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『草間彌生 わが永遠の魂』。計270作品が集まる、過去最大の個展開催中!

現在、東京・国立新美術館で開催されている『草間彌生 わが永遠の魂』。本展覧会では日本初公開となる大型絵画シリーズ、初期作品からNY時代、そして帰国後の作品、計270点を一挙に展示しています。この記事では展覧会の見どころを紹介するとともに、草間彌生の全貌に迫りたいと思います。

『草間彌生 わが永遠の魂』。計270作品が集まる、過去最大の個展開催中!

現在とこれから。第1部、21世紀の草間彌生

©️YAYOI KUSAMA。2009年から意欲的に取り組んでいる2m四方の大型絵画シリーズ「わが永遠の魂」photo:新麻記子

2部構成となる本展で、第1部の中心となっているのは、2009年から意欲的に取り組んでいる2m四方の大型絵画シリーズ「わが永遠の魂」(写真後方)。目を惹きつけられる色彩やバリエーション豊かな構図、モチーフを用いたりスタイルも様々で、時に抽象的であり、具象的でもあります。草間さんは制作ペースを崩すことなく年間約70点も制作するそうで、これまで7年あまりで制作した総数は約520点にのぼるそうです。今回はその中から厳選した日本初公開となる132点が展示されています。

初期作品、NY時代、帰国後の作品。第2部、20世紀の草間彌生

初期作品

草間彌生の初期作品photo:新麻記子

画家になりたいと熱望した草間さんは、京都市立美術工芸学校で日本画を学び、地元の長野・松本市で制作活動を開始しました。初期作品からは動植物、人間、天体、都市などをテーマに、生命感と宇宙的な広がりを感じさせてくれます。この頃、評論家に高く評価され、新鋭の画家として東京でも個展を開くようになったそうですが、日本での芸術活動をつづけることに限界を感じ、海外にわたる手立てを模索するようになったそうです。

NY時代:無限の網

草間彌生のNY時代の作品、無限の網photo:新麻記子

1957年秋に単身で渡米した草間さんは、翌年にはNYに住居を移します。草間さんが最初に高い評価を受けたのは、巨大なカンヴァスを小さな網目状のストロークが埋め尽くしていく、色彩を特徴とする当時には斬新なモノクロームのネット・ペインティングでした。その手法は1960年代に主流になっていくミニマル・アートの美学を先取りしていました。そして、同時代のヨーロッパでも注目され、展覧会にもしばしば出品されています。
是非、作品に近づいて観てみてください!その質感や質量に、きっと引き込まれてしまいますよ。

NY時代:ソフト・スカルプチュア

《死の海を行く》車卓都現代美術館蔵photo:新麻記子

草間さんは、詰め物をした突起を既製品の表面にびっしりと隙間なく貼り付けている彫刻作品を発表しています。同じモティーフを無数に埋め尽くすという意味では、ネット・ペインティングの手法を継ぐものでした。また、ソフト・スカルプチュアは石、木、金属などの硬くて形の変わらない「彫刻」の概念を広げる「柔らかい彫刻」の先駆けでもありました。

NY時代:ハプニング

草間彌生のNY時代の作品photo:新麻記子

英語で思いがけない出来事を意味している「ハプニング」は、現在のパフォーマンス・アートとほぼ同一です。ギャラリー、美術館、路上など公共の場で、アーティストや演者が、時に観客を巻き込みながら様々な行為をおこないます。草間さんは、1960年台半ばから、反戦や物質文明の否定をテーマに、盛んにハプニングの上演を行うようになったそうです。

文学

草間彌生の文学作品photo:新麻記子

草間さんは日本に戻った後、1970年代後半から小説や詩などの文学作品の創作をはじめました。性と暴力、殺人、自殺、同性愛、精神病をモティーフにした小説は、恐ろしくも美しい幻想的な描写により高い評価を受けました。

帰国後の作品

草間彌生の帰国後の作品。水玉photo:南瓜 フォーエバー現代美術館©️YAYOI KUSAMA

1980年代以降の草間さんは、絵画、彫刻、インスタレーションにおいて水玉、ネット、突起などのモティーフを大胆に再構築し、具体的なイメージと組み合わせ色彩豊かな大作を次々と生み出しました。愛、性と死、無限の宇宙などの普遍的なテーマの作品は、鑑賞者の感覚に直接訴えかけ、作品に引き込む魅力を持っています。

世界を舞台に活躍中の前衛芸術、草間彌生

草間彌生photo:ポートレイト©️YAYOI KUSAMA

幼少の頃より幻覚や幻聴から逃れるため絵を描くことに没頭し、水玉と網目を用いた幻想的な絵画を制作してきた草間彌生さん。
1957年に単身NYに渡って以降、絵画、彫刻、インスタレーション、パフォーマンス、映像。そして小説や詩などの文学を手がけるなど広範囲な活動を展開し、前衛芸術家として確固たる地位を築きました。近年では欧米、中南米、アジア、そして日本など世界各地で大規模な個展を次々成功させています。昨年はタイム誌にて「世界で最も影響力がある100人」に選出されるだけでなく、文化勲章を受章しました。

ワクワクを体験できちゃう展覧会!

「草間彌生 わが永遠の魂」物販、グッズphoto:新麻記子

デビューして以来一貫して時代の最先端を走りつづけ、その制作欲は衰えることを知らず、さらに加速している草間彌生さん。初期から現在に至る創作活動の全貌を総合的に紹介しているこちらの展覧会は、草間さんが生み出す芸術の魅力を余すところなく伝える集大成と言えるでしょう。また、鑑賞するだけでなく体験もできる内容になっている本展…天井、壁、家具に至るまで白に包まれた室内に、会場を訪れた人が水玉のシールを貼る参加型のインスタレーション。そして、屋外展示には撮影可能な強大なかぼちゃが出現するだけでなく、『無限の鏡の間』では自らが作品の一部となるような感覚が体験できます。その他にも見逃せないオリジナルグッズや草間さん自らが語る音声ガイドなど!是非足を運んでみてください!


photo / 会場写真:2017年2月21日「草間彌生 我が永遠の魂」メディア内覧会にて撮影 ©️YAYOI KUSAMA

photo

国立新美術館開館10周年 草間彌生 わが永遠の魂
会期:2017年2月22日(水)- 5月22日(月)
休館日:毎週火曜日  ※5月2日(火)は開館
開館時間:10:00 - 18:00 金曜日は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)
     ※4月29日(土)~5月7日(日)は毎日20:00まで開館
会場:国立新美術館 企画展示室1E【東京・六本木】
   〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2

http://kusama2017.jp

この記事を書いた人

新 麻記子 大阪出身、横浜在住。作詞の仕事をベースに置きながら、WEBサイト運営、編集、ライターを経て、フリーランスに転身。ライフスタイルを豊かにする"文化の向上"を掲げ、ア...

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