フランス映画の名作が集結。『ドゥミとヴァルダ、幸福についての5つの物語』
- 公開:2017.7.21
- アート・カルチャー
ジャック・ドゥミとアニエス・ヴァルダの特集上映『ドゥミとヴァルダ、幸福についての5つの物語』が7月22日(土)より、シアター・イメージフォーラム他全国順次公開いたします。全作品デジタル・リマスター素材で、映像・音楽・物語、今観ても劣ることない名作をご紹介します。
ヌーヴェル・ヴァーグの2大作家、ドゥミとヴァルダ
ジャック・ドゥミは「ラ・ラ・ランド」にも影響を与えた「シェルブールの雨傘」、「ロシュフォールの恋人」などの映画作品を生み出しました。今回は、長編デビュー作にして根強い人気がある『ローラ』と劇場正式初公開の『天使の入江』を上映します。
アニエス・ヴァルダはヌーヴェル・ヴァーグの祖母と言われ、1960年代から活躍した写真家、映画作家です。今回の特集では『5時から7時までのクレオ』、『幸福(しあわせ)』、『ジャック・ドゥミの少年期』も美しくなったリマスター版でスクリーンに甦ります。さらに、『幸福〜しあわせ〜』と同時上映されるファッションブランドMiu Miuのショートフィルムプロジェクト、「女性たちの物語」で15年に製作した瑞々しい短編最新作「LES 3 BOUTONS( 3つのボタン )」にも注目してみてください。21世紀の女性らしさを鋭い視点で称え、ヴァルダ独自の世界観を象徴した作品です。
感性が弾ける珠玉の作品をご紹介
『ローラ』
その奇跡のようなきらめきから、“ヌーヴェル・ヴァーグの真珠”と讃えられる長編デビュー作。大西洋に面した港町ナントで、キャバレーの踊り子をしているローラは、初恋の男性を待ち続けています。訪れては去り、出会ってはすれ違う他愛のない日常も、ドゥミの手にかかれば、甘美で切ないおとぎ話へと羽ばたいてゆきます。やわらかに降り注ぐ光のもと、街角で生きる人々の恋と青春を、溢れる情緒で謳いあげた永遠の名作。
『天使の入江』〈劇場正式初公開〉
パリの銀行。退屈な日常。ハンサムな青年。南仏のリゾート。放蕩。いわくありげなブロンドの美女…。ニースの美しい保養地、通称“天使の入江”のカジノを舞台に、ギャンブルに魅せられた男女の、エレガントでデカダンな夏の逃避行を描く愛のドラマ。二人を繋ぎとめるのは、ルーレット任せの偶然?それとも、愛?ヌーヴェル・ヴァーグのミューズ、ジャンヌ・モローの悪女ぶりは必見。
『ジャック・ドゥミの少年期』
「わたしは残しておきたい。輝くばかりのジャックの少年期と夢見るようなあのまなざしを。」“ジャコ”は友人から映写機を借りたことで、映画に夢中になっていく。ある日、街の映画館に「白雪姫」がやってきた。少年の日の夢だけを信じて貫いたひとりの男が、死を目前にして目の前にいる…。生涯の伴侶であるドゥミの創造の源泉を、最愛の妻ヴァルダがフィルムに焼き付けた優しく切ない名作。
『5時から7時までのクレオ』
もしかして私、ガン?今は5時。医者と会うまでの2時間どうしよう。占い師も恋人も作曲家も、みんな無神経で誰も私のことをわかってくれない…。診断結果が分かる7時までの間、不安と希望を行き来しながら、夏至のパリを彷徨うポップ・シンガー、クレオの心象風景を、リアルタイムで追いかけた、キュートで哲学的なガーリームービーの金字塔。M・ルグラン、ゴダール、A・カリーナがカメオ出演。
『幸福〜しあわせ〜』
「男ってなんてバカなの」「女は、何考えているのかさっぱりわからない」そんな類のテーゼを根本から吹き飛ばす衝撃的な人間ドラマ。圧倒的なストーリーテリングと緩急自在の語り口で、一組の夫婦の皮肉な物語を無邪気にみつめる。人は誰しも幸福を求める生き物、でも、しあわせって一体なに?珠玉の短編小説のような深い余韻を残すヴァルダの代表作。ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞。
ジャック・ドゥミとアニエス・ヴァルダの特集上映『ドゥミとヴァルダ、幸福についての5つの物語』では、ふたりの宝石のような作品の中でも、若く瑞々しい感性が弾ける珠玉の5作品を集めています。
全作品さらに美しくなったデジタル素材で、スクリーンに甦るこの機会をお見逃しなく!
特集上映『ドゥミとヴァルダ、幸福についての5つの物語』
・ローラ
・天使の入江
・ジャック・ドゥミの少年期
・5時から7時までのクレオ
・幸福〜しあわせ〜
7/22(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー