ふわふわと揺れるカスミソウのよう。「fua accessory」のアクセサリー

福岡市の別府にアトリエを構える「fua accessory（フウア アクセサリー）」。糸を“時”に例えた繊細な作品が特徴で、そのどれもがミシン糸やシルク糸のような極細の糸を編み、ひとつひとつ丁寧に作り上げられています。

独学で編み物を学び、作家活動を始めた「fua accessory」デザイナーの木村久美子さん。“誰かに喜んでもらえる事が嬉しい”という強い思いが、趣味であったモノづくりを作家という形で続けるきっかけになったのだそう。

ブランドの特徴ともいえる極細の糸に細かなビーズが編み込まれた作品たちは、１mmにも満たないような信じられないほど細い糸を使って作り出されています。細かいがゆえに編み上げるまでにとても苦労するそうですが、出来上がった時の儚く繊細な姿にはため息モノです。

「fua accessory」の作品を見ていると身につける人を思い浮かべ、人に寄り添うモノづくりへの想いを感じます。金属アレルギーの方にもアクセサリーを身につけられるようにと金属をほとんど使う事なく、留め具などのパーツも糸を編み上げて作られています。金属のアクセサリーに負けない程素敵な輝きを糸やパールなどで表現していて、どんな人でも気兼ねなく楽しめる工夫に感動しました。

パッと顔周りを華やかにしてくれるピアスやイヤリングなどのイヤーアクセサリー。ビーズやパールを組み合わせたボリューミーなデザインが素敵です。大きめのモチーフでも決して派手になりすぎず、どこから見ても美しいです。そして、しっとりと落ち着いた上品な輝きがとっても魅力的。

「fua accessory」の特徴的な作品「露草の冠」シリーズ。他の作品で使用しているビーズの半分のサイズのものを使っているとのこと。他作品のビーズでも十分小さいのに、こちらはさらに繊細な技術が必要となる素材です。工数もぐっと増えて大変なのだそうですが、仕上がりの美しさに叶うものはないのだそう。まるでカスミソウを身にまとっているような可憐なデザインは唯一無二のものですね。

こちらはニットで編み上げたフレームにパールを敷き詰めたリング。自然に生み出された不揃いの形のパールが穏やかに輝きます。「fua accessory」では様々なモチーフをリングにしたり、ブローチやピアスなどにアレンジして展開されています。同じモチーフでも違った表情を楽しめるのが素敵です。

極細のシルク糸を編み上げたアクセサリー。遠目で見たらまるで本物の植物のよう。私も編み物が好きで趣味で楽しむ事はありますが、見れば見るほど細かな網目に興味津々です。職人技としか言えないような根気のいる作業の様子が垣間見えてきます。

真ん中でオーロラに輝くのは黒蝶貝という貝殻。なかなか手に入らない貴重なものなのだそう。ゴールドの糸とビーズで編み込まれたフレームにより、更にシックなイメージに仕上がっています。お気に入りの洋服にひとつ飾るだけでもとても素敵ですよね。

これからの時期だとこんな風にハットに飾ってもすごく素敵です。こちらは元々はネックレスで、そこにピンを通してブローチにアレンジしたもの。カスミソウをふわっと飾ったようなボリューム感とシルバーゴールドの色味が本当に上品です。

「fua accessory」のアイテムで定番として展開されているシルバーゴールドの色味は、そのシックで上品な雰囲気が、大人の方によく似合う色なのだそう。もちろん、どの世代でも楽しめるアクセサリーなので自分が愛用した後は、例えば自分の子供や大切な人に受け継いで、ずっと大切にしたいと思えるアイテムばかりです。

ハンドメイドならではのこだわりとぬくもりが詰まった「fua accessory」。現在はアトリエでの販売はお休み中で、展示会でのオーダーのみ受け付けているそうです。気になられた方は展示会の期間に、ぜひ実物を見に訪れてみてはいかがでしょうか。