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「私、安定を捨てて、好きなことを仕事にしました」フードクリエイター・松島由恵さんの場合

「年齢的にも経済的にも、今の会社を辞めて、好きなことを仕事にするなんてムリ」。本当にそうでしょうか?夢見る少女時代を経て、夢を語れない大人になった今だから、夢を夢のままに終わらなくて済む。そんなことを体現した女性に聞きました。フードクリエイターの松島由恵さんは元建築士。会社を辞めたのは36歳のときです。

「私、安定を捨てて、好きなことを仕事にしました」フードクリエイター・松島由恵さんの場合

今さら生活レベルを下げるのはキツい

フードクリエイター松島由恵さんが作ったお料理の数々

女性誌へのレシピ提供、広告撮影でのフードスタイリングに加え、Webでレシピの連載もスタートしたフードクリエイター・松島由恵さん。松島さんはつい2年程前まで住宅メーカーで建築士として働いていました。

十数年勤めた会社を辞めたのは36歳のとき。それまでは飲食店で働いた経験もなく、料理の専門学校どころか料理教室にさえ通ったことがなかった松島さんが、建築士の職を捨ててまで、未開の地へ踏み出したきっかけは何だったのでしょう。

フードクリエイター松島由恵さんの料理をする手元

「残業で深夜帰宅したときほど手の込んだものが作りたくなって、自分で食べるためだけにビーフシチューを煮込んだことも(笑)。でも、仕事は仕事、趣味は趣味と割り切っていたから、趣味の料理を仕事にしようなんて考えたこともなかったんです。

ところが、いろいろあって会社を辞めたいと思った時に、友人が服の展示会のケータリングを頼みたいと言ってくれて。すると、マスコミに勤める友人もやるなら頼むよって。そこで初めて、料理家という道があり得るかもしれないと思いました。

でも、毎月のお給料がなくなるわけで、フリーランスで食べていけるかもわからない。かといって、この歳になって生活レベルを下げるのは正直キツい…。だから、辞めた会社から業務委託で仕事をもらいつつ、昼はケータリング、夜はフレンチビストロでバイトをすることに。三足のわらじを履くことで、金銭的な不安を感じることもなく、初めてのことに挑戦して、学びながらやってこられました。充実した1年間でした」

バイトでさえ雇ってもらえない!?

フードクリエイター松島由恵さんが料理をつくるところ

松島さんの作る料理は、おいしくて美しい。建築士として培った審美眼なのか、手早いのに絵になる盛り付けは、ますます食欲をそそる。料理家としての仕事が軌道に乗った今、惜しまずにやってよかったことを聞いてみました。

「経済的な不安を置いて、おいしいものを食べに行き続けたこと。和洋中ジャンルを問わず、腕利きの料理人がいるお店をたくさん巡りました。あとやっぱりバイトかな。厨房にこそ立たせてもらえなかったけど、ミシュランに載る有名店で腕を磨いたシェフが出店したビストロで、直接シェフから『この焼き加減を出すためには、何度のオーブンで何分』と教わることができたり、ソムリエからワインを教えてもらったり。

でも、その店で雇ってもらうまで、他の店に散々落とされたんです。飲食未経験の30代後半っていうだけで電話の段階で断られる…。私、バイトもできないの!?って(笑)。それでもめげずに本物のプロがいる店に、電話をかけ続けたかいがありました」

今だから最短距離でゴールを目指せる

フードクリエイター松島由恵さんが料理をつくるところ

「想像していたよりもフードクリエイターの朝は早かったし、買い出しの荷物が重くて腕がパンパンになったり、忙しさに波があることにはまだ慣れないけど、会社を辞めて後悔していることがあるとしたら、通勤がなくなって、あまり本を読まなくなったことくらい。

かといって、もっと早くこの仕事に就けばよかったとも思っていないんです。30代後半なりの人生経験や社会人経験があるから、夢ではなく現実的なゴールが描けたのだし、ゴールに向かうまでに自分がすべきこと、しなくてもいいことがわかるから遠回りせずに済む。仕事を誠実に楽しんで、自分の思う“上”しか見ないでやっていきます。

よく『好きなことを仕事にすると、嫌いになっちゃいそうで怖い』と言う人もいるけど、その程度の好きなら仕事にしない方がいい。嫌いになるなんて想像もつかない、かつ現実的なゴールを描ける好きなことなら、何歳からでも、本職を蹴ってでも、やる価値があると思います」

photo / 工藤朋子

この記事を書いた人

宇佐見明日香 編集者・ライター。女性の「生き方」「暮らし方」などライフスタイルにまつわるインタビューを中心に、企業人や起業家のインタビューを得意とする。“しつもんは愛だ”を...

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