目指すは全素材自給自足のレストラン。注目の農業男子!
- 公開:2016.7.10
- グルメ・食
千葉県柏市で、有機農法による野菜づくりを行っている、農業男子たちをご存じですか? 力強い自然の旨味がたっぷり凝縮された、彼らの作る野菜は、都内のレストランが仕入れにくるなど、隠れた人気となっているんです。
「志」を同じくする、農業男子が集まって新たな夢に挑戦
千葉県、我孫子市のある場所に、その畑はあります。もともと、この土地で、それぞれ農業に取り組んでいた「chateo farm」の安生俊一氏、「自家野菜のら」の中野牧人氏、そして、「YOSHINO HERB FARM」の吉野悟氏の三人は、年齢が近かったこともあり、お互いに協力しあうことになったと言います。彼らが作る野菜は、安生氏が経営する千葉県・柏市のレストラン「BAL CHATEO」や「table beet」で使われているほか、関東近県のレストランが、わざわざ仕入れに来るほどの人気ぶりです。取材をした6月の初旬は、夏野菜の種付けで最も忙しい時期。畑には茄子、ケール、さといも、ズッキーニなど、何十種類もの野菜が!
イタリア、フランス、様々な国の野菜を積極的に作っています
「ここでは地野菜を作っているのですか?」と質問したところ、「特に地物にこだわっているわけではない」と、予想外の答えが。むしろ、珍しい品種や、新しい野菜があると、原産地にこだわらず積極的に取り入れているのだそう。実際に、取材に伺った日には、アーティーチョークや、UFOズッキーニといった珍しい野菜が収穫時期を迎えていました。
自分たちが気になる野菜を作るために、手間暇を惜しまない
野菜は、それぞれの育て方があるので、その個性にあった管理をすれば、どんな品種も基本的には作ることができるのだとか。とはいえ、有機農法にこだわる彼らは、化学肥料や除草剤を使わず、何十種類もの野菜を同時に作っているため、途方もない手間と時間をかけています。科学の力を借りれば、野菜は短時間で生育するし、除草の手間も省けるのに、なぜ有機農法を続けるのか?という問いに安生氏は「単純に、その方が美味いからです」と満面の笑み。土の持つ力だけで育った野菜は、その力強さが味にも反映されるのだとか。
最終的には、この地で、全ての素材を自給自足できるレストランを
今後は野菜だけでなく、レストランで使うすべての食材を自分たちの手で作りたいという安生氏。卵、肉、牛乳、チーズ、そして最後は葡萄栽培からワイン造りまでを目指したいと安生氏。すでに、こうした取り組みに賛同したいと名乗りをあげている人もいるそうです。フランスや、スペインでは自給自足のレストランを併設したオーベルジュなどが多く存在していますが、日本では、自然豊かなごく一部の地方に限られています。でも、近い将来、東京都心から電車で1時間以内の場所で、食材からアルコールまですべて自給自足の、安全でしかもとびきりの味を楽しめるレストランが誕生するかもしれません。今後もぜひ、彼らの活動に注目を!
畑で採れた野菜は一般の方でも「table beet」で購入が可能です。
畑で採れた野菜は一般の方でも「table beet」で購入が可能です。
photo / 庄司直人
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