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猫が教えてくれること「心の在りか」/ガラス作家・松本裕子さんの場合vol.3

猫の猫らしい行動に、自分の生き方を重ねてハッとする瞬間があります。ガラス作家の松本裕子さんもその一人。飼い猫の「雨」が来る前、家に猫がいない状況を17年ぶりに味わったという松本さんは、あることに気づきました。さて、そのあることとは?

猫が教えてくれること「心の在りか」/ガラス作家・松本裕子さんの場合vol.3

雨ちゃんのご機嫌な時報

ガラス作家・松本裕子さんの愛猫2

毎朝きっかり6時45分。「雨」(推定5歳・オス)は飼い主のガラス作家・松本裕子さんをご機嫌な鳴き声で起こします。

「雨の体内時計は計ったように正確で、朝は6時45分、昼はぴったり12時に鳴いてその時刻を知らせてくれるんです。エサの要求とかじゃないんですよ。朝は『おはよう!朝だよ。今日もいい天気だよ』。昼は『お昼です。お昼になりましたよ。そろそろごはん食べた方がいいんじゃないですか?』と鳴いて知らせてくれるだけ。

日中は自室のアトリエにこもって製作に没頭していることが多いので、雨の声で『はっ!お昼だ』と気づくんです。どちらがお世話されているのかもはやわかりません(笑)」

孤独を愛する者同士

ガラス作家・松本裕子さんの愛猫3

雨が時間に正確なのは、今に始まったことではないようです。

「雨が時間に正確なのは、まだ保護される前、地域猫だった頃からです。以前、雨がエサをもらっていた方は、猫たちにエサをあげる時間を決めていて、雨は毎度5分前にやって来ては、きちんと足を揃えて待っていたと言います。

時間に正確で、誰にでも愛想がよく、お行儀がいい。人の心を掴む術を持っているのに、雨は実のところ孤独が好き。一人でいる時間がないと苦しくなっちゃうようなところがあって、私もそうだからよくわかるし、お互いにとってちょうどいい距離が保てているのだと思います」

家に猫がいない空白の4ヵ月間

ガラス作家・松本裕子さんの愛猫4

松本さんが勤めていた会社を辞めガラス作家を目指したのと、猫と暮らし始めたのは同時期だと言います。17年前に出会った初めての猫「風太」(オス・享年17歳)、次が「粉雪(こゆき)」(メス・享年10歳)。雨は松本さんにとって3番目の猫です。

「風ちゃんが亡くなってから、雨が来るまでに4ヵ月ほど間があったんですけど、その間、17年ぶりに家に猫がいない状況を体験して…。目の前の仕事に集中する意識とは別にあった、家のどこかにいる猫に向けていた意識の持って行き場がなくなってしまったんです。それによってバランスが崩れて、仕事に集中できなくなって。私にとっての集中は、猫がいて成立するんだということに気づかされました」

ガラス作家・松本裕子さんの愛猫5

「目の持って行き場もです。家にいてもどこを見ていいかわからない。自然と猫に向けていた視線が宙をさまよって、どこ見ればいいんだっけ?みたいな。何をしていても寄せていた、心の在りかを失ったような気がしました。今は雨がいるおかげで仕事も生活も順調です。ね?雨」

猫に限らず、不在によって思い知らされる存在の大きさはあります。失ってから気づくことは避けられないかもしれないけど、失う前にも気づけたら感謝が直接伝えられますね。雨ちゃん、松本さん、たくさんの教えをありがとうございました!

photo / 筒井聖子

この記事を書いた人

宇佐見明日香 編集者・ライター。女性の「生き方」「暮らし方」などライフスタイルにまつわるインタビューを中心に、企業人や起業家のインタビューを得意とする。“しつもんは愛だ”を...

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