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もし愛する人を突然の悲劇で失ったら…?全世界が抱える問題に向き合う『女は二度決断する』

4月14日(土)より世界三大国際映画祭全てで主要賞受賞経験を持つカリスマ監督、ファティ・アキンによる手に汗握る最新作『女は二度決断する』が公開されます。後を絶たないテロや無差別殺人事件…もし、自分が被害者になったら?そんな問題に向き合う本作品をご紹介します。

もし愛する人を突然の悲劇で失ったら…?全世界が抱える問題に向き合う『女は二度決断する』

無関心ではいられない被害者のビジョン

映画『女は二度決断する』のワンシーン

もしも、自分の愛する人や家族に突然の悲劇が起きたら…あなたはどうしますか?
この記事を読んでいただいている間にも、世界各国でテロや無差別殺人事件が起きています。4月14日(土)に公開される映画『女は二度決断する』は突然の悲劇で最愛の家族を失った女性の物語です。遺された者の視点でストーリーが展開され、生きる気力を失うほどの悲痛な感情から最後まで目が離せません。

本作品は世界三大国際映画祭全てで主要賞受賞経験を持つカリスマ監督、ファティ・アキンにより、ドイツで実際に起こった連続テロ事件に着想を得て制作されました。第75回ゴールデングローブ賞で外国語映画賞を、第70回カンヌ国際映画祭では主演女優賞を受賞した、この春の注目作です。

砕かれた愛、癒えぬ悲しみ。観る人の心を揺さぶるストーリー

本作の舞台は、ドイツ、ハンブルク。主人公カティヤはトルコからの移民であるヌーリと結婚。ヌーリは麻薬の売買をしていましたが、足を洗って真面目に働き、息子も生まれて幸せな家庭を築いていました。

ある日、ヌーリの事務所の前で白昼に爆弾が炸裂し、ヌーリと愛息ロッコが犠牲になってしまいます。トルコ人同士の抗争を警察は疑いますが、移民街を狙った人種差別主義者のドイツ人によるテロであることが判明。証拠不十分、アリバイ、目撃証言無効…身を抉られるような裁判にカティヤの心の傷は深まっていきます。突然愛する家族を奪われた悲劇に生きる気力を失いそうになりながらも、ある決断を下すのでしたー。

主人公を熱演する、ダイアン・クルーガー

映画『女は二度決断する』の主人公、ダイアン・クルーガー

主人公カティヤを演じたのは、ワールドワイドに活躍する女優ダイアン・クルーガー。
1976年7月15日、ドイツに生まれ、英国ロイヤル・バレエ団でバレリーナを目指しますが、怪我のために断念。その後、パリでモデルとして成功を収める傍らで、有名な俳優学校ル・クールフローランで演技を学び、『ザ・ターゲット』でスクリーンデビューを飾ります。

その後、2003年、第56回カンヌ国際映画祭で将来有望な俳優や女優に贈られるショパール・トロフィーを受賞、翌年ブラッド・ピット主演の歴史スペクタクル『トロイ』で王妃ヘレン役に抜擢され、国際的にブレイクを果たします。その後も数多くの作品に出演し、ハリウッドのみならずヨーロッパを含め、インターナショナルに活躍しています。本作『女は二度決断する』では、彼女の母国語であるドイツ語での演技を初披露し、英語やフランス語の演技とは一味違う、悲しみや怒りがじわじわ迫ってくる自然体の演技から、第70回カンヌ国際映画祭主演女優賞受賞を果たしました。

多文化との共生を目指す

映画『女は二度決断する』ダイアン・クルーガーのワンシーン

本作で描かれているストーリーは他人事ではありません。
ダイアン・クルーガーが主演女優賞を受賞したカンヌ国際映画祭中にも、イギリスで起きたアリアナ・グランデのコンサート会場爆破テロが発生しました。その他にも、ラスベガスでの銃乱射事件や中東・アメリカを中心に、数々のテロや無差別殺傷事件などが世界各地で起きており、過去には日本でも無差別殺傷事件が起きています。
それは移民・難民などの民族的な問題を超えて、不寛容な社会がもたらしていると言っても過言ではありません。現在移民を受け入れているドイツのみならず、全世界が抱える問題ではないでしょうか。
最愛の家族を失うということを通して、引き起こされたテロや無差別殺傷事件、さらには不寛容な社会について考えさせられます。多文化を受け入れて共生を目指すキッカケを与えてくれる本作品を是非劇場でご覧になってください。

photo / ©2017 bombero international GmbH & Co. KG, Macassar Productions, Pathé Production,corazón international GmbH & Co. KG,Warner Bros. Entertainment GmbH

『女は二度決断する』

4月14日、全国ロードショー
監督・脚本:ファティ・アキン
出演:ダイアン・クルーガー、デニス・モシット、ヨハネス・クリシュ、ウルリッヒ・トゥクール、ヌーマン・アチャル
配給:ビターズ・エンド
原題:Aus dew Nichts

http://www.bitters.co.jp/ketsudan/

この記事を書いた人

新 麻記子 大阪出身、横浜在住。作詞の仕事をベースに置きながら、WEBサイト運営、編集、ライターを経て、フリーランスに転身。ライフスタイルを豊かにする"文化の向上"を掲げ、ア...

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