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猫が教えてくれること「伝える努力」/イラストレーター・ユカワアツコさんの場合vol.1

猫の猫らしい行動に、自分の生き方を重ねてハッとする瞬間があります。イラストレーターのユカワアツコさんも、その一人。飼い猫のハチ(オス・5歳)は、どうにか自分の気持ちをユカワさんに伝えようと、手を変え品を変え、工夫を凝らして伝える努力をするそうです。

猫が教えてくれること「伝える努力」/イラストレーター・ユカワアツコさんの場合vol.1

うちに来たいと名乗り出てくれたハチ

イラストレーター・ユカワアツコさんと愛猫ハチ(オス・5歳)

ハチ(オス・5歳)の飼い主は、鳥のイラストや鳥が飛び出すカードなどの小物を制作を行うイラストレーター・ユカワアツコさん。5年前、友人から電話で「引っ越したって聞いたけど、猫飼わない?」と言われ、友人宅を訪ねると、生まれて間もない子猫が4匹、半年前に生まれた猫が3匹。合計7匹の猫がいたと言います。

「猫を飼うのは初めてのことでした。映像などで目にする分、宇宙人の方がまだ身近に感じるほど、当時の私にとって猫は遠い存在だったんです。だから、何頭もの子猫を前に、どこを見て、何を基準に、連れて帰る子を選べばいいのかまったくわからなくて…。
そこで、『うちに来たい人?』と声に出して子猫たちに尋ねてみました。すると、チョコチョコと歩み出て、私の目の前にチョコンと座り、見上げる子猫がいました。奇跡みたいに名乗り出てくれて、連れ帰ったのがハチです」

イラストレーター・ユカワアツコさんの愛猫ハチ(オス・5歳)

ハチと名付けたのは、小さな体の首のあたりに「八(はち)」という漢数字の模様があったから。

「首のところにあった『八』という模様はもう消えちゃったんですけど、最近、右の体側に『のり』という文字が浮かび上がって来てたんです。わかります?まるで偉い書道家が書いた筆文字みたいでしょ?のりメーカーのコマーシャルに起用されないかな(笑)?
でね、きっとこれは、ハチからのメッセージだと思って、一度、のりをあげてみたんです。そしたら『はぁ?』という態度で一蹴されちゃいました。まったく違った(笑)」

鳴いてダメなら、まぶたを持ち上げて起こす

イラストレーター・ユカワアツコさんの愛猫ハチ(オス・5歳)

もしハチが話せるようになったら、その第一声は「前から思ってたんだけど、言ってもいいかな?」ではないかとユカワさんは笑いながら話します。ハチの伝えたいことが、ユカワさんに伝わらないもどかしさ、ユカワさんの見当違いな解釈を抗議される気がするのだそう。

「あんまりにも飼い主に話が通じないから、ハチは工夫を凝らして伝えようとするんです。たとえば朝、エサが欲しいから鳴きますよね。それでも私が起きないと、枕元に座って、私のまぶたを上に引っ張って、目を開けようとするんです。右目でダメなら左目も。まぶたが開けば起きるとわかっているんでしょうね。エサ担当でない主人にはしないんですよ」

イラストレーター・ユカワアツコさんと愛猫ハチ(オス・5歳)

鳴いてダメなら…とハチは様々な伝え方に挑戦します。エサが欲しい時は、エサの入っている引き出しの一番下の段を爪でカリカリと掻く。1階にユカワさんがいる時に、2階で吐いてしまったら(猫はよく吐く生きものです)、1階へ下りて行って、ティッシュの箱を棚から落とし、その箱を頭で押してユカワさんに近づける。

「ハチが吐くたびに、私が慌ててティッシュを持ってくるのを見ていたんでしょうね。初めは何を訴えようとしているのかわからなかったけど、いつもしないことをしたので、きっと何事かを伝えたいのだろうと家中をくまなく捜索してみると、2階に粗相がしてありました。『これか!これを伝えてくれたのね!』って、感心しちゃいました。
ハチは『ここまでしたらさすがに分かるでしょ?』というくらいの工夫を凝らして、コミュニケーションを図ろうとします。伝えたいことが伝わった時の喜びが、ハチにあるのかどうかはわかりませんが、一度試して成功した伝え方は覚えていて、その後もやり続けるんです」

伝えたいことを伝える工夫

イラストレーター・ユカワアツコさんの愛猫ハチ(オス・5歳)の横顔

家で仕事をするユカワさん。制作が立て込んでいる時は、ハチの構ってという鳴き声に反応できないこともあります。

「あまりにも構わないでいると、普段は乗ると怒られるから決して乗らない食卓にあえて乗って、仁王立ちになって、すごい眼力で鳴くんです。まるで『乗っちゃいけない所に乗っちゃってるけど、いいんですか?それでも怒らないってわけ?構ってくれないわけ?』とでも言っているみたいに(笑)。そうなったらもう作業は中断。『ごめんごめん』と抱き上げて、気が済むまで撫でます。ハチの勝ちです」

伝えたいことがきちんと相手に伝わった時の喜びは、猫も人も同じかもしれません。人同士も言葉に甘えないで、相手に伝わるまで工夫して伝える努力を怠ってはいけないということをハチに教わったような気がします。
さて、次回はハチを飼うことによってユカワさんに芽生えた自信のお話です。お楽しみに!

筒井聖子

イラストレーター・ユカワアツコ

https://calico29.wixsite.com/yukawa-atsuko

この記事を書いた人

宇佐見明日香 編集者・ライター。女性の「生き方」「暮らし方」などライフスタイルにまつわるインタビューを中心に、企業人や起業家のインタビューを得意とする。“しつもんは愛だ”を...

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