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猫が教えてくれること「自分の軸で生きる」/デザイナー・山岸彩さんの場合vol.2

猫が教えてくれること「自分の軸で生きる」/デザイナー・山岸彩さんの場合vol.2

猫の猫らしい行動に、自分の生き方を重ねてハッとする瞬間があります。グラフィックデザイナーの山岸彩さんもその一人。唯一の相棒を亡くし、覇気を失ってしまった「うり」。その後、新しい相棒を迎えるも、ストレスで病気になってしまい…。病気に伏せる「うり」の一喝が、山岸さんに気づかせたこととは?

強気な「うり」&気弱な「こふく」の意外な一面

デザイナー・山岸彩さんと愛猫1

イタズラというイタズラをやり尽し、年を重ねてちょっぴり大人しくなった、好奇心旺盛で勝気な「うり」(14歳・メス)。服の中に潜り込んでくるほどの甘えん坊で、お客さんが来ると隠れたまま何時間でも出てこない気弱な「こふく」(4歳・オス)。そんな二匹の飼い主は、グラフィックデザイナーの山岸彩さんです。

「すぐ近くでやっていた電柱工事の様子をベランダに見に行くほど、好奇心旺盛で物怖じしないのがうり。でも、床に脱ぎ捨てられた靴下に気づいた瞬間、宙に浮くほど飛び上がって驚いたりする一面もあるんです。

こふくはビビりで、弱っちいのに、うりがトイレをしたすぐ後に、その上から自分も用を足して、『ココはおいらの縄張りだい』って誇示するような、ちょっぴり生意気なところもあって」

唯一の相棒を亡くした「うり」の変化

猫の写真入りのクッション

うりとこふくの間に、もう一匹「ことら」というオス猫がいました。ことらは持病を悪化させて9歳で亡くなりました。保護猫のこふくを迎え入れたのは、ことらが亡くなってから約1年後のこと。

「ことらが死んじゃってから、うりの元気がなくなってしまい、トイレもごはんも忘れたように寝ていることが多くなりました。心配になるくらい動かないから、抱っこしてトイレに連れて行ったり、ごはんの器の前に移動させたり。

うりとことらは、子猫の時からずっと一緒で、特別仲がいいわけでもなかったけど、少なくともうりにとってことらは、なくてはならない存在だったことを知りました」

かろうじて自力でトイレとごはんを済ませるようになってからも、ずっと覇気のないうり。新しい相棒ができたら、うりが元の快活さを取り戻すかもしれない。山岸さんはそう考え、保護猫のこふくを迎えいれることにしました。ところが…。

弱った体を押してまで「うり」が伝えたかったこと

デザイナー・山岸彩さんの愛猫2

「こふくを迎えたら迎えたで、今度はうりが体調を崩してしまって。病院に連れて行くと、ストレスから肝臓を壊していることがわかりました。そこで、うりの病状が安定するまで、こふくを実家に預けることに。

すっかり弱ってしまったうりに、亡くなる直前のことらの姿が重なって、『ごめんね、うり。死なないで。ごめんね…』とメソメソしていたら、今まで聞いたことがないような大きな声で『ニャー!』と鳴いて、うりが私を睨みつけました。私には『うるさいよ!死なないよ!今、静かに治してるの!』と言っているように聞こえました」

デザイナー・山岸彩さんと愛猫2

「寄り添うことをはき違えていると言われたような気がしました。うりは自分のできることに集中している。私がうりのためにできることは、メソメソして打ちひしがれることではなく、飼い主としてできるだけの手を尽くし、うりの回復を信じて静かに見守ること。

家族や友人など自分にとって大切な存在であるほど、その人の人生に踏み込み過ぎてしまったり、寄りかかってしてしまいがちです。でも、誰もが自分の人生を生きている。大切な人が、自分の足で立ち、自分の生きる道を行くことに集中できるよう、私は私のできることに集中するべきなのだと教わったような気がします」

デザイナー・山岸彩さんの愛猫3

その後、うりは順調に回復し、1ヵ月後にはすっかり完治。こふくが実家から戻ると、「まだいたのね」と素っ気ない態度を示しつつも、子猫で遊びたい盛りのこふくにつられて、久しぶりにダッシュする元気な姿を見せたと言います。

「ほんとうに人を愛するということは、その人が一人でいても生きていけるようにしてあげることだ」という作家・三浦綾子さんの言葉があります。どんな状況であっても、他者が自分で立つ機会を奪ってはいけない。それぞれが「自分の軸で生きている」ことを念頭に、自分の取るべき態度や行動を選んでいきたいと思いました。

さて、次回は、甘えん坊でビビりのこふくとの出会いについてのお話です。お楽しみに!

photo/筒井聖子

グラフィックデザイナー・山岸彩(やまぎしあや)

https://www.instagram.com/uricotora

※掲載内容は記事公開時点のものです。最新情報は、各企業・店舗等へお問い合わせください。
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