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新たな文化を発信する表参道の交流拠点。築60年の建物を再生したミナガワビレッジがオープン

表参道にある築60年の建物を再生し、カフェでもシェアオフィスでもない、新たな文化を発信する交流拠点の「ミナガワビレッジ」がオープンしました。その再生を手がけた再生建築研究所代表の神本さんにお話を伺いました。

新たな文化を発信する表参道の交流拠点。築60年の建物を再生したミナガワビレッジがオープン

表参道で再生プロジェクトが始動

築60年の建物を再生したミナガワビレッジの外観2photo:Kenta Hasegawa

表参道駅から徒歩3分、表参道ヒルズ裏手の閑静な住宅街にある「ミナガワビレッジ」。今年9月に「変わり続ける場所」をコンセプトに、新たな文化を発信する交流拠点としてオープンしました。
敷地の真ん中にキンモクセイやヤマツツジといった樹木や築山を配した中庭がある、築60年の木造建物4棟を再生。共用ラウンジおよびキッチンを中心に、住居兼オフィス(SOHO)・カフェ・会員制のコワーキングスペース・ギャラリースペースで構成された施設です。そのミナガワビレッジを再生させたのは、再生建築研究所。ミナガワビレッジに本社機能を移し、家守として運営をサポートしています。

60年前に建物を新築した後、増改築などを繰り返し、4棟の建物とになってアパートや下宿といったさまざまな用途で変遷してきたミナガワビレッジ。空き家となり、今後の活用についてが検討されていた中で選んだのは、新しく建て替えるのではなく、再生建築という方法でした。

空間の垣根をとっぱらった新たな流れ

築60年の建物を再生したミナガワビレッジの内部1photo:Kenta Hasegawa

「現在のミナガワビレッジは、もともと60年前は皆川さんという方のご自宅でした。それが皆川荘という下宿になって、ミナガワビレッジという名前のアパートになりました。つまり、ミナガワビレッジは私たちが付けた名前ではないんです。それまでは、手塚治虫など漫画界の多くの巨匠が居住していた木造アパートのトキワ荘のようなかたちで、週末には住民の皆さんでバーベーキューを楽しむような空間だったのです。ところが時代とともに、建物が空き家になり、最終的に取り壊そうという話になったところで、私たち再生建築研究所に声がかかり、東急電鉄様の事業コンペで再生のご提案をさせていただき、生まれ変わらせようということになったのです」。そう話すのは、再生建築研究所代表の神本豊秋さん。

築60年の建物を再生したミナガワビレッジの内部2photo:Kenta Hasegawa

「ミナガワビレッジ全体の8割くらいは60年前のものです。私たち再生建築研究所は、新築でも既存でも『建物の価値を上げることをテーマに』しています。今回は、60年前から現在までの建物の生い立ちや構造など、この古い建築だからこそ持つ価値を大切にし、現在に活かせる部分を最大限引き出しすことを心がけて再生しました。
その一つが余計な壁がないことです。今の建築基準法ではそういう空間を作りづらいんです。なぜなら、テナントとテナントの間に壁を作る必要があり、法律上の規則では共同住宅や物販店舗は、全部仕切りをつけなければなりません。壁を取り除くことができたのは、既存の建物を使ったからこそ。壁がないことによって、隣のテナントの人と自然に会話が生まれる。人のネットワークというのが作為的なものではなく、自然に生まれるような空間になっているんです」

ミナガワビレッジから新しいカルチャーを

築60年の建物を再生したミナガワビレッジ内にあるカフェ

ミナガワビレッジには、北海道産の原材料にこだわったハンドメイドのドーナツを提供する「HIGUMA Doughnuts(ヒグマドーナッツ)」と、挽きたてのコーヒーが味わえる「Coffee Wrights(コーヒーライツ)」の共同店舗「HIGUMA Doughnuts × Coffee Wrights」を併設。店内で揚げたてのドーナツとコーヒーが楽しめます。
さらに、4つの住居兼オフィスには、アートプロデューサーの生駒芳子氏のショールーム「HIRUME」やアトリエ系工務店のルーヴィスといった個性的で多様な業種のクリエイターが入居。誰もが中庭を通って、自由に行き来ができるようになっています。

変化し続けていく場所であること

築60年の建物を再生したミナガワビレッジの夜の外観photo:Kenta Hasegawa

「今後、ミナガワビレッジは、ただの箱ではなく、関わっていくすべての人たちで変化し続けていく場所にしていけたらいいですね。だからこそ、私たちだけではなく、皆さんでミナガワビレッジの使い方をどんどん提案して欲しいです」と神本さん。
20年、30年後にはミナガワビレッジでワークショップをしていた人が世界で活躍していて欲しいと、嬉しそうに語ってくれました。

運営スタッフの中田幸佳さんは「もちろんカフェだけでも気軽に楽しめますが、中庭や共有スペースのラウンジ・ギャラリースペース・キッチンといった共用部は、入居するクリエイターだけではなく、会員となることでワークショップや個展を開催することもできます。まずは一度、実際にミナガワビレッジを見学いただいて、この場所でどのようなことができるかご相談いただけたら」と話します。この場所を原点に、同じ思いを共有する人たちが交わり、つながっていくことで、ミナガワビレッジの進化は続きます。

photo / ミナガワビレッジ

photo

ミナガワビレッジ
東京都渋谷区神宮前4-9-13
(表参道駅から徒歩3分、原宿駅から徒歩11分)
03-6804-3784

HIGUMA Doughnuts × Coffee Wrights
東京都渋谷区神宮前4-9-13
ミナガワビレッジ#5
03-6804-3163
時間:11:00〜18:00
定休日:水曜

http://minagawa-v.com/

この記事を書いた人

渡邊 孝明 エディター&ライター/関心と取材のテーマは、旅と北海道とものづくりとライフスタイルとアートと歴史とまちと乗りものと温泉と麺類と。だいたいのファクターは、旅の...

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※掲載内容は記事公開時点のものです。最新情報は、各企業・店舗等へお問い合わせください。
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