レモンに惹かれ瀬戸内の豊島に移り住んだ堤さんの「レモンのある暮らし」
- 公開:2018.5.8
- ライフスタイル
香川県豊島で農薬・化学肥料を使⽤せずレモンを栽培しているレモン栽培農家の堤郁恵さん。2013年に体験したレモン畑の見学をきっかけに豊島に移住し、会社を設立。原点は「レモンが好き」というシンプルな思い。そんなレモンに惹かれた一人の女性の姿とともに、豊島のレモンの魅力についてご紹介します。
「無農薬でレモンをつくりたい」という思い
「もともと、レモンが好きでした」。そう話すのは、4年前に東京から香川県の豊島に移住したレモン栽培農家の堤さん。東京にいる頃から無農薬栽培のレモンをつくりたくて、いつか農業に転身したいと思っていたそうです。ネットで情報収集していたところ、豊島で無農薬栽培のレモンを作っていることがわかり、見学させてもらうことに。
堤さんは、ちょうどその時に、前任の生産者がレモン栽培を辞めることがわかり、このまま無駄になってしまうのはもったいないと思い、すべて引き継ごうと決心。最初は豊島で農業を始めることは考えていなかったそうですが、タイミングが重なり、豊島でレモン栽培農家をすることになったのです。今ではレモンの栽培全般から、収穫・発送まで、すべての業務を担当し、豊島レモンを後世に引き継ぐための基盤づくりに力を入れています。
堤さんは、ちょうどその時に、前任の生産者がレモン栽培を辞めることがわかり、このまま無駄になってしまうのはもったいないと思い、すべて引き継ごうと決心。最初は豊島で農業を始めることは考えていなかったそうですが、タイミングが重なり、豊島でレモン栽培農家をすることになったのです。今ではレモンの栽培全般から、収穫・発送まで、すべての業務を担当し、豊島レモンを後世に引き継ぐための基盤づくりに力を入れています。
レモンの栽培で大切にしていること
前職ではコンピュータ関係の仕事で、CGアニメーターをやっていたという堤さんにとって、レモンの栽培農業はもとより、農業すべてが初めてのことだらけ。「半年くらいはノウハウを習得しました。今は草刈りが一番大変ですね」と、日々の苦労を語る顔にも笑みがあり、そこに生産者としての喜びや充実感を垣間見ることができます。
豊島には、過去に産廃の不法投棄などのゴミの問題があり、前任の生産者がそのような故郷の状況に心を痛めて、島にある耕作放棄地を開墾してレモンを栽培し、レモンの島にしようと取り組んできたそう。堤さんは、その意思とともに、島内にある複数のレモンの畑と1800本ほどのレモンの木を引き継いでいます。
豊島には、過去に産廃の不法投棄などのゴミの問題があり、前任の生産者がそのような故郷の状況に心を痛めて、島にある耕作放棄地を開墾してレモンを栽培し、レモンの島にしようと取り組んできたそう。堤さんは、その意思とともに、島内にある複数のレモンの畑と1800本ほどのレモンの木を引き継いでいます。
堤さんとレモン畑を歩きながら、レモン栽培で大切にしていることを聞いてみると「下手に手を入れたり、余計なことをしないことですね。できるだけ、自然のままのかたちで育てています」と、一本一本の木に語りかけるように、そう教えてくれました。「元気な枝を切ると、どんどん木が弱ってしまうため、できるだけ木の成長の邪魔をしないことですね」と堤さん。本来、木が持っている生命力を生かしながらレモンを育てているのです。
豊島のレモンの可能性を探っていくこと
一方で、堤さんは農業を続けていくことの難しさも実感しています。「天候など自然相手なので、悩んでも仕方がないのですが、できることをやるだけです。そうはいっても、これまでやってきたことだけではなく、何をしなければならないのか、新しいことも考えていかなければならないと思っています。豊島のレモンの可能性を探っていくことが、これからのチャレンジになると思います。私の代だけではなく、後に続けていきたいですし、そのためにも体制をつくっていきたいんです」。
レモンの品種はリスボン、アレンユウレカ、ビラフランカの3種類。5月にはレモンの花が咲きます。グリーンレモンの収穫が10月から始まり、黄色くなるのは12月末。それから翌年の6月頃までは、収穫と出荷が続いていくのだそう。今年は冷害の影響もあったそうですが、例年の生産量は12トンくらいになるのだとか。
レモンの品種はリスボン、アレンユウレカ、ビラフランカの3種類。5月にはレモンの花が咲きます。グリーンレモンの収穫が10月から始まり、黄色くなるのは12月末。それから翌年の6月頃までは、収穫と出荷が続いていくのだそう。今年は冷害の影響もあったそうですが、例年の生産量は12トンくらいになるのだとか。
堤さんのレモンは、島内では社会福祉法人 みくに園の菓子工房でママレードとレモンケーキの材料となっていたり、レモン果汁を染み込ませて天日干しをして仕上げた、てしま天日塩ファームの「レモンの塩」は、豊島観光協会でも販売しています。また、海のレストランや島キッチン、檸檬ホテルをはじめ、全国各地に出荷しているそうです。
「みくに園さんや天日塩ファームの門脇さんに、加工品の原料として提供できるのもうれしいですね。『レモンの塩』は天日干しした塩に、皮ごと搾ったレモンの果汁を染み込ませて、さらに天日干ししているので、酸味が強くて本当においしいですよ」と堤さん。
生産者として堤さんにおすすめのレモンの食べ方を聞いてみると、「基本は絞って飲むのが一番ですね。レモン水(フレーバーウォーター)にしたり、レモンの輪切りを白湯に入れて飲むのもおすすめです。皮に栄養があるのでシトラスグレーダーで、こまかくすりおろしてサラダに入れて食べたりもできます。無農薬なので安心ですよ。とうがらしと、グリーンレモンの皮に門脇さんの塩をつかったオリジナルの『レモン胡椒』は好評で昨年は完売になりました。こちらもおすすめです」。
「みくに園さんや天日塩ファームの門脇さんに、加工品の原料として提供できるのもうれしいですね。『レモンの塩』は天日干しした塩に、皮ごと搾ったレモンの果汁を染み込ませて、さらに天日干ししているので、酸味が強くて本当においしいですよ」と堤さん。
生産者として堤さんにおすすめのレモンの食べ方を聞いてみると、「基本は絞って飲むのが一番ですね。レモン水(フレーバーウォーター)にしたり、レモンの輪切りを白湯に入れて飲むのもおすすめです。皮に栄養があるのでシトラスグレーダーで、こまかくすりおろしてサラダに入れて食べたりもできます。無農薬なので安心ですよ。とうがらしと、グリーンレモンの皮に門脇さんの塩をつかったオリジナルの『レモン胡椒』は好評で昨年は完売になりました。こちらもおすすめです」。
レモン生産者として豊島に移住して今思うこと
「すごく自分に合っていると感じています。豊島のこういう環境の中にいられること、何よりも農業をやっていてすごく楽しんですよね。畑の中にいると気持ちいいんですよ(笑)」。堤さんの顔から笑みがほころびます。「実はレモンだけではなく、いちじくやすももも育てているんです。椎茸の原木があったり、にほんみつばちの巣もあって、とりたてのものをもいで食べることは、とても贅沢なことですし、すごく美味しいんです。何よりも、自然の恵みのそばにいられることは、このうえない喜びですね」。堤さんの豊島でのレモンライフは、はじまったばかりです。
photo / 豊島レモン、てしま天日塩ファーム、渡邊孝明
豊島レモン
香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃1011