2大美術館を巡るアートフェス『サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで』
- 公開:2017.7.24
- アート・カルチャー
現在、『サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで』が、森美術館と国立新美術館にて2館同時開催されています。世界から注目が集まっている東南アジア地域の現代アート作品が展示されている本展覧会をご紹介します。
アートを通して学べる東南アジア
人口約6億人を抱える東南アジアでは、ダイナミックで多様な文化が生まれてきました。この地域が辿ってきた歴史を振り返ると、第二次世界大戦後の脱植民地主義のもと、内戦などの困難を乗り越え、民主化・国際化を迎え、近年では経済発展や都市開発が進むなど、さまざまな変化を遂げています。
展覧会タイトルである「サンシャワー」とは「天気雨」を意味し、晴れていながら雨が降る不思議な気象のことを指します。紆余曲折の歴史を経てきた東南アジア地域を表わす詩的な比喩となっています。
本展覧会では、学校ではほとんど学べない東南アジアの歴史を、ダイナミックで多様な現代アートを通して、9つの視点から掘り下げます。
展覧会タイトルである「サンシャワー」とは「天気雨」を意味し、晴れていながら雨が降る不思議な気象のことを指します。紆余曲折の歴史を経てきた東南アジア地域を表わす詩的な比喩となっています。
本展覧会では、学校ではほとんど学べない東南アジアの歴史を、ダイナミックで多様な現代アートを通して、9つの視点から掘り下げます。
来場者の参加により完成する作品
まずは「日々の生活」セクションをご紹介。
スラシー・クソンウォン(タイ)の作品(写真:右)では、5トンのカラフルな糸が床一面に敷き詰められ、そこに金のネックレスが隠されており、来場者は金のネックレスを探し、運良く見つけられたら持ち帰れます。また、アングン・プリアンボド(インドネシア)の作品《必需品の店》(写真:左)では、来場者がお店に入り、中で売られているものを実際に買うことができます。このように来場者も作品制作の一部を担える“参加型作品”が出展されています。
本セクションのタイトルにもある「日々の生活」とは、“その日その日を大切に”という意味が込められています。ぜひ、ユニークな作品を楽しみながら、それぞれに込められたメッセージや問いかけについて考えてみてはいかがでしょうか。
スラシー・クソンウォン(タイ)の作品(写真:右)では、5トンのカラフルな糸が床一面に敷き詰められ、そこに金のネックレスが隠されており、来場者は金のネックレスを探し、運良く見つけられたら持ち帰れます。また、アングン・プリアンボド(インドネシア)の作品《必需品の店》(写真:左)では、来場者がお店に入り、中で売られているものを実際に買うことができます。このように来場者も作品制作の一部を担える“参加型作品”が出展されています。
本セクションのタイトルにもある「日々の生活」とは、“その日その日を大切に”という意味が込められています。ぜひ、ユニークな作品を楽しみながら、それぞれに込められたメッセージや問いかけについて考えてみてはいかがでしょうか。
写真映え、SNS映えするカラフルな作品
大型インスタレーションや参加型作品など、写真撮影可能な作品がたくさんある本展覧会。
「発展とその影」(写真:上)セクションに展示されている、撮影可能なリュウ・クンユウの作品《そびえ立つ街》は、発展するマレーシアで何が作られ、何が破壊され、何が保存されようとしているのかを見つめることで、国家の在り方を問う圧倒的な密度の大型コラージュ作品です。
「発展とその影」のセクションでは、変わりゆく身のまわりの景色と生活のかたち、その中で失われたもの、失われなかったもの、そして新たに訪れたものを、アーティストたちが反映して作品を制作しています。
「発展とその影」(写真:上)セクションに展示されている、撮影可能なリュウ・クンユウの作品《そびえ立つ街》は、発展するマレーシアで何が作られ、何が破壊され、何が保存されようとしているのかを見つめることで、国家の在り方を問う圧倒的な密度の大型コラージュ作品です。
「発展とその影」のセクションでは、変わりゆく身のまわりの景色と生活のかたち、その中で失われたもの、失われなかったもの、そして新たに訪れたものを、アーティストたちが反映して作品を制作しています。
世代を超えたアーティストの繋がり
本展覧会では東南アジアの、過去3〜4世代にまたがる86組のアーティストが大集結。次世代に多大な影響を与えたアーティストをはじめ、国際的に注目されはじめたアジアン・アーティストのスター、さらに若い世代として、すでに世界中からオファーを受けている大注目のアーティストが勢揃いしています。
最後のセクション「歴史との対話」では、新しい世代のアーティストが、自国の政治的・社会的文脈を紐解きながら“歴史”との対話を試みている作品、あるいは世代を超えたアーティスト同士の対話を通し、精神的な繋がりを感じさせてくれる作品を紹介しています。
写真は、フェリックス・バコロール 《荒れそうな空模様》
最後のセクション「歴史との対話」では、新しい世代のアーティストが、自国の政治的・社会的文脈を紐解きながら“歴史”との対話を試みている作品、あるいは世代を超えたアーティスト同士の対話を通し、精神的な繋がりを感じさせてくれる作品を紹介しています。
写真は、フェリックス・バコロール 《荒れそうな空模様》
2大美術館を巡るアートフェス
14名のキュレトリアム・チームによる2年半に渡る現地調査を経て、本展覧会は実現しました。ASEAN10カ国16都市より86組のアーティストが選出、計約190点の作品を2館の会場で展示する初の共同企画展です。
森美術館は火曜日を除き毎日22時まで開館していることに加え、国立新美術館も金・土曜は21時まで開館延長!料金は2館で1,800円(一般チケット)とお得です。
また、本展開催期間中には、東南アジア各国の良作、話題作を紹介する映画上映や、各国の“今”を面白くわかりやすく伝える講演・講座、多彩な関連イベントが実施されます。
今や、東京のアートの一大拠点となる六本木エリア。点在するギャラリーをのぞきつつ、2会場を巡ってみてはいかがでしょうか。
森美術館は火曜日を除き毎日22時まで開館していることに加え、国立新美術館も金・土曜は21時まで開館延長!料金は2館で1,800円(一般チケット)とお得です。
また、本展開催期間中には、東南アジア各国の良作、話題作を紹介する映画上映や、各国の“今”を面白くわかりやすく伝える講演・講座、多彩な関連イベントが実施されます。
今や、東京のアートの一大拠点となる六本木エリア。点在するギャラリーをのぞきつつ、2会場を巡ってみてはいかがでしょうか。
photo / 新麻記子
『サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで』
会期:2017年7月5日(水)~10月23日(月)
<国立新美術館 企画展示室2E >
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
開館時間:10:00~18:00(毎週金曜日・土曜日は21:00まで)
※入場は閉館の30分前まで
休館日:毎週火曜日
<森美術館>
〒106-6150 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
開館時間:10:00~22:00(毎週火曜日は17:00まで)
※入場は閉館の30分前まで
会期中無休