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豊かな色彩が織り成す『表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち』

晩年の画風が全く異なる画家 カンディンスキーとルオー。現在、汐留パナソニックミュージアムで開催されている『表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち』では、彼らに共通する色彩と形態だけでなく、その精神性の軌跡を辿っています。

豊かな色彩が織り成す『表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち』

画風が全く異なる両者に迫る

『表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち』で鑑賞できる作品①

抽象絵画の創始者ヴァシリー・カンディンスキーと、20世紀フランス最大の宗教画家ジョルジュ・ルオー。
「どこに接点が?」と思われがちな画風も異なる両者ですが、豊かな色彩表現を追い求めた同時代を生きた画家です。

本展覧会では国内有数のカンディンスキーや、彼と友好関係にあったクレー、表現主義絵画のコレクションを誇る宮城県美術館の作品を中心に、パリのルオー財団や国内の美術館などからも、油彩画、水彩画、版画、デッサン、書籍など、貴重な作品約130点が出品。カンディンスキーとルオーの関係や作品から共通点を導き、それぞれが飛翔していった絵画表現を紹介しています。是非、色彩と造形を通して両者が共鳴する様子を感じ取ってみてください。

カンディンスキーとルオーの交差点

『表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち』で鑑賞できる作品②

カンディンスキーとルオーは、新しい芸術を生み出そうと熱気にあふれていた、20世紀初頭のパリで交わります。フォーヴィズム(野獣派)の教祖であるマティスやルオーが主要なメンバーとして催されたパリの“サロン・ドートンヌ”に、カンディンスキーの「商人たちの到着」(写真右)が出品されます。しかし、カンディンスキーの初期作品は色鮮やかな抽象絵画ではありませんでした。絵筆を用いずにパレットナイフで描いたり、細かな点描を用いて描いたり、隣り合った色彩を意識するような実験的な作品を手掛けています。

パリで多くの刺激を受けたカンディンスキーはルオーの色彩に関心を持ち、自らミュンヘン新芸術家協会を立ち上げ、その展覧会にルオーの作品を招いた展示を行ったそうです。そのような出来事から2人は互いの運動への関心を深めていたことが伺えます。

色の冒険者たちの共鳴

『表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち』で鑑賞できる作品③

時代はヨーロッパ内の領土合戦から、アフリカやアジアの植民地を手に入れたことで、異文化が流入してきました。非西洋文化の影響を受ける一方、産業革命から近代社会へ移行し、焦りや不安などの感情を反映させた新たな芸術表現が試みられました。

その後、自由な色や形の表現はフォーヴィズム(野獣派)の影響を受けながらも、描いている画家自身の精神を重視するドイツ表現主義が生まれます。カンディンスキーはその芸術運動に従い、内面的必然性を重視して現実世界の描写を離れ、色彩による純粋な構成へと向かっていくのでした。

ドイツ表現主義の画家たちとフォーヴィズム(野獣派)で活躍するルオーの作品を見比べてみると、色彩やモティーフの選び方、絵画に込めた想いが似ていることが感じ取れることでしょう。フランスとドイツという物理的な距離を超えて芸術表現が共鳴していますね。

それぞれの飛翔

『表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち』で鑑賞できる作品④

第一次世界大戦を経た画家たちは、激動の時代を背景に絵画の探求を続けました。カンディンスキーは、ドイルのワイマール国立バウハウス美術学校のマイスターとして招導され、教育活動と創作活動にと充実した時間を過ごします。カンディンスキーはその後、ドイツ表現主義の鮮やかな色彩から一転し、幾何的なモティーフの作品を生み出します。色彩と形態が絵画を構成する抽象画の完成です。

一方、ルオーは、初期には社会の不条理を鮮やかな明暗で描いてきましたが、やがて幾層にも重なり合わさる絵具が発光するように輝く、独自の宗教の深淵を備えた絵を描くようになりました。

もっと、展覧会を楽しむために

『表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち』を楽しむ記念撮影も

カンディンスキーとルオーは、自らの内面から湧き出てくる声に耳を傾け、色彩の冒険に果敢に挑み続けたことにより豊かな達成に至りました。色彩と形態を通して両者が共鳴する本展覧会から、彼らが抱いてきた表現への情熱を感じ取ってみてはいかがでしょうか。

また、パナソニック汐留ミュージアムでは、より展覧会を楽しめる取り組みが行われています。会期中にはトークイベントが開催されるだけでなく、会場にはカンディンスキーの「商人たちの到着」を背景に、記念撮影ができるブースが設けられています。撮影後に発行されるレシートを受け取り、記載されているURLにアクセスすると、画像がダウンロードできるという仕組みです。その他にも、来場日に合わせて先着のお客様にぬり絵や切手のプレゼントするイベントを行っています。この機会にぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?

photo / 新麻記子

『表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち』

会期:2017年10月17日(火)~12月20日(水)
会場:パナソニック 汐留ミュージアム  
時間:午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)
休館日:水曜日(ただし、12/6、13、20は開館)
入館料:一般:1,000円 65歳以上:900円 大学生:700円 中・高校生:500円 小学生以下:無料 20名以上の団体:各100円割引 障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料で入館可能。

https://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/17/171017/index.html

この記事を書いた人

新 麻記子 大阪出身、横浜在住。作詞の仕事をベースに置きながら、WEBサイト運営、編集、ライターを経て、フリーランスに転身。ライフスタイルを豊かにする"文化の向上"を掲げ、ア...

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