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四国の山あいに小さくて居心地の良い空間。お寺の境内にひっそりと佇む喫茶店「ろうそく夜」

四国の東側、徳島県鳴門の山あいにある喫茶店「ろうそく夜(よ)」は、木陰から顔を覗かせるように東林院(とうりんいん)というお寺の境内のすみっこにあります。店主の元木さんが手作りする数量限定のお昼ごはんを味わいながら、居心地の良い小さな空間を楽しんでみませんか?

四国の山あいに小さくて居心地の良い空間。お寺の境内にひっそりと佇む喫茶店「ろうそく夜」

お寺の境内にある小さな喫茶店

四国の山あいに小さくて居心地の良い空間。お寺の境内にひっそりと佇む喫茶店「ろうそく夜」

本州と四国の東側の玄関口、徳島県鳴門市にある喫茶店「ろうそく夜(よ)」。関西方面からは淡路島に入り車で約1時間、徳島駅からは北へ車で30分ほど。鳴門海峡の渦潮で知られる鳴門に入ると、景色は瀬戸内海国立公園の穏やかなロケーションから、少しずつのどかな田園風景に変わっていきます。
喫茶店ろうそく夜は、733年に創立された東林院という歴史あるお寺の境内にあります。お寺の一角にある喫茶店ろうそく夜とは、いったいどんなお店なのでしょう。

おいしそうな匂いが漂う居心地の良い空間

四国の山あいに小さくて居心地の良い空間。お寺の境内にひっそりと佇む喫茶店「ろうそく夜」

お店は11時から始まります。店内に入ると、ちょうど石釜で炊き上がったご飯やお昼ごはんのおかずができあがったおいしそうな匂い。厨房には、ひとり手際よく丁寧に料理の仕込みを行なっている店主の元木ともよさんの姿が。カウンターにあるチョークボードには「今日のおやつ」のメニューが書かれています。

四国の山あいに小さくて居心地の良い空間。お寺の境内にひっそりと佇む喫茶店「ろうそく夜」

店内はカウンターとテーブル席を含めて10席ほどの小さなスペース。もともとは四国霊場の八十八ヶ所を巡るお遍路さんの休憩所だった東屋を改装し、腰までの高さの壁はそのままに、全面に窓を配しています。そのため景色が見渡せるようになっており、広々とした気持ちの良い空間が広がります。

季節の野菜を使ったお昼ごはん

四国の山あいに小さくて居心地の良い空間。お寺の境内にひっそりと佇む喫茶店「ろうそく夜」

ぜひ食べておきたいのが、一日限定10食の「お昼ごはん」(900円)。プレートは、車麩のステーキ、季節の野菜のおかずとスープ、ごはんかトーストが選べるセットになっています。彩りも鮮やかなサラダの野菜は、その時々の旬のもの。今が収穫の時季という特産のレンコンをはじめ西洋野菜を中心にした食材は、店主の元木さんのご友人が地元で作っている野菜を使っています。

四国の山あいに小さくて居心地の良い空間。お寺の境内にひっそりと佇む喫茶店「ろうそく夜」

選べるごはんとトーストは、どちらもこだわりが詰まった一品です。パンは店主の元木さんが徳島で一番おいしいパンと話す、市内にある「毎日酵母パン atta(あった)」の食パン。この日は小豆や黒ごまが入った雑穀パンを網焼きにして焼きたてを提供。表面は香ばしく、中はもっちり食感で小豆の甘さを感じます。ご飯は黒豆が入った雑穀米。毎日、店内の石釜で炊き上げています。ふっくら、もっちりした食感であっさりとした後味。
「季節の野菜を使ったスープ」はじゃがいもとクミンのポタージュ。濃厚でコクがあり、エスニックで芳醇な香りとスパイシーな味わいです。
「そんなに数や種類は作れないので、すぐに品切れになってしまうことも多いんですけど、一人で作るけん、全力でやって燃え尽きるというか(笑)」と元木さん。量にこだわらず、一品一品を丁寧に作っているお昼ごはんは、一日数量限定なのでお早めにどうぞ。

ごはんの後は手づくりのおやつ

四国の山あいに小さくて居心地の良い空間。お寺の境内にひっそりと佇む喫茶店「ろうそく夜」

お昼ごはんの後は「今日のおやつ」をどうぞ。この日は「バナナココナッツパウンド」(500円)。しっとりの生地にバナナの風味とココナッツの食感も楽しめる優しい味わいのおやつ。添えられた生クリームといただきます。
ドリンクには「豆乳スパイスチャイ」(650円)をオーダー。シナモンなどのスパイスがたっぷり入った豆乳チャイで体が温まり、ほっとできる一杯です。

シンプルな味付けで食材を楽しむ

四国の山あいに小さくて居心地の良い空間。お寺の境内にひっそりと佇む喫茶店「ろうそく夜」

店主の元木さんが喫茶店ろうそく夜を始めた頃は、お母さんが作るようなご飯を食べられるお店が意外にもあまりなく、そのような料理を提供したいと思ったそうです。元木さんは「家庭でお母さんが作るふだんのご飯が理想ですね。味付けはいらんことせんことです。食べたお客さんは野菜の味に感動してくれます。これは私の腕に感動しているわけではないなと(笑)」と笑顔を見せます。

四国の山あいに小さくて居心地の良い空間。お寺の境内にひっそりと佇む喫茶店「ろうそく夜」

お店でしか食べられないものを提供するというよりは、お客さんが「これ、おいしいね。どうやって作っとん?」とレシピを聞いて自宅でも作ることができたり、また反対に元木さんもお客さんに最近作っている料理を聞いたり、地元の方からおすそ分けしてもらった食材を使ったりしながら、日々のメニューを考えているのだとか。

四国の山あいに小さくて居心地の良い空間。お寺の境内にひっそりと佇む喫茶店「ろうそく夜」

店名のように、この場所を通して、つながり合い、心に小さな火を灯してくれる喫茶店ろうそく夜。食事メニューの提供が終わったらカフェのみで営業しています。店主の元木さんとの会話も楽しみながら、ここにしかない時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。月に1〜2回のペースで料理や日頃の悩みをテーマにワークショップも開催しているので、ウェブサイトで情報をチェックしてみて下さい。

※現在は新型コロナウイルスの影響により、営業形態の変更や休業の可能性もあります。ご来店の際はサイトをご確認ください。

photo / 渡邊 孝明

喫茶店ろうそく夜(よ)
徳島県鳴門市大麻町大谷山田59 東林院内
営業時間:11:00〜17:00
定休日:水・土・日曜

https://www.rousokuyo.org/

この記事を書いた人

渡邊 孝明 エディター&ライター/関心と取材のテーマは、旅と北海道とものづくりとライフスタイルとアートと歴史とまちと乗りものと温泉と麺類と。だいたいのファクターは、旅の...

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※掲載内容は記事公開時点のものです。最新情報は、各企業・店舗等へお問い合わせください。
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