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どこにも載っていない料理家のしあわせレシピvol.3 家でこっそり食べている「絶品ズボラ飯」

『おいしい』と『しあわせ』はよく似ています。『おいしい』を追求し続ける料理家たちは、同時に『しあわせ』の追求者。というわけで連載最終回は、「okatte sun!」こと料理愛好家の小嶋令子さんが家でこっそり食べている「絶品ズボラ飯」から、「しあわせって何だ?」に迫ります。

どこにも載っていない料理家のしあわせレシピvol.3 家でこっそり食べている「絶品ズボラ飯」

原点となった土地・人への恩返し

okattesunこと小嶋令子さん

「okatte sun!」こと小嶋令子さんは、埼玉県川口市にあるsenkiyaというカフェで、週2、3回ランチを担当する料理愛好家。「見てハッと、食べてハッと。“ダブルハッと”を目指しているんです」と朗らかに笑う彼女のランチは、パレットのように鮮やかで美しく、それぞれがしみじみとおいしい。
連載最終回は、彼女が家でこっそり食べている「絶品ズボラ飯」から、『しあわせ』とは何かを考えていきます。すぐ真似できる簡単レシピも必見!読んで・作って・食べて、ほんのりしあわせになってもらえたら嬉しいです。

具だくさんの粕汁

「今日、粕汁を作るのに使った大きな鍋は、地元の佐渡島で買ったものなんです。田舎って親戚の集まりが多いから、こういう大きい鍋が普通に売ってるんですよ。佐渡島の実家には月1くらいで帰っています。大きい鍋とか大きいしゃもじが大好きだから調理器具を見たり、実家で母のごはんを食べたり、両親が家で仕込んでいる味噌を分けてもらったり。そんな中、昨年の11月には初めて、料理愛好家「okatte sun!」として帰省しました。佐渡島相川地区のイベントに招かれて飲食店ブースに出店したんです。
地元の人たちに喜んでもらえて、両親にも初めて仕事姿を見せることができて、なんか恩返しというか…佐渡島の味、家庭の味で「okatte sun!」をやらせてもらってるから初めて恩返しできたように感じました」

「絶品ズボラ飯」は『納豆フェスティバル』

okattesunのズボラ飯「納豆フェスティバル」

「出店した地元のイベントは、他の土地から佐渡島へ移住してきた方たちが中心となってやったイベントだったんです。だから、出店をきっかけに移住者の方たちと知り合って仲良くなって。佐渡島という土地に魅せられて移住してきた人たちばかりだから、彼らの視点は、地元民の私にとってすごく新鮮なんです。ドライブに連れて行ってもらって『ここから見る景色が最高なんだよ』って逆に教わったりすることも。当たり前と思っていた景色も視点が変わるだけで、全然違う景色に見えるんです。帰る度に彼らに会うと、必ず新しい発見があります。
我が家の定番になった絶品ズボラ飯も、ニューヨークから佐渡島へ移住して25年のパン屋さんに教わりました。『納豆フェスティバル』っていう名前の料理なんですけどね(笑)。納豆に家にある食材をなんでもかんでも入れちゃうっていう。
納豆料理をまさか外国の方に教わるなんて思ってもみなかったけど、実際に食べてみると、それまで納豆を納豆としてしか食べていなかった自分が恥ずかしくなりました」

歌って作ってアレもコレも入れちゃおう♪

okattesunのズボラ飯「納豆フェスティバル」

「『納豆フェスティバル』に欠かせないのは、焼きじゃけ・しらす・たらこ。他はもう何でもいいんです。冷蔵庫のお掃除のつもりで何でも入れちゃいましょう。ポイントは『納豆フェスティバ~ル♪フェスティバ~ル♪』と歌いながら作ること。これを教えてくれたニューヨーカーの彼がそうしてたので真似しています。
ちゃんと作る気力がないから『納豆フェスティバル』にしたはずなのに、歌いながら納豆を混ぜ混ぜしているうちに、アレも入れちゃおう、コレも入れちゃおうって、どんどん心が元気になってくるんですよ。ぜひ試してもらいたいな」

okattesunのズボラ飯「納豆フェスティバル」

「しゃけを焼くのは面倒かもしれないけど、納豆にたらこやしらすなど他の食材を混ぜている間に焼けるし、その匂いで食欲が更に刺激されます。あと、しゃけは細かくほぐさずゴロゴロのまま入れると、おかず感が増すのでおすすめです。完成したら白いご飯にどっと盛ってかき込むだけ。今日は暑いので、すだちをトッピングして食べる直前に絞ってからいただきました。ゆずすこやタバスコなどのアクセントを効かせてもおいしいですよ。
これといった食材もないし、キッチンに立つ元気もない。ないない尽くしでもお腹は空くから、あるもので楽しくおいしく満たす。お腹も心も満たされるズボラ飯です」

☆納豆フェスティバルのレシピ(2人前)
・納豆・・・3パック(付属のタレとからしも利用)
・しゃけ・・・1尾(しゃけフレークでも代用可)
・たらこ・・・適宜
・しらす・・・適宜
・アボカド・・・適宜
・小口ネギ・・・適宜
※「コレも入れたらおいしいかも」と思う食材なら何でもOK
 例)揚げ玉/しば漬け/キムチ/季節の薬味

(1)しゃけを魚焼き機で焼く(表7~8分、裏5分程度)
(2)納豆とその他の食材をボウルで混ぜる
(3)しゃけをほぐして(2)に混ぜたら完成
※味見をして足りなければ、出汁醤油や醤油、柚子胡椒などで調整

何にもないけど何でもある

okattesun・小嶋令子さんの後ろ姿

小嶋さんが冷蔵庫に切らさないようにしているのは、『納豆フェスティバル』に欠かせない納豆としゃけとしらす。そして、お湯に入れるだけで出汁がとれて、みそ汁が完成するしじみ。あぁ、なんだかお腹が空いてきました。

小嶋さんの「絶品ズボラ飯」が教えてくれる、しあわせになる秘訣は「“ない”を“ある”に変える視点と工夫」でした。メインを張れるような食材がないときも、料理をする元気がないときも、ちょびっとずつある食材や心持ちに目を向けて、それらを総動員してキッチンに立つ。すると心が満ちて、お腹も満たされて…難しいことなんて、ちっともない。本当の豊かさってこういうことなのかもしれません。

photo / 金田幸三

senkiya
埼玉県川口市石神715
料理家:okatte sun!

https://www.instagram.com/okattesun/?hl=ja

この記事を書いた人

宇佐見明日香 編集者・ライター。女性の「生き方」「暮らし方」などライフスタイルにまつわるインタビューを中心に、企業人や起業家のインタビューを得意とする。“しつもんは愛だ”を...

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