別世界「海の京都」へ。エメラルドグリーンの海に浮かぶ町・伊根の舟屋に泊まる旅
- 公開:2025.8.22
- 旅行・お出かけ
今年の夏は、海に浮かぶ町へ行きたい。そう思って足を運んだのは、京都府・丹後半島の先端にある「伊根」という小さな港町。いつかの日に雑誌で見てからずっと心に残っていた、日本のベネチアと呼ばれるこの街へ、一泊二日の旅に出かけることにしました。
透き通った海に浮かぶ街「伊根」
京都旅行、と聞くとまず思い浮かぶのは、祇園四条の周辺や嵐山。でも、じつは日本海側には京都の“もうひとつの顔”が広がっています。
今回ご紹介する京都府「伊根(いね)町」は、日本海に面した丹後半島の北東部にある、小さな漁村です。海の京都と呼ばれるこのエリアには、「舟屋(ふなや)」という民家が200軒以上も立ち並び、街全体が海に浮かんでいることから“日本のベネチア”ともいわれています。
今回ご紹介する京都府「伊根(いね)町」は、日本海に面した丹後半島の北東部にある、小さな漁村です。海の京都と呼ばれるこのエリアには、「舟屋(ふなや)」という民家が200軒以上も立ち並び、街全体が海に浮かんでいることから“日本のベネチア”ともいわれています。
舟屋とは、1階が船着場として使われている漁師さん特有の家のこと。下の階がそのまま海に通じていて、船が出入りする光景はまるで絵本や映画の世界のようです。
こうした舟屋のなかには、宿泊施設として利用されているところも多くあります。 今回は舟屋の宿に一泊して、海に近い暮らしをちょっぴり体験してみることにしました。
こうした舟屋のなかには、宿泊施設として利用されているところも多くあります。 今回は舟屋の宿に一泊して、海に近い暮らしをちょっぴり体験してみることにしました。
舟屋を訪ねながら、美しい街をゆったり散策
伊根へは車でのアクセスが良好ですが、今回は電車を乗り継ぎ、丹後の観光拠点駅・天橋立(あまのはしだて)からバスで伊根へと向かいました。バスに揺られること約1時間。海岸線を走るバスの車窓から、エメラルドグリーンの海に浮かぶ街が見えてくると、まさに“旅が始まる”という気分になります。
伊根に着いてまず目を奪われるのは、この景色!
美しい海の上にずらりと並ぶ舟屋に、青々と茂った山々。透き通った海は、底が見えるほど綺麗で、エメラルドグリーンの水のなかで小さな魚たちが泳いでいるのがはっきり見えます。伊根湾は周囲を山や島が囲んでいるため、波がとても穏やかで、さざなみの音とかもめたちの鳴き声だけが、静かに響いていました。
美しい海の上にずらりと並ぶ舟屋に、青々と茂った山々。透き通った海は、底が見えるほど綺麗で、エメラルドグリーンの水のなかで小さな魚たちが泳いでいるのがはっきり見えます。伊根湾は周囲を山や島が囲んでいるため、波がとても穏やかで、さざなみの音とかもめたちの鳴き声だけが、静かに響いていました。
到着してはじめに訪れてほしいのが、バス停から歩いてすぐの場所にある観光案内所。ここでは荷物を預けられるほか、伊根の散策マップをもらうことができます。
その後はマップを片手に、ゆったり海沿いを散策。舟屋や民家の隙間からは、海が見えたり、みどりの小道が見えたり。道端には花やキノコが生えていたりと、ただ歩いているだけでも心が癒やされます。
その後はマップを片手に、ゆったり海沿いを散策。舟屋や民家の隙間からは、海が見えたり、みどりの小道が見えたり。道端には花やキノコが生えていたりと、ただ歩いているだけでも心が癒やされます。
舟屋のなかには「兵衛邸」のように数百円で見学可能なところもあったので、気になる舟屋に立ち寄ってみることに。
舟屋で足を海にちゃぽんとつけて、海鳥にエサをあげてみると、まるでずっと前から舟屋で暮らしていたような気持ちになれます。
海を望むレストランで海鮮丼を
お腹が空いてきたら、道の駅「舟屋の里」の2階にある「レストラン舟屋」へ。
ここでは、伊根湾で水揚げされたばかりの新鮮な魚介を、伊根の舟屋群を望む贅沢なロケーションで楽しめます。
注文したのは、伊根湾で水揚げされたばかりの新鮮な魚介をふんだんに盛りつけた海鮮丼。ぷりぷりの鯛に、脂ののったサーモン、甘みのある海老に弾力のあるタコ。艶やかなイクラが彩りを添えています。絶景とともに味わう贅沢な一杯です。
ここでは、伊根湾で水揚げされたばかりの新鮮な魚介を、伊根の舟屋群を望む贅沢なロケーションで楽しめます。
注文したのは、伊根湾で水揚げされたばかりの新鮮な魚介をふんだんに盛りつけた海鮮丼。ぷりぷりの鯛に、脂ののったサーモン、甘みのある海老に弾力のあるタコ。艶やかなイクラが彩りを添えています。絶景とともに味わう贅沢な一杯です。
かもめたちと戯れながら「水上からの伊根巡り」
水上タクシーや観光船での遊覧に出てみると、海から伊根の全景を見ることができます。
七面山駐車場付近など、随所から乗れる水上タクシーでは、地元の船頭さんたちが伊根の町を案内しながらぐるりと周遊してくれます。
七面山駐車場付近など、随所から乗れる水上タクシーでは、地元の船頭さんたちが伊根の町を案内しながらぐるりと周遊してくれます。
こうした水上タクシーや遊覧船では、途中でおいかけてくる海鳥たちにかっぱえびせんをあげる体験もできました。エサを投げると、ひゅーんと降下してきて見事キャッチ!楽しくてついつい夢中になってしまいます。
海にどこまでも近い至福の朝
かもめたちと戯れながら過ごした後は、伊根湾の水面すれすれに佇む一軒の宿、「与謝荘」に泊まります。与謝荘は伊根町の舟屋で最も歴史が長く、70年以上もつづく宿泊施設です。
客室はすべて、畳敷きの純和室。シンプルながらも落ち着いた空間で、ふすまや障子、木のぬくもりに包まれるようなやさしい造りになっています。
そんな与謝荘での宿泊で、特に素晴らしかったのは翌日の朝。
客室はすべて、畳敷きの純和室。シンプルながらも落ち着いた空間で、ふすまや障子、木のぬくもりに包まれるようなやさしい造りになっています。
そんな与謝荘での宿泊で、特に素晴らしかったのは翌日の朝。
早朝起きて障子をそっと開けると、キラキラと輝く伊根の海が間近に見えるのです。
浴衣のままベランダの椅子に腰掛けると、かもめが手すりの方まで来て「おはよう」と挨拶をしてくれました。潮の香り、波の音、船の出航する様子。舟屋に泊まることの醍醐味は、こういった空気感にあるように思います。
浴衣のままベランダの椅子に腰掛けると、かもめが手すりの方まで来て「おはよう」と挨拶をしてくれました。潮の香り、波の音、船の出航する様子。舟屋に泊まることの醍醐味は、こういった空気感にあるように思います。
与謝荘は食事処のロケーションも素晴らしく、こちらも目の前が海。
定置網の浮き玉にのっているかもめたちを眺めながら、たまごかけごはん付きの朝ごはんをいただきます。
定置網の浮き玉にのっているかもめたちを眺めながら、たまごかけごはん付きの朝ごはんをいただきます。
波と暮らす舟屋でのひととき
海と暮らすように過ごせる、伊根の舟屋。波の音に包まれながら、のんびりと過ごしてみると、心が軽くなったような気がします。
みなさんもこの夏は日常を離れて、“海に浮かぶ町”にふらりと出かけてみませんか。
みなさんもこの夏は日常を離れて、“海に浮かぶ町”にふらりと出かけてみませんか。