レトロ建築や可愛い雑貨屋・パン屋、別府湾の絶景を眺めるホテルも。癒しの大分・別府旅モデルコース
- 公開:2025.7.7
- 旅行・お出かけ
別府といえば、多くの方が思い浮かべるのは、湯けむりが立ち上る温泉地・鉄輪温泉(かんなわおんせん)ではないでしょうか。でも、別府の魅力はそれだけではありません。今回は、私が実際に巡って体感した、レトロで可愛いものと癒しに満ちた別府の街をご紹介したいと思います。
ずっと来たかった、憧れの雑貨店「SPICA」
旅の最初に訪れたのは、別府駅から徒歩10分ほどの場所にある、人気のセレクト雑貨店「SPICA(スピカ)」。かつては障子や襖などを仕立てる表具屋の作業場だった建物をリノベーションした空間に、木製の什器が美しく配置され、ナチュラルで温かみのある場所となっていました。
道具や器、衣類、アクセサリー、CD、食材…と幅広いアイテムで埋め尽くされています。店主やスタッフの方が県内外からセレクトし、実際に使ってみて良いと思えたものだけを扱っているのだとか。
私がここで感じたのは「ヒトとモノが出会う場所」だということ。日本各地の良いものと、この場所を訪れた人をつなぐ。そんなお店のスタンスに引き込まれました。
私がここで感じたのは「ヒトとモノが出会う場所」だということ。日本各地の良いものと、この場所を訪れた人をつなぐ。そんなお店のスタンスに引き込まれました。
スタッフの方たちがセレクトしたものは、雑誌をイメージして配置しているそう。定期的に開かれるさまざまな作家さんやブランドの個展は、雑誌の特集記事のような存在。一冊の雑誌を読むと、好みのアイテムが見つかり、自分の暮らしに取り入れたら?と想像してワクワクするように、このお店でも次から次に気になるものが目に入ってきます。
SPICA(スピカ)
住所:別府市立田町1-34
営業時間:10:00〜17:00
定休日:水曜
SPICA(スピカ)
住所:別府市立田町1-34
営業時間:10:00〜17:00
定休日:水曜
昔から愛される地元のパン屋「友永パン屋」
続いては、大正5年の創業以来、地元で愛され続けている「友永パン屋」へ。食べログの「パン百名店」にも選ばれているお店です。SPICAから徒歩5分ほど、お店に近づくにつれパンの焼ける良い香りが漂ってきます。古き良きレトロな外観にも目が釘付けになりました。
訪れたのは平日の昼間でしたが、行列は途切れることなく、人が増え続けていました。朝8:30開店で、休日には午前中で売り切れてしまうこともあるようです。
入店前に、番号が書かれた注文用紙を受け取ります。注文用紙にパンの一覧が記載されているので必要個数を記入して並んで待ちます。番号で呼んでもらえるので、店内ではあっという間にお会計ができます。
訪れたのは平日の昼間でしたが、行列は途切れることなく、人が増え続けていました。朝8:30開店で、休日には午前中で売り切れてしまうこともあるようです。
入店前に、番号が書かれた注文用紙を受け取ります。注文用紙にパンの一覧が記載されているので必要個数を記入して並んで待ちます。番号で呼んでもらえるので、店内ではあっという間にお会計ができます。
購入してすぐに食べる場合は、焼き立てのパンを出してもらえます。かわいいワンちゃんのパンは、懐かしい味わいのクリームがたっぷりでずっしり。一口食べて、思わず「美味しい!」と声が漏れてしまいました。どのパンを選んでも生地がとにかくふわふわで、気持ちもほっこりとします。パンもお店も昔懐かしく、お腹も心も癒され、満たされました。
友永パン家
住所:別府市千代町2-29
営業時間:平日・土曜8:30〜18:00
※支払い方法:現金のみ
友永パン家
住所:別府市千代町2-29
営業時間:平日・土曜8:30〜18:00
※支払い方法:現金のみ
地元民のソウルフード・別府冷麺が熱い「六盛」
パンを食べたばかりですが、ここでお昼ご飯を。友永パン屋から徒歩で5分ほどの「六盛」に向かいます。名物「別府冷麺」はご当地グルメで別府市民のソウルフードとなっており、地元の方から観光客まで大人気。
今まで食べた冷麺の印象とは明らかに違うのは、麺の太さ。程よい弾力で、ツルツルと食感・のど越しがよく、麺だけ一気に食べきってしまいそうなぐらいです。酸味が特徴的なキムチには、白菜でなくキャベツが使われています。乳酸発酵が効いた酸味がスープと馴染んで癖になる味わいです。国産牛のすね肉を使用したこだわりのチャーシューもスープにベストマッチ。韓国や盛岡の冷麺とはまた違った、新しい冷麺との出会いに感激しました。
このお店もオープン前から大行列。ほとんどの方が冷麺を注文していましたが、温麺(冷麺の温かいもの)、中華そば、ちゃんぽんも美味しそうでした。すっかり別府冷麺の虜になり、関東近郊で食べられるお店がないか探しています。
六盛 松原本店
住所:別府市松原町7-17
営業時間:11:30〜14:00/18:00〜20:00
定休日:水曜
六盛 松原本店
住所:別府市松原町7-17
営業時間:11:30〜14:00/18:00〜20:00
定休日:水曜
開業当時の姿のまま。ノスタルジックな木造駅舎「東別府駅」
冷麺でお腹いっぱいになったら、東別府駅までお散歩。個性豊かな温泉施設が点在する街の雰囲気に浸りながら歩くこと約10分。
明治44年に開業した木造駅舎は、今もなお当時の面影を色濃く残しています。別府市の南端に位置するこの駅は、どこか懐かしく、風情に満ちた佇まいが魅力です。かつて老朽化による改築が検討されたものの、「この姿を残してほしい」と多くの市民から保存を望む声が寄せられ、2003年には別府市の有形文化財に指定されました。その後、丁寧な修復が施され、現在もなお人々を静かに迎え続けています。
明治44年に開業した木造駅舎は、今もなお当時の面影を色濃く残しています。別府市の南端に位置するこの駅は、どこか懐かしく、風情に満ちた佇まいが魅力です。かつて老朽化による改築が検討されたものの、「この姿を残してほしい」と多くの市民から保存を望む声が寄せられ、2003年には別府市の有形文化財に指定されました。その後、丁寧な修復が施され、現在もなお人々を静かに迎え続けています。
駅構内に足を踏み入れると、趣のあるランプや改札に、タイムスリップしたような感覚に。
窓枠や窓の格子もすべてが木製。色褪せた椅子さえも味わい深く、可愛らしさも感じられます。
ホームをつなぐ、跨線橋の背景には青々とした緑が。春には桜、秋には紅葉と、四季折々に表情を変えていきます。柔らかな照明が灯った夜間や早朝にも情緒ある景色が楽しめます。
列車の本数は1時間に2本程度。電車を待つ時間に写真を撮り、レトロなベンチに腰掛けてみたり、跨線橋からの眺めを堪能したり。待ち時間がこんなに有意義で癒しの時間に感じられることは、なかなかないのではと思いました。
東別府駅
住所:別府市浜脇1-15
東別府駅
住所:別府市浜脇1-15
別府湾を一望できるホテル「グランドメルキュール別府湾リゾート&スパ」
今回の宿泊先は「グランドメルキュール別府湾リゾート&スパ」。別府駅より2駅の亀川駅から、タクシーまたは1日1本の無料送迎バスで5分ほどのホテルです。別府駅からも、1日に2本無料送迎バスが出ています(予約不要。詳細は公式サイトにてご確認ください)。
このホテルを選んだ一番の理由は、別府湾を望む窓からの眺めです。
高崎山から別府の町まで続く海岸線をぐるっと一望できる贅沢なパノラマビューは、まさにこのホテルならではの特権。癒しの旅にふさわしい宿泊先でした。
このホテルを選んだ一番の理由は、別府湾を望む窓からの眺めです。
高崎山から別府の町まで続く海岸線をぐるっと一望できる贅沢なパノラマビューは、まさにこのホテルならではの特権。癒しの旅にふさわしい宿泊先でした。
客室 【オーシャンビュー】
「スーペリアツイン オーシャンビュー」は、青と白が混ざり合う壁や床が印象的なゆったりとした客室。2つのベッドが並ぶ横には、窓からの景色を眺めるのにぴったりなソファも置かれています。
目の前に広がるのは、空と海が溶け合うようにひとつになった、時間とともに表情を変える一枚の絵画のような世界。雄大でありながら、どこか穏やかに心を包む別府湾の風景です。ふと視線を遠くに向ければ、高崎山の姿もくっきりと。まるで旅のワンシーンに静かに寄り添ってくれるような、そんな景色が待っていました。
別府の町の灯りが美しい夜景も、この場所、このホテルだからこその醍醐味。
客室【マウンテンビュー】
山側の客室「スーペリアツイン マウンテンビュー」も、特別に覗かせていただきました。
こちらのお部屋は、通称“トレインビュー”。窓の外に、日豊本線を走る列車の姿が見えるのです。特急「ソニック」や「にちりん」も通過するこの景色は、鉄道好きはもちろん、旅気分をより高めてくれ、つい時間を忘れてしまいます。列車の音やリズムを感じながら、ずっと外を眺めていたくなるようなお部屋です。
【ラウンジ】
ロビーに併設されたラウンジでも、壁一面の大きな窓の外に美しい別府湾と空が広がっています。
15:00〜18:00の「イブニングソーシャル」の時間帯には、コーヒーや紅茶、ハーブウォーターなどに加え、ワインや生ビールとともにおつまみを楽しむことも可能。
15:00〜18:00の「イブニングソーシャル」の時間帯には、コーヒーや紅茶、ハーブウォーターなどに加え、ワインや生ビールとともにおつまみを楽しむことも可能。
21:00〜23:00の「ナイトキャップ」には、ジンやライチのリキュールなども勢ぞろい。落ち着いた空間で、ゆったりと一日の終わりを過ごすことができます。
どの時間にも、最上のご褒美を与えてくれるような満ち足りた時間が流れていると感じました。
どの時間にも、最上のご褒美を与えてくれるような満ち足りた時間が流れていると感じました。
【レストラン】
ゆとりある広さと、窓からの別府湾の景色が心地よい、開放的なレストラン。朝食も夕食もビュッフェスタイルで、中央のカウンターに和洋さまざまな料理が美しく並べられています。
新鮮なお刺身をはじめ、土地の食文化を生かしながらも、そこにひと工夫を加えた創作料理には、つい箸が止まらなくなってしまうほど。お腹がいっぱいじゃなければ、まだまだ食べていたいと名残惜しさすら感じさせてくれる、満足度の高いビュッフェでした。
【大浴場】
温泉露天風呂とサウナが完備された大浴場にも、心も体もほどけるような癒しの空間が広がっています。お湯にゆったりと身をゆだねながら景色を眺め、サウナでたっぷりと汗をかく。そんな贅沢な時間が、旅の疲れをほぐしてくれます。
季節や時間帯によっては、別府湾から昇る朝日を望むこともでき、一日の始まりに特別な時間を与えてくれます。
さらに、柔らかな光に包まれる温泉ラウンジもあり、好みのドリンクを飲みながらただぼんやりする…という過ごし方も可能。ゆったりと足を伸ばし、旅の続きを楽しむ元気をチャージすることができます。
グランドメルキュール別府湾リゾート&スパ
住所:大分県速見郡日出町大字平道字入江1825番
TEL:0977-72-9800
※予約・変更・取消 03-5539-2606(予約センター)
さらに、柔らかな光に包まれる温泉ラウンジもあり、好みのドリンクを飲みながらただぼんやりする…という過ごし方も可能。ゆったりと足を伸ばし、旅の続きを楽しむ元気をチャージすることができます。
グランドメルキュール別府湾リゾート&スパ
住所:大分県速見郡日出町大字平道字入江1825番
TEL:0977-72-9800
※予約・変更・取消 03-5539-2606(予約センター)
いかがでしたか? 心と体をゆるめる、癒しの別府旅。心躍る可愛らしいものや美しい景色、そして美味しいものとの出会いに、じんわりと心が満たされていきます。急がず、のんびりと過ごすことを目的に、大分・別府を訪れてみてはいかがでしょうか。
photo / sumire.