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キッチンスポンジもプラスチック?脱プラが必要な3つの理由と今日からはじめられる簡単習慣

日本は世界第3位のプラスチック生産国であることをご存じですか?海洋プラスチックごみが深刻な問題となっている昨今、なぜプラスチックごみを減らす必要があるのかを学び、どんなことができるかを考えてみましょう。実は身近なところに解決の糸口はあるのです。

キッチンスポンジもプラスチック?脱プラが必要な3つの理由と今日からはじめられる簡単習慣

なぜプラスチックごみが問題になっているの?

ペットボトルなどのプラスチックごみが散乱している海辺photo:Shutterstock

海岸のあちこちに漂着しているプラスチックごみ……今や海水浴へ行くと、必ずと言ってもいいほど目にする光景です。美しい海と人工的なプラスチック製のごみ。その対比に落胆する人も多いのではないでしょうか?
そもそも私たちの暮らしを見渡すと、レジ袋やペットボトルなど家中がプラスチック製品に囲まれています。そして、そのほとんどが使い捨ててですぐにごみとなってしまうものばかり。お菓子の包装も、洗剤やシャンプーのボトルも、ストローも歯ブラシも、どれもみんなプラスチック!

プラスチックケースに入ったトマトなどの野菜photo:Shutterstock

それもそのはず、日本は1人当たりの容器包装プラスチックごみ排出量がアメリカに次いで世界で2番目*1に多く、プラスチック生産国としても世界第3位。つまり、私たちは海洋プラスチックごみ問題の一因を作り出している当事者でもあるのです。

そして今、世界的に問題視されているのが「マイクロプラスチック」。
気軽に使い捨てできるプラスチック製品はきちんと廃棄されない場合も多く、そういったプラスチックは下水や河川をつたって最終的に海へと流れ着きます。陸から海へと流入するプラスチックはなんと年間で800万トン。これらの大量のプラスチックごみは波にもまれ、紫外線を浴びるうちに劣化し、微小なプラスチック片に変化します。それが、マイクロプラスチックと呼ばれるものです。
マイクロプラスチックの状態になってしまうと回収も難しく、海洋生物や人の体に侵入する恐れが出てくるので、余計やっかいになってしまいます。

*1 UNEP(2018)
*2 熱可塑性プラスチック及びポリウレタンの素材生産量。PlasticsEurope (2017年)

プラスチックごみを減らしたほうがいい3つの理由

<理由その1>小型の海洋生物に取り込まれやすい

海の中に浮かぶプラスチック製のポリ袋のゴミphoto:Shutterstock

海に漂うマイクロプラスチックは、5㎜以下と非常に小さい破片です。あまりに微小なため小魚や貝などの小型の海洋生物が誤飲しやすく、それをエサにする大型の海洋生物の体内、さらには魚を食べる人間の体内にまで取り込まれてしまうのです。
なんと毎週カード1枚分(約5g)のプラスチックごみを私たちは知らず知らずのうちに食べている可能性があるという報告もあるほど…。*3

また、マイクロプラスチック以外にも、海鳥やウミガメ、アザラシなどはポリ袋をエサと間違えて誤飲することがあり、それによって多くの貴重な海洋生物が犠牲となっているという現実も無視できません。

*3 WWF「Your Plastic Diet」

<理由その2>私たちの体内に入る可能性も

海に浮かぶペットボトルのプラスチックごみphoto:Shutterstock

プラスチックが人の体にどのような影響を及ぼすかはまだわかっていません。基本的にプラスチックは食べても消化吸収されず、そのまま排出されます。
といっても安心はできません。海中には工業化学薬品、農薬などの有害物質が漂っていて、漂流中のマイクロプラスチックの表面にはそれらが付着している可能性が…。
それらも一緒に取り込むことになるので、有害物質が体内に蓄積される可能性も指摘されています。

また、プラスチック自体が人の健康や海洋生物の生態系にどのように作用するかも楽観視できません。そもそも自然界には存在しない人工的なもの。それを継続的に体内に取り込んでしまっているのですから将来的な影響が心配ですね。

<理由その3>プラスチックは自然に還らない

瓶やペットボトルなどが分別されたゴミ箱photo:Shutterstock

プラスチックは長いこと海に放置されていても分解されず、決して自然に還ることはありません。マイクロプラスチックのような小さな破片に細分化されますが、プラスチックであることには変わりありません。むしろ、マイクロプラスチックのように小さくなると回収がほぼ不可能。永久に海中を漂うことになってしまいます。

事態を悪化させないためには、プラスチックを廃棄せず再資源化することが大切。しかしながら、世界全体のリサイクル率はこれまでのプラスチック生産量のわずか9%*4にとどまっています。

プラスチック大国である日本でも、プラスチックごみの行き場は問題となっています。大量のプラスチックごみすべてを国内で資源化してリサイクルすることは難しく、そのため日本は年間150万トン*5ものプラスチックくずを「資源」として中国やアジア諸国に輸出していました。つまり、海外にリサイクル処理を頼っていたのです。
ところが、2017年に最大の輸入国である中国がリサイクル処理による環境汚染を理由に輸入を規制。いよいよ日本のプラスチックごみ問題は深刻化しているというのが現状です。

このような状況で、プラスチックごみを出さない、プラスチックを使わない生活が求められています。では、そのために私たちは何ができるのか、プラスチックの代わりにどんなものを使えばいいのか?
次からはプラスチックフリーな暮らしに近づくための方法をご紹介していきましょう。

*4 環境省「プラスチックを取り巻く国内外の状況」(2019年)
*5 環境省「プラスチックを取り巻く国内外の状況」(2018年)

方法1.キッチンスポンジは自然に近いものを使う

キッチンスポンジに多いウレタンスポンジは、使い続けるうちに細かく砕けてマイクロプラスチックとなり、生活排水に紛れ込んでしまいます。実は、東京都の水質汚染の原因の約70%*7が生活排水。毎日使うし購入頻度も高いキッチンスポンジだからこそ、モノ選びに気を付けたいところです。

*7 東京都環境局「生活排水対策について」(2020年)

実はプラスチックが含まれるキッチンスポンジ

プラスチックごみが排水に紛れ込む、メラミンスポンジやウレタンスポンジphoto:Shutterstock

アクリル毛糸を使ったアクリルたわし。エコだと思って使っている人も多いかと思いますが、実はアクリルもプラスチックの一種。洗っている間に抜け落ちた繊維がマイクロプラスチックのもとに…。

また、洗剤を使わずに汚れが落ちることで知られるメラミンスポンジも同様です。メラミンスポンジの原料はメラミン樹脂。つまり100%プラスチックということ。
汚れを落とす原理は消しゴムと同様で、使うと削れ、そのカスが排水に……!つまり、洗いながらマイクロプラスチックを製造しているのと同じことなのです。

どんなスポンジを使ったらいいの?

100%植物性の「セルローススポンジ」

プラスチックごみ削減につながる、セルロースやへちまなどの植物誠意スポンジphoto:minimal living tokyo.

ではプラスチックが含まれないスポンジは?というと、まずおすすめなのがセルローススポンジ。パルプから生まれる100%植物性のスポンジです。
たとえ繊維が落ちて排水に流れたとしても、微生物によって分解されるので安心。吸水性や速乾性にも優れているので、使い心地も通常のキッチンスポンジに引けを取りません。おしゃれなデザインが多いので、わが家のキッチンに合わせて選んでみては?

スポンジクロス by Ten and Co./Sponge Cloth ¥770(税込)(minimal living tokyo.)

ヘチマから作られた「ヘチマスポンジ」

プラスチックごみ削減につながる、ヘチマたわしが積まれたザル

「ヘチマたわし」は文字通り植物のヘチマから作ったたわし。ヘチマを乾燥させて皮と種を取り除いただけの正真正銘ナチュラルなたわしです。
白だと漂白しているけど、茶色なら無漂白でさらにエコ。ゴワゴワ感が鍋のこげ落としなどにも最適です。食器洗いだけでなく、体を洗うボディスポンジとしても代用できます。

ヘチマスポンジ/Loofah Sponge ¥715(税込)(minimal living tokyo.)

方法2.プラスチックの歯ブラシを減らす

プラスチック製のカラフルな歯ブラシを数本立てたコップphoto:Shutterstock

1年間に世界中で廃棄されるプラスチック歯ブラシは38億本。だいたい2~3か月に1本のペースで買い替えるため、1人につき50年間でおよそ300本の歯ブラシを使い捨てることになります。これって、かなりの本数だと思いませんか?

一般的な歯ブラシは、ブラシもハンドル部分もプラスチック由来。基本的に短期間で使い捨てるものなのでプラスチックは避けたいところですが、歯磨きにプラスチック歯ブラシを使わない方法はあるのでしょうか?

どんなことを実践したらいいの?

竹製の歯ブラシを使う

プラスチックごみ削減につながる竹製の歯ブラシと紙製のパッケージphoto:minimal living tokyo.

歯ブラシには、ブラシ部分に豚毛や馬毛などの天然毛を使ったものもあります。エコを考えてハンドル部分も竹製になっていたり、見た目にもおしゃれ。毎日の歯磨きも、味気ないプラスチック製よりぐんと気分が上がります。
天然毛だとゴシゴシ磨いても歯が傷つきにくく、使い込むほど歯にフィット。個人差はありますが、2~6ヶ月程度の目安で使えるなど、長持ちするのもメリットです。

バンブー歯ブラシ/Bamboo Toothbrushes ¥1,760(税込)(minimal living tokyo.)

歯磨きタブレットを使う

プラスチックのチューブやパッケージのごみ削減につながる、瓶入りの歯磨きタブレットphoto:minimal living tokyo.

歯ブラシだけでなく、歯磨き粉のチューブもプラスチック素材。内側を洗って捨てる人は少ないため、ほとんどがリサイクルされずに焼却処分されることになります。

そこでおすすめなのが、歯磨きタブレット。タブレットをひと粒口に入れて噛み砕いたあと、歯ブラシで普通に磨きます。これなら使い捨てのプラスチックチューブは必要なし。
また、最近ではパッケージが紙製だったり、詰め替えて繰り返し使えるタイプの歯磨き粉も増えているのでチェックしてみましょう。

歯磨きタブレット/Crush & Brush by Nelson Naturals ¥1,760(税込)(minimal living tokyo.)

天然素材のデンタルフロスを使う

プラスチックのデンタルフロスのごみ削減につながる、シルクなどの天然素材のフロスphoto:minimal living tokyo.

さらにデンタルフロスにも注意!たいていのフロスは100%ポリエステル。つまりプラスチック製です。1回使っただけで捨ててしまうので、フロスもシルクなどの天然素材を選ぶといいでしょう。
天然素材のデンタルフロスはケースも環境に配慮して紙製やガラス製がほとんどで、ナチュラル感のあるパッケージデザインも素敵。
また、フロスのコーティングまで天然ワックスを使っていることも。口に入れるものだから、天然素材で安心して使えるってうれしいですよね。

天然デンタルフロス/All Natural Dental Floss ¥990(税込)(minimal living tokyo.)

方法3.生理用品はプラスチックレスを意識する

プラスチックの包装が使われている生理用品が入ったポーチphoto:Shutterstock

あまり注目されていませんが、ほとんどの生理用品はプラスチックできています。そして欧州委員会によるとこの生理用品、驚いたことに海に多く捨てられるプラスチックごみの中で第5位!生理用ナプキンやタンポンのアプリケーターなどを正しく廃棄しない人が多く、ビーチクリーンをするとたくさんの生理用品が見つかると言います。
何気なく使っている生理用品が、実は海洋汚染に深くかかわっているのです。

そう考えてみると、女性は毎月15~20枚程度の生理用ナプキンを使い、生理が続く40年間で考えただけでも約9,600枚も消費することになります。きちんと捨てたとしても汚れてしまったプラスチック類は焼却処分するしかなく、CO2を排出して地球温暖化を促すことに…。
やはり生理用品もプラスチックフリーが一番。実際、最近ではプラスチックを使っていない優秀な生理用品がいろいろ登場しています。

どんなものを使ったらいいの?

吸水型サニタリーショーツを使う

プラスチックごみの削減につながる、吸水型サニタリーショーツphoto:emmi

吸水型サニタリーショーツは生理中もナプキンなしで過ごせるという優れモノ。続々とさまざまなブランドからも発売されています。
その中からレディースウエアブランドの「emmi(エミ)」から発売された吸水型サニタリーショーツをご紹介。表生地1枚、防水布2枚、吸水不織布1枚、メッシュ生地1枚の5層構造になっていて、吸水性も速乾性も抜群。スタンダードタイプは約80ml、フルタイプは125mlの吸水力があり、通常の経血量ならラクにカバーできます。

表地は肌にぴったりフィットするストレッチ素材。アウターに影響しないよう少ない縫い目で仕立てているので、使い捨ての生理用品を使わずに済むうえ、生理の日も自由にファッションが楽しめるのです。

吸水サニタリーショーツ スタンダード ¥6,050(税込)(emmi)
カラー:チャコールグレー、ブラック
サイズ:S、M、L

布ナプキンを使う

プラスチックごみの削減につながる、布ナプキンphoto:COCOFA

もう一つの方法は布ナプキンを使うこと。最近では可愛らしいデザインの布ナプキンが売られていて、サイズ展開も昼用~夜用までありバリエーション豊富。肌にやさしいオーガニックコットンやシルクの生地が使われていたりと、使いやすさも使い心地もぐんとアップしています。
写真は女性向けの商品を販売する「COCOFA(ココファ)」の布ナプキン。肌面にはオーガニックコットンを使ったネル地を使用されていて着用感は抜群です。


布ナプキンは、使用後は浸け置き洗いをして繰り返し使えます。経済的ではありますが、「洗うのが面倒」という人もいるでしょう。慣れれば大した手間ではありませんが、そんな人はコットンなどの天然素材で作られた紙製のナプキンやタンポンを試してみてはいかがでしょうか?少しでもプラスチックごみを減らすという意味ではこちらもエコです。

コットン製のナプキン

プラスチックごみの削減につながる、コットン製のナプキンphoto:unsplash

コットン製のナプキンはプラスチック由来のものより通気性がよく、生理時特有の痒みやかぶれ、ムレなどを防いでくれるというメリットもあります。また、通常のナプキンには高分子吸収剤が使われていてジェリー状に経血を固めることで漏れにくくしていますが、水分が長時間ナプキン内に閉じ込められるので子宮が冷えて生理痛につながることも。コットンナプキンには高分子吸収剤が使われていないので、そんな心配も要りません。

とはいえ、布ナプキンや天然素材のナプキン・タンポンは吸収力が低め。抵抗感のある人は経血量が多い日や長時間外出する日は避けるなどして、徐々に移行していくといいかもしれません。

小さなことの積み重ねでプラスチックフリーな暮らしに

プラスチックがどれだけ環境に悪影響を及ぼしているかを知ると、日々使っているプラスチック製品を見る目も変わってきませんか?日用品を天然素材に変えるだけで、プラスチックごみは減らせます。身の回りのものを少しずつ見直して、プラスチックフリーな暮らしに変えていきましょう。

<文>伊藤ミミ

Sheage特別企画「わたしもみんなも心地いい。サステナブルな暮らし方」
自分やみんなにやさしく、おしゃれ。だから始めたいサステナブルな暮らし方をご紹介します。

サステナブルな暮らし方

minimal living tokyo.(ミニマルリビングトーキョー)

https://minimal-living-tokyo.com/

emmi(エミ)

https://emmi.jp/

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