時の移ろいを感じる、趣のある暮らしに。気楽に楽しめる「古道具」の取り入れ方
- 公開:2025.4.21
- ライフスタイル
時代が経過しても良さが認められ、現代まで受け継がれてきた古道具。そのものがこれまで歩んできた時間や、出会っただろう人との縁に思いを馳せられることが大きな魅力です。従来の使い方はもちろん、異なる使い道を見つけることも楽しみつつ、共に長く暮らしていきたいもの。我が家で愛用している古道具3点と、その使い方をご紹介します。
小さな箱やかごは暮らしに取り入れやすい
小箱や手軽なかごは、古道具屋さんでもインターネット通販でも見つけやすいアイテム。古道具に興味がある方や、興味はあるけれど何を購入したらいいか分からないという方は、こういった小物から手に取ってみることがおすすめです。小さいものは気軽に移動させられるので、家の中でぴったりの置き場所や使いかたを探るところから楽しめます。
写真は「行李(こうり)」という蓋つきのかごです。引き出しに入るほどの小ぶりなものから、旅行時の荷物や衣類の保管用に使われていたという大きいものまであり、昔から暮らしに身近な道具であったことが分かります。
写真は「行李(こうり)」という蓋つきのかごです。引き出しに入るほどの小ぶりなものから、旅行時の荷物や衣類の保管用に使われていたという大きいものまであり、昔から暮らしに身近な道具であったことが分かります。
私が使っているのは、岩手県にある「道具屋」という古道具屋さんで出会い、飴色に変化した行李のあたたかい雰囲気が気に入り購入したものです。最初はテレビボードに置いてリモコンを入れていましたが、数年経過すると蓋部分も入れ物として活用するようになったり、薬入れやペンケースになったりとその時々で場所を変えて使ってきました。現在は仕切りとして引き出しに収め、キッチンツールを入れています。
家族が昔使っていたものに新しい居場所を
古道具は従来の目的通りに使おうとこだわりすぎないほうが、取り入れやすくなり活用の幅も広がるかもしれません。写真は、実家にあったせいろです。反りが激しく、調理用に使い続けるのは難しくなっていましたが、わが家に持ち帰った後は茶碗類の収納箱に。丸い茶碗を収納するのにちょうどいい形でした。
ごはんの時間にはこのせいろごと作業台に乗せ、隣に炊飯鍋を持ってきます。忙しいご飯の時間に一度に茶碗類を移動させられるのはとても楽でした。昔の使いかたとは違っても、このせいろは暮らしが好きだった祖母と私をつなげてくれる存在。大切に付き合っていきたいと思います。
大きな家具は家全体のイメージを変えられる
大型の古家具は存在感があるので、家の雰囲気を大きく変えてくれます。
あたたかみのある木の表情がお気に入りのこの棚は、我が家でキッチンに置いているもの。こちらがあることで、手仕事によって作られる器やかごが馴染む空間が作られていると感じます。ときに配置を変えてカウンター風にしたり、壁側で器が見えるのを楽しんだりもしています。移動させるのには労力がいりますが、置く場所によって雰囲気ががらりと変わるのはいい気分転換になるんです。
あたたかみのある木の表情がお気に入りのこの棚は、我が家でキッチンに置いているもの。こちらがあることで、手仕事によって作られる器やかごが馴染む空間が作られていると感じます。ときに配置を変えてカウンター風にしたり、壁側で器が見えるのを楽しんだりもしています。移動させるのには労力がいりますが、置く場所によって雰囲気ががらりと変わるのはいい気分転換になるんです。
行李と同じお店で購入したこの棚は、以前も台所で使われていたものをお店の方が水洗いし、表面の塗装を剥がした状態で店頭に並べられていました。古い食器棚の塗装の下からは、新しい木目が。時代が経過している古い家具なのに、新しい一面に出合えることが嬉しかったのを覚えています。迎え入れてから4~5年が経ち、最近棚の色が少し飴色になってきました。これからどのように変化していくのか、楽しみにしながら育てていきたいです。
お手入れが簡単で、傷もおおらかに受け止めてくれる、丈夫な古道具
古い=デリケートなイメージを持っている方も多い古道具。
私も、壊れやすいのではないか、手入れが大変ではないかなどと、購入後の心配をしていたことがありました。
扱ってみて感じるのは、昔の道具はタフな作りのものが多いということです。かごはバシャバシャ水洗いして天日干しし、棚は布巾で水拭きしています。特にかごは湿気が多い時期には注意して点検し、風に当てよく乾燥させることにしていますが、定期的なお手入れは古道具ではなくても必要なこと。古道具だからと言って神経質になる必要はないと私は思っています。
私も、壊れやすいのではないか、手入れが大変ではないかなどと、購入後の心配をしていたことがありました。
扱ってみて感じるのは、昔の道具はタフな作りのものが多いということです。かごはバシャバシャ水洗いして天日干しし、棚は布巾で水拭きしています。特にかごは湿気が多い時期には注意して点検し、風に当てよく乾燥させることにしていますが、定期的なお手入れは古道具ではなくても必要なこと。古道具だからと言って神経質になる必要はないと私は思っています。
また、古道具にはこれまで使われてきた「跡」が残されていることがあります。色の変化、焦げ跡、傷、へこみなど、これらは長年使われてきた中で育ってきた道具の「味」。新品にはない個性は古道具それぞれで違うもの。唯一無二な存在感を持つ古道具を使っていくうちに、愛着はどんどん増していきます。
動き回る小さな子どもがいる家庭では、新しいものを壊したり傷つけたりすることがどうしても起こりますよね。新しい家具や道具に傷をつけてしまうと誰でも残念に思うもの。一方、もともとある味わいにプラスして新しい傷も優しく受け入れてくれる古道具のおおらかさに私はとても安心できました。
動き回る小さな子どもがいる家庭では、新しいものを壊したり傷つけたりすることがどうしても起こりますよね。新しい家具や道具に傷をつけてしまうと誰でも残念に思うもの。一方、もともとある味わいにプラスして新しい傷も優しく受け入れてくれる古道具のおおらかさに私はとても安心できました。
古道具は手で触れられる出会いから楽しんで
通販やオークション、実店舗など、様々な場所で古道具と出会うことができます。
水洗いしやすりがけした道具を販売しているところ、見つけてきた古道具のそのままを楽しめるように販売しているところなど、店によって違う古道具の取り扱い方も楽しみの一つです。
小物はネット通販でも選びやすいですが、まずはお店に行って古道具に触れてみることをおすすめします。里帰りした際に、実家の押し入れや倉庫を眺めてみるのもいいかもしれませんね。
水洗いしやすりがけした道具を販売しているところ、見つけてきた古道具のそのままを楽しめるように販売しているところなど、店によって違う古道具の取り扱い方も楽しみの一つです。
小物はネット通販でも選びやすいですが、まずはお店に行って古道具に触れてみることをおすすめします。里帰りした際に、実家の押し入れや倉庫を眺めてみるのもいいかもしれませんね。
ものが積み重ねてきた時間を受け継ぎ、また新しい居場所を見つけて時間を刻んでいくことができる古道具。小さいものから手軽に購入してあちこち動かしながら使ってみたり、大きな家具で家の雰囲気をガラッと変えたり、それぞれの古道具にしかない味わいを暮らしの中で楽しんでみませんか。
photo / Rie