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猫が教えてくれること「個性の内の世界」/絵本作家・PEIACO(ぺいあこ)の場合vol.2

猫の猫らしい行動に、自分の生き方を重ねてハッとする瞬間があります。絵本作家のPEIACO(ぺいあこ)夫妻にも覚えがあるそう。ふたりの飼う「ししゃも」と「ジャコ」との出会い。そして、まったく違う個性を持った猫たちから教わったことを聞きました。

猫が教えてくれること「個性の内の世界」/絵本作家・PEIACO(ぺいあこ)の場合vol.2

遠ざけてきた動物との関わり

絵本作家・PEIACO(ぺいあこ)の愛猫2

小さなお顔に黒目がちの大きな目が愛らしいキジトラの「ししゃも」(メス・5歳)。額のハチワレから落っこちて来たような鼻の三角模様がユニークなシロクロの「ジャコ」(オス・3歳)。抱き合って眠るほど仲のいい2匹の飼い主は、絵本作家・PEIACO(ぺいあこ)として活動されている、ご夫婦のぺいさんとあこさんです。

あこさんは、元・動物看護士。結婚前、まだご実家にいた頃には、猫の里親ボランティアに参加し、預かった猫は11匹。ご実家で飼われていた猫は5匹もいたそう。一方のぺいさんは、5年前、「ししゃも」と出会うまで、動物との関わりを避けてきたと言います。

「ペットには責任が伴うからと言われて育ったこともあり、動物を飼った経験もなければ、その経験がないことで、動物とどう接すればいいのかわからなくて避けてきました。まさか自分が猫を2匹も飼うことになるとは…」(ぺいさん)

「私は私で、ボランティアをしていた頃に里親として引き取り、実家に残してきた猫たちがいる手前、積極的に新しい猫を飼おうとは思えなくて。でも、もしまた飼うことがあるとすれば、それは『出会っちゃった時』だと決めていました」(あこさん)

台風前夜に聞えてきた子猫の鳴き声

絵本作家・PEIACO(ぺいあこ)の愛猫3

「ししゃも」と「ジャコ」との出会いは突然だったそう。

「台風が迫っていた夏の夜、ふたりで夕飯を食べていたら、家の外で子猫の声がしたんです。『(声が)近いね』なんて言いながら食事を済ませて寝たんですけど、子猫の声がどんどん近づいて来ているような気がして…。台風のこともあったし心配になって、『やっぱりちょっと見てくる』と起き上がったら、あこが『もう家に入れたよ』って(笑)。どうりで声が近いわけだって納得しました」(ぺいさん)

「裏庭で発見した『ししゃも』は、生後1ヵ月くらい。痩せていたけど、そこまで衰弱した様子はなかったので、翌朝、病院に連れて行くことにしました。ししゃもを見つけた瞬間、『出会っちゃった』と思ったのですが、ぺいの動物の命に対する責任感からくる怖さも理解していたので、すぐに飼おうとは言いませんでした。かといって、病院に連れて行った後も真剣に里親を探すこともせず…(笑)」(あこさん)

「あこの作戦にまんまと乗せられました」(ぺいさん)

「出会えたらいいのに…」から1週間後の奇跡

絵本作家・PEIACO(ぺいあこ)の愛猫4

「『ししゃも』と暮らし始めて2年後、雨の日に側溝にはまって動けなくなっていた生後1ヵ月の『ジャコ』を見つけたのは僕です。寂しがり屋の『ししゃも』に相棒がいたら…なんて話していた、すぐ後の出来事でした」(ぺいさん)

「先住の猫と上手くいかないことが原因で、里子に出されるケースを見てきたので、2匹目に積極的だったわけではないんです。ただ、『ししゃも』がとても寂しがり屋で、私たちが揃って出かけると、帰ってくるまで玄関で鳴き続けるほどで…。

少し神経質で仕切りたがりの『ししゃも』と合いそうな、のん気で大らかな男の子がいたら『ししゃも』も寂しくないのかもしれないなって。そんな話をしていた1週間後、出先のぺいから電話があって『子猫を見つけた』と聞いた時は、本当に驚きました。実際、成長した『ジャコ』は、あの時、私たちが話していた通りの、のん気で大らかな猫でした」(あこさん)

慣らしの隔離期間を経て、初めて対面した2匹は、それぞれに不器用ながらも遊ぼうとする素振りを見せたそう。そして、今では抱き合って眠るほどに仲良しに。おかげで「ししゃも」もお留守番が怖くなくなったようです。

生きる楽しさを何百倍にも増やした教え

絵本作家・PEIACO(ぺいあこ)の愛猫5

小さな体に宿る命の尊さを思うあまり、その存在を遠ざけて来たぺいさんが、「ししゃも」と「ジャコ」という性格の全く違う猫たちと暮らし、教わったのは「個性の内側に大きく広がる世界」でした。

「猫もそれぞれに全然性格が違うじゃないですか。当たり前のことだし、頭ではわかっていたつもりなんですけど、『ししゃも』と暮らし始め、更に『ジャコ』が来たことで、そのことが心に染み入るようにわかって。

猫だけの話ではなく、庭に遊びに来る鳥の一羽一羽にも、虫の一匹一匹にも、葉っぱの一枚一枚にだって個性があり、それぞれの中に大きく広がる世界がある。そんな当たり前のことが頭ではなく、魂で理解できるようになったら、目にするもの、触れるもの、すべてが愛しくて尊くて、ただ生きているだけで楽しいことが増えました」(ぺいさん)

ぺいさんが猫から教わったのは、まるで顕微鏡をのぞいた時のような驚きと世界の広がり。人種・性別・年齢など、ありとあらゆる属性を取り払い、目の前の命が抱える個性を「顕微鏡の目」で見ることができたら、この世はもっと優しく、平和になるのかもしれません。さて、次回は、あこさんの人生に大きな影響を与えた「さちこ」という猫のお話です。お楽しみに!

Photo/筒井聖子

この記事を書いた人

宇佐見明日香 編集者・ライター。女性の「生き方」「暮らし方」などライフスタイルにまつわるインタビューを中心に、企業人や起業家のインタビューを得意とする。“しつもんは愛だ”を...

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