろします。
あぐらをかき、両手を重ねて、おへその真下から指3~4本分(約10cmほど)の下腹部にある「丹田」の上に置き、リラックスします。その後、目を閉じて「丹田」に精神を集中させ、ゆっくり呼吸します。

睡眠の質を高める方法3:ぬるめのお風呂につかる

翌日に疲れを残さない。薬剤師に聞く「睡眠の質を高める」5つの生活習慣photo:unsplash

寝不足や疲れが取れない方は、入浴の仕方を少し工夫するだけで改善効果がみられます。ポイントは「入浴時間」と「お湯の温度」です。

寝つきをよくする為には、「就寝の1〜2時間前」に、「38℃くらいのぬるめの温度で、30分くらい、ゆっくり時間をかけて」入りましょう。

ぬるめのお風呂は、副交感神経が働いて、気分を落ち着かせてくれる為、寝る前のコンディションづくりとしては最適です。

睡眠の質を高める方法4:軽い運動やストレッチをする

翌日に疲れを残さない。薬剤師に聞く「睡眠の質を高める」5つの生活習慣photo:shutterstock

運動やストレッチは、ストレス解消効果やリラックス効果が期待でき、睡眠の質を高めてくれます。以下のポイントを抑え、是非取り入れてみましょう。

・運動
質のよい睡眠を習慣づけるには、継続的な運動が効果があるといわれています。
激しい運動は、逆に睡眠を妨げるので、負担が少なく長続きするような有酸素運動がよいでしょう。早足の散歩や、軽いランニングなどがおすすめです。

とくに効果的なのは、夕方から夜にかけての運動とされています。就寝の3時間前くらいがベストタイミングです。


・ストレッチ
背伸びをして全身の筋肉を緩めたり、股関節を動かしたりするなどの簡単なストレッチを就寝前に行うのもおすすめです。
副交感神経が活性化し、就寝前のリラックス効果が期待できます。

睡眠の質を高める方法5:漢方薬を飲む

翌日に疲れを残さない。薬剤師に聞く「睡眠の質を高める」5つの生活習慣photo:unsplash

ご紹介したツボ押しやストレッチなどの不眠対策のほかに、漢方薬で自律神経の調整をはかる方法もおすすめです。

実際に不眠のさまざまな症状に効果が認められている漢方薬。自然由来の成分から作られているため、西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。睡眠薬と違い、直接睡眠を促すような働きはありませんが、不眠の原因を根本的に解消し、より自然な形で質のよい睡眠に導いてくれるメリットもあります。 

春は「肝」のはたらきが乱れ、「気」と「血」が上昇する傾向があり、それが不眠の原因になるとされてます。
ここからは、「気」と「血」のバランスを整え、不眠改善を期待できる漢方薬をご紹介していきます。

不眠にお悩みの方におすすめの漢方薬2種

翌日に疲れを残さない。薬剤師に聞く「睡眠の質を高める」5つの生活習慣photo:unsplash

・加味逍遙散(かみしょうようさん)
肩がこり、疲れやすく、イライラなどする方におすすめです。
「気」のめぐりをよくし、「血」を補い、「肝」の異常をしずめます。自律神経を調整し、交感神経の興奮を鎮めます。

・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
イライラやストレスで精神的に不安定な方におすすめです。
「気」をめぐらせ、からだにこもった熱を冷ますとともに、「心」を落ち着かせます。脳の興奮からくる不眠に用いられます。


漢方薬は自然の生薬からできているのでからだにやさしく、あらゆる人に何らかの効果をもたらしますが、重要なポイントは、その人の状態や体質にうまく合った生薬を選んでいるかどうかという点です。うまく合っていないと効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が起こることもあります。
どの漢方薬が自分に合っているのかを見極めるのはなかなか難しいものですが、最近ではAI(人工知能)を活用したオンライン相談サービスも登場してきました。AIを活用し、漢方のプロが自分に適した漢方を見極めて自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が可能ですので、是非活用してみてください。

夜はぐっすり寝て翌朝スッキリ!新生活を楽しもう

翌日に疲れを残さない。薬剤師に聞く「睡眠の質を高める」5つの生活習慣photo:unsplash

生活スタイルの変化で、眠れなくなってしまった方も多いのではないでしょうか。ただでさえ身体的にも精神的にも疲れる新生活。そのうえ眠れないとなると、悪循環で疲労がたまりつづけてしまいます。

睡眠の質を上げる工夫をして、夜はぐっすり眠り、スッキリした気持ちで1日のスタートを迎えましょう。

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あんしん漢方
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この記事を書いた人

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