自家製酵母と元種作りからはじめる、基本のパンの作り方
- 公開:2018.6.1
- グルメ・食
手作りのパンって、温もりがあって格別に美味しく感じますよね。今回ご紹介するのは、初めての方でも比較的起こしやすい、レーズンをつかった自家製酵母の起こし方から、元種の作り方。最後には、簡単に作れる基本のミルクバンズの作り方もご紹介します。
自家製パン酵母の起こし方
まずはじめに自家製酵母の起こし方をご紹介。自家製酵母とは天然酵母のひとつで、ドライフルーツや生の果物、または野菜、ハーブ、酒粕、穀物などに付いている野生の酵母菌をとらえて培養したものです。
用意するもの
- <材料>
- レーズン(オイルコーディングされていないもの)100g
- 水500ml~600ml
- <道具> ※使う前に煮沸消毒しておきましょう
- 瓶1L~1.5L程度の大きさのもの
- ヘラ、箸など
作り方
- 1瓶にレーズンと水を全て入れて、ヘラか箸などで混ぜ、レーズンをバラバラにします。蓋はゆるく閉めて常温に置いておきます。
- 2写真は2~3日目の様子。2~3日経つとレーズンが浮き、発泡し始めます。1~2日に1回、蓋を開けて瓶をゆすり、酵母が空気に触れるようにします。
- 34~5日目で泡立ちが盛んになり、瓶の底に白い沈殿物が増えてきます。写真は4日目の様子です。
- 4発泡が落ち着いたらできあがり。その後は冷蔵庫で保存します。
使用する道具の煮沸消毒は、大きな鍋に瓶と水を入れて火にかけ、沸騰後1~2分煮沸し、湯から引き上げ清潔な場所で冷ますという手順で行います。沸騰したお湯に瓶を入れると割れる可能性があるので、水から煮るようにしましょう。
季節にもよりますが、1週間前後で自家製酵母が完成します。酵母がうまく起きて、2回目以降も同じ瓶で再度酵母を起こす際は、瓶は煮沸消毒せずに水で軽くすすいで使用することで早く酵母が起きます。
パンの元種の作り方
出来上がった自家製酵母を使って、パン生地に混ぜて使用する元種(もとだね)を作ります。元種とは、酵母菌を培養した酵母液を小麦粉と合わせて、パン作りに適した状態に育てたものです。
用意するもの (一斤型の山型食パンが5~6回分焼ける量)
- <材料>
- 1回目酵母液80g、強力粉80g
- 2回目水70g、強力粉70g
- 3回目水70g、強力粉70g
- <道具>
- 耐熱容器またはガラス容器容量800g程度
- ヘラ
作り方
- 1<1回目>容器に酵母液と強力粉を入れて、清潔なヘラなどで混ぜ、2倍以上の大きさに膨らむまで常温に置いて、膨らんだら冷蔵庫で6時間から一晩寝かせます。※酵母液は、瓶の底の白い沈殿物と液を良く混ぜてから使用しましょう。
- 2<2回目>(1)に、2回目の分量の水と強力粉を足して混ぜ、2倍以上に膨らむまで常温に置いて、6時間から一晩冷蔵庫で寝かせます。
- 3<3回目>(2)に3回目の分量の水と強力粉を足して混ぜ、2倍以上に膨らんだら冷蔵庫で保存します。
3回目まで培養したものをパン作りに使います。慣れてきて酵母液の段階で安定して強い酵母が起こせるようになってくると、培養が1回目までの元種でパンを焼いても美味しく焼く事が出来ます。道具は煮沸消毒しなくても清潔な物を使えば問題ありませんが、煮沸消毒した方が雑菌混入のリスクが減らせるので、慣れないうちは煮沸消毒をおすすめします。
基本のパンの作り方(ハンバーガーバンズ)
以上、レーズン酵母の起こし方と、パンの元種の作り方の紹介でした。元種が出来上がったらいよいよ、この元種を使ってパン生地を作ります。基本的なパンの作り方として、型を使わずに焼けるハンバーガーバンズのレシピを紹介します。今回ご紹介するレシピは、生地に少し牛乳を加えてコクと風味を出したミルクバンズです。
用意するもの(6個分)
- 国産強力粉170g
- 元種60g
- 牛乳60g
- 水40ml
- きび砂糖15g
- 天然塩3.6g
- 無塩バター20g
1.はじめにミキシングを行います。無塩バター以外の材料を合わせて手でこね、生地がひとかたまりにまとまったら、無塩バターを加えます。生地が滑らかで手に付かず薄く伸びるようになるまでこねます。(ミキシングの時間の目安は25分前後)
写真は生地が薄く伸びている様子。これくらいまで伸びる状態になっていればこね上がりです。
2.(1)を一次発酵させます。生地の表面を張らせるようにきれいに丸めてボウルに入れて、生地が乾かないようにラップをし、2~3倍の大きさになるまで発酵させます。目安時間は、夏場で6~8時間、冬場で10~12時間です。
写真は生地が薄く伸びている様子。これくらいまで伸びる状態になっていればこね上がりです。
2.(1)を一次発酵させます。生地の表面を張らせるようにきれいに丸めてボウルに入れて、生地が乾かないようにラップをし、2~3倍の大きさになるまで発酵させます。目安時間は、夏場で6~8時間、冬場で10~12時間です。
3.小麦粉を付けた指をパン生地にさして、一次発酵の見極めを行います。できた穴がそのままの状態を保てていれば次の工程に進みます(多少は縮みます)。穴が戻って閉じてしまう様であれば、もう少し時間を置きましょう。
4.分割とベンチタイムです。軽く打ち粉をした台に生地を取り出し、6分割して、大きな気泡は外に出すようにガス抜きをしながら丸めます。ラップをかけて20分ベンチタイム(生地を休ませる時間)を取ります。
4.分割とベンチタイムです。軽く打ち粉をした台に生地を取り出し、6分割して、大きな気泡は外に出すようにガス抜きをしながら丸めます。ラップをかけて20分ベンチタイム(生地を休ませる時間)を取ります。
5.成形・二次発酵。表面を張る様にきれいに丸めなおし、オーブンシートを敷いた天板の上で霧吹きをして二次発酵します。乾燥しない様に、霧吹きをしたオーブンの中に入れておくか、上から生地に触れないようにビニールやタッパーなどで覆います。
6.二次発酵は、1.5倍から2倍の大きさになるまで、時間の目安は1時間半から2時間です。二次発酵後、オーブンを210度に予熱しておいて、生地に溶き卵を塗って白ごまをちらします。
6.二次発酵は、1.5倍から2倍の大きさになるまで、時間の目安は1時間半から2時間です。二次発酵後、オーブンを210度に予熱しておいて、生地に溶き卵を塗って白ごまをちらします。
7.210度に予熱しておいたオーブンを200度に下げて、14分焼きます。
8.粗熱が取れたら完成。半分にカットして、好みの具材を挟んでお召し上がりください。
自家製酵母の起こし方から基本的なパンの作り方までの紹介でした。自宅でのんびりパンを焼いていると、とても穏やかな気持ちや時間を味わう事ができます。一度覚えてしまえば、意外と手軽に作ることができるので、友人や子供たちとも一緒に楽しみながら作ってみてはいかがでしょうか。
8.粗熱が取れたら完成。半分にカットして、好みの具材を挟んでお召し上がりください。
自家製酵母の起こし方から基本的なパンの作り方までの紹介でした。自宅でのんびりパンを焼いていると、とても穏やかな気持ちや時間を味わう事ができます。一度覚えてしまえば、意外と手軽に作ることができるので、友人や子供たちとも一緒に楽しみながら作ってみてはいかがでしょうか。
photo / Ayako
「baking and calm life」
BlogとInstagramにて、自家製酵母を使用したパンやお菓子作りの工程を紹介しています。