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猫が教えてくれること「尊重しつつ共存する」/陶芸家・清水直子さんの場合vol.2

猫の猫らしい行動に、自分の生き方を重ねてハッとする瞬間があります。陶芸家の清水直子さんもその一人。清水さんが猫と関わりの深い人生を歩むことになったのは、妙に猫に縁があるというお姉さんのおかげらしいのですが…。

猫が教えてくれること「尊重しつつ共存する」/陶芸家・清水直子さんの場合vol.2

地元の猫界隈では有名人!?

陶芸家・清水直子さんと愛猫

陶芸家・清水直子さんが暮らす実家には、「サビコ」(14歳・メス)、「キトラ」(9歳・オス)、「もも」(8歳・オス)、「ミケ」(3歳・メス)という4匹の猫がいます。

ミケ以外の3匹は、清水さんのお姉さんが保護した猫です。しかも、清水家で保護し、去勢・避妊手術を受けさせたり、里親さんを見つけた20匹あまりの猫のほとんどが、お姉さんがたまたま見つけて、保護した子たちなのだとか。

「猫同士のネットワークで、姉の噂が広まっているとしか思えないほど、姉の行く先々に猫がいて、何度、捨て猫や迷い猫を保護したかわからないほど。ある時は、姉の勤務先で、窓ガラス越しにじっと姉を見つめる子猫もいたそうで、『あの人を頼れば間違いない』という噂は、かなりの広範囲に広がっている可能性があります(笑)」

家族を迎え入れるということ

陶芸家・清水直子さんの愛猫2

以前、清水さんのお姉さんは、川のふもとでダンボールに入れられた生後間もない子猫たちを見つけました。3匹のうち1匹は亡くなっていましたが、2匹はまだかろうじて命の火を灯していました。

「その日からはもう必死に、姉と交代で3時間ごとに授乳。本当に大変でした」

心無い人に捨てられた子猫たちは、清水姉妹による懸命のお世話で命をとり止め、すくすくと成長。その後、一生をともにしてくれる新しい家族の元へと旅立ちました。

この経験をはじめ、多くの捨て猫、迷い猫との出会いから、清水さんは保護活動や動物福祉、殺処分の問題やペット産業の闇について関心を寄せるようになり、自らも発信していくように。2019年10月5日(土)から金沢の「ギャラリー日色」で行われる、いきものをテーマにした展覧会への参加も、その発信の一環です。

「私を含め9名の作家が出品する展覧会『いきものたちのうた』は、猫や犬を家族としてを迎え入れる際に、飼い主のいない動物をもらいうけるなど、いきものを購入する以外の方法があることも知って欲しいという願いを込めた展覧会です」

尊重しつつ共存する

陶芸家・清水直子さんの愛猫3

捨て猫や迷い猫に新しい家族を探したり、保護した猫を家族として迎え入れてきた経験を経て、清水さんが猫から教わったのは、「尊重しつつ共存する」という猫と人との在り方だと言います。

「猫は人を見下してもいないし、見上げてもいない。対等だと思っているんじゃないかなって。だから、猫といるとお互いを尊重しつつ共存している感じがすごくする。こちらの思い通りになることなんてひとつもないんです。そんなの当たり前のことですけど、人間の世界では、いろんなところでお互いを尊重して共存するという当たり前が、ないがしろにされている気がして…」

家・教室・会社・乗り物、もっと引いた目で見れば、地球という「ひとつの空間」において、お互いを尊重し共存するというのは、ルール以前の話です。でも、その前提が無視される事件やニュースの多さに、嘆き悲しんでいる方も多いのではないでしょうか。改めて猫が教えてくれることにハッとさせられました。さて、次回は、清水家の4匹のユニークな関係性についてです。お楽しみに!

photo / 筒井聖子

陶芸家・清水直子
2019年10月5日~10月22日「いきものたちのうた」展@ギャラリー日色
https://exkurage.exblog.jp

https://hiiro-g.com

この記事を書いた人

宇佐見明日香 編集者・ライター。女性の「生き方」「暮らし方」などライフスタイルにまつわるインタビューを中心に、企業人や起業家のインタビューを得意とする。“しつもんは愛だ”を...

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