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花のある暮らしと生活。

たった1輪の花を生けるだけで、殺風景だった部屋が見違えるほど明るくなる。何より、花を活けることで自分も元気をもらっている。そんな花のある暮らしについて、フラワースタイリストの平松朋子さんにお話しを伺いました。

花のある暮らしと生活。

植物が本来もつ美しさ、強さ、しなやかさを生かして束ねる

松陰神社前「ふたつの月」のフラワースタイリスト 平松朋子さん

今、感性のある大人の間で密かに人気の町、松陰神社前駅から徒歩数分。閑静な住宅街の中で暮らしを大事にした花のある生活を提案している「ふたつの月」の平松朋子さん(フラワースタイリスト)。定期的に故郷である京都でも花の活動をおこなっている。手をかけすぎず、植物がもつ本来の美しさを活かした、摘んできたような花の組み合わせが人気。店舗へのいけ込みや、ウェディング、雑誌のスタイリングなども手がけている。

花への興味がつきることなく仕事になった

松陰神社前「ふたつの月」のフラワースタイリスト 平松朋子さん

京都出身の平松さんは実家が農業を営んでおり、小さい頃から自然に触れる機会が多かったと言います。そして、10代の頃に自宅近所の花教室に通いはじめたことで「花にかかわる仕事をしよう」と決意。以来、一度もその信念はぶれることなく、花にかかわる仕事を続けてきたそう。今でも花に触れているときが幸せだと笑顔になります。その様子は、アトリエをかねたご自宅のあちらこちらに見受けられました。生花はもちろん、乾燥させたドライフラワーやリースなどが部屋のあちらこちらに。そのせいか、まるで森の中にいるようないい香りが、気持ちを穏やかにさせます。

季節の変化を植物によって感じる喜び

松陰神社前「ふたつの月」のフラワースタイリスト 平松朋子さん

平松さんにとって花を扱うということは、自然を生活に取り入れること。「小さい頃から節分には柊で魔除けを作り、春には祖母のつくったよもぎ餅を食べ、五月の節句にはしょうぶ湯、秋は稲刈り、冬至はゆず湯に入る。そうやって一年の節目を季節の植物を取り入れることで感じてきました。そんな自然に寄り添った暮らしが喜びでもあるし、大切にしたいんです」と言う平松さんは花を活けるだけでなく、時間があれば出来るだけ旬の素材で料理をするようにしている。また、生花として楽しんだ花を乾燥させて、残しておく事も。写真はチューリップのドライフラワー。

花の仕事を始めて広がった人とのご縁

松陰神社前「ふたつの月」のフラワースタイリスト 平松朋子さん

平松さんの活動のひとつ、「移動花屋」。店舗を構えていないため、普段はすべてオーダーベースでの制作ですが、このイベントでは季節に沿ったブーケや部屋を彩るグリーンなどをお客さんと話をしながらその場で制作。そこで花を買ってくれた人が、また次につながって、仲良くなったり、人を紹介してくれたり花によってもたらされた縁を感じるのだとか。

自分にあった花のある暮らし

松陰神社前「ふたつの月」のフラワースタイリスト 平松朋子さん

取材の日は、虎ノ門ヒルズで行われたフラワーマーケットに出店していました。訪れたお客様に「どんな色が好きか」「自宅にある花瓶はどんなかんじか」などを聞きながら、水のかえ方などを教えている平松さんの笑顔は、自然で本当に素敵でした。花の色や香りはそれぞれの個性となっていて、人によってはその好みは様々。まずは、自分が好きだと思える花、いい香りだと思える植物を選ぶところからはじめてみてはどうでしょうか。

photo / 平松朋子、川村尚子

フラワースタイリスト平松朋子さんの写真

ふたつの月(平松朋子)
フラワースタイリスト。京都の自然あふれる田園に育ち、幼い頃から日々の暮らしの中に植物があふれていた。上京後、東京のローカルな雰囲気ただよう世田谷、松陰神社前を拠点に暮らしに寄り添う花を提案。ギフトオーダー・結婚式・レッスン・移動花屋・活け込みなどをおこなう「ふたつの月」を主宰するほか、定期的にゆかりのある京都にて花の活動をおこなっている。

http://futatsunotsuki-hana.com

この記事を書いた人

カオリーヌ 女性情報誌、グルメ系雑誌などでライターとして執筆。そのほか、文芸小説の編集も担当。担当作品が山本周五郎賞の最終候補作品にノミネートされる。プライベートでは、...

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