専門的な知識やスキルがなくてもOK。自分のペースではじめる「アトリエ シンプリン」の帽子作り

「帽子を作ってみたいと思っても、意外と学べる場所が少ないみたいで、遠くは九州や沖縄など各地から通っていただいています。ほかの用事と合わせて上京した時に来ていただいている方もいらっしゃるので、気軽に来ていただけたら」
そう話す岡部さんは、自宅のアトリエを教室にして、一回のレッスンを4人ほどの少数で手作り帽子教室を開催しています。

経験がなくても自分のペースで気軽に学べるとあって、各地から生徒さんが通っているそうですが、本当に初心者でも作れるものなのでしょうか？
「初めての方で気軽に帽子作りを楽しんでみたいという方は、あらかじめ型紙や生地をご用意したレッスンがおすすめです。必要な道具は教室にありますので、手ぶらで大丈夫ですよ。初めての方は、帽子に適した生地を選ぶというのが難しいものなんです。そのため、教室であらかじめご用意した生地からお好みのものを選んでいただきます。また、自分でデザインした帽子を一から作りたいという方のために、帽子の型紙から作るコースがあります。こちらは月一回のペースで6ヵ月間学ぶレッスンになっています」と岡部さん。生徒さんの作りたい帽子やスキルに応じてレッスンを開催していることが、手作り帽子教室＆アトリエ シンプリンの魅力の一つになっているようです。

本格的に教室を始めたのは2009年のこと。
「最初、ファッションの一つとして帽子をかぶるのが好きで、既製品の帽子ではなく、自分で作れるようになったらもっと楽しいだろうなと思い、帽子教室に通うようになりました。その頃は自宅にミシンもない状況だったんですよ（笑）。あくまでも習い事の一つとして学ぶつもりでしたが、初めて通った教室が本格的で。パターンを習うことから始まり、作家として作った帽子をお店に置いていただくまでになりました。
いまは作家として帽子を作るよりも、教える方の楽しさがあります。帽子作りの楽しさであったり、知識や技術を人に伝えて、学ぶ方にも喜んでもらえることが嬉しくて」それまでは帽子作家として活動していたそうですが、今では教室を通して、生徒さんと一緒に形にしたい帽子のデザインを作り上げていくことに喜びを感じているそう。

「ただおしゃれなだけではなく、大人の女性をイメージして、帽子のラインが柔らかく、曲線ができるだけ丸くソフトな印象になることを大切にしています。それと、かぶると軽いことは重要ですね。実用性を兼ね備えた美しさを大事にしています。帽子を長時間かぶっていると、少しの重さが頭の負担になります。素材選びでは、すてきな素材であっても、その点を心がけて作るようにしています。また季節に応じて、夏は布よりも麦わらなどのムレにくい素材を選んだり、外出の機会が多い季節には旅行など持ち運びにも便利な折りたためる素材の帽子が良いと思います」

深くしっかりかぶるとエレガントな雰囲気に、逆に浅くかぶるとカジュアルな印象になったり、 帽子やその方の好みや雰囲気に合わせてみることも大切なのだとか。小柄な方はつばが大き過ぎないものがバランスが良かったり、生地によっても印象は変わるそう。
また、帽子には毎年流行がありますが、生徒さんそれぞれの雰囲気に合ったもので、流行に流されないものを作れることが自分で帽子作りを行うことの醍醐味かもしれません。手作り帽子教室＆アトリエ シンプリンでは、月一回ブログやホームページでレッスンの予定を告知しているので、チェックしてさっそく帽子作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。