ダイエット中は要注意。ブックライターおすすめの「食にまつわる本」5選
- 公開:2016.3.17
- アート・カルチャー
初めてフカヒレというものを食べさせてくれたのは年上のあの人、失恋した日にお母さんが作ってくれたのはあまじょっぱい肉じゃが…。人には食事の数だけ思い出がある。人の暮らしと切っても切れない「食」をテーマにした物語の中でも、特におすすめの5作品を、ブックライターの海野早登子さんに教えていただきました。
『ごはんぐるり』
西加奈子・著【エッセイ】文春文庫 560円+税
直木賞作家・西加奈子はこんなものを食べてきた! アルバイト先のまかないで初めて作った肉じゃが、子供の頃にカイロで食べた卵かけごはんの記憶ほか、「アメちゃん選び?」は大阪の遺伝子、ひとり寿司に挑戦、夢は男子校寮母…など。食にまつわるキラキラをつづった美味しオカしいエッセイ。
『味の形 迫川尚子インタビュー ferment vol.01』
迫川尚子/ よ・著【インタビュー集】ferment books 800円+税
毎日1500人もの人が訪れる新宿駅の大繁盛店「新宿ベルク」。食べものの味覚を形として記憶できるというベルクの追川副店長に、味を形にするとはどういうことなのか、ベルクの味やメニューのことを聞いた6万字のインタビュー集。追川氏の自由な精神に触発される本。
『マカン・マラン - 二十三時の夜食カフェ』
古内一絵・著【小説】中央公論新社 1500円+税
仕事に疲れた塔子が偶然知ったその店は、深夜だけ開く夜食カフェ。ドラッグクイーンの店主シェールが作る料理は、体にも心にも優しくて…。料理を食べなくなった中学生、隠れ家レストランを探す女性ライターなど、この店にたどり着いた人々とシェールの料理をめぐる連作小説。
『甘々と稲妻』
雨隠ギド・著【コミック】講談社 590円+税
既刊が続々重版し、アニメ化も決定したいま、最も注目を集める食卓ドラマ。妻を亡くした高校教師・犬塚は、幼稚園に通う娘・つむぎの子育てを1人で奮闘中。料理が苦手な彼だが、ひょんなことから教え子の小鳥と一緒にご飯を作って、娘と3人で食べることになって…。亡き母を慕いながら健気にがんばるつむぎと、犬塚にほのかな思いを寄せる小鳥。美味しいごはんと、人間模様も気になるハートフルな物語です。(2016年3月時点で6巻まで刊行中)
『プティトゥ・ペッシュ!』全1巻
葉鳥ビスコ・著【コミック】白泉社 428円+税
偶然知った謎の深夜カフェ「ペッシュ」に通う、ティーン向けファッション誌の編集者・依子。仕事に疲れた自分の心を、まるで読んだかのようなメニューを出してくる店主・桃のことが気になって仕方ないのだが、意外に天然な桃は──!?『桜蘭高校ホスト部』の葉鳥ビスコが、大人の女の友情と元気をもらえるごはんを描いたコミック。
【お話しを聞いた人】
海野早登子
雑誌の本を紹介するページのライターとなって、早20年。
さまざまな本と出会いましたが、好きなのはドキドキハラハラできる冒険小説です。
本やコミックの実写映像化が多いので、最近の趣味は妄想キャスティング。