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パワフルな女性から勇気をもらえる!女性賛歌映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』が公開

セクハラや性差別などを訴える「Time’s Up」や「Me Too」運動が注目される昨今。意見を発信する女性が増え、その姿から勇気をもらっているのでは?7月6日公開の『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』も不条理な世間に女性が挑む物語。実話を基にした佳作は、人生に悩む女性がカタルシスできそうな作品です。

パワフルな女性から勇気をもらえる!女性賛歌映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』が公開

映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』のモチーフとなった試合

バトル・オブ・ザ・セクシーズの一場面2

不平等な世の中に声を上げ、女性が権利を勝ち取ってゆく姿を綴った『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』は、女性VS男性で実際に行われた前代未聞のテニスマッチがモチーフになっています。1973年9月20日に開催された試合を視聴したのは、なんと9000万人。世界中の人々が固唾を呑んで見守ったと言われています。女子テニスの世界チャンピオンのビリー・ジーン・キングと、元男子チャンピオンのボビー・リッグスとで戦ったこの試合は、『バトル・オブ・ザ・セクシーズ=性を超えた戦い』と呼ばれ、テニス協会の歴史に残る試合となりました。

『スラムドッグ$ミリオネア』の脚本家が手掛けた物語の内容

バトル・オブ・ザ・セクシーズの一場面3

物語の舞台は、男女平等憲法修正事項が認証され、女性解放運動で盛り上がった1973年のアメリカ。世の中は変わろうとしていましたが、相変わらず女性の待遇は冷遇されたまま。女子テニスプレイヤーの優勝賞金は男性の1/8でした。そんな現状にビリー・ジーン・キングは抗議しますが、男性優位主義のテニス協会の態度は変わりません。そこで、ビリー・ジーン・キングは仲間と女子テニス協会を立ち上げ、自分たちの力で権利と名誉を勝ち取ろうとします。彼女たちの活躍が報道されると、テニス協会は面白くない様子。そんなとき、目立ちたがり屋ですっかり過去の人なった元プロのテニスプレイヤー、ボビー・リッグスが、名誉回復とビリー・ジーン・キングの鼻をへし折るためにテニスマッチをけしかけます。女性の権利を勝ち取るために、ビリー・ジーン・キングは了承。ついに前代未聞の「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」が開幕することに!果たしてその行方は!?

伝説的なテニスプレイヤー、ビリー・ジーン・キングとは?

バトル・オブ・ザ・セクシーズの一場面4

ビリー・ジーン・キングは、アメリカ・カリフォルニア生まれ。現在、74歳です。1960~80年代までプロのテニスプレイヤーとして活躍。スポーツを通じて、社会変革と男女平等を求めて活動し、女性解放運動の立役者としても知られています。劇中で女性に恋をして悩む姿が描かれていますが、私生活では80年代に同性愛者だと公言。同性愛者の権利向上の訴えにも貢献しました。
そんな活動が評価され、09年、オバマ大統領より大統領自由勲章を授与されたスーパーウーマンなのです。

ジェンダーに悩む主人公を繊細に演じたエマ・ストーンの演技力

バトル・オブ・ザ・セクシーズの一場面5

そんなパワフルな女性を演じるために、エマ・ストーンが行ったのは肉体改造。テニス経験がなかったエマは、4ヵ月間テニスの猛特訓を行なって7kgの筋肉をつけ、ビリー・ジーン・キングの体つきに近づけたそう。さらに「ビリー・ジーン・キングが歩んできた道をできるだけ詳しく知りたかった」と話すように、文献や資料映像を徹底的に検証。外見を作るだけでなく、内心も深く理解しようと努めた結果、ジェンダーに悩む主人公を繊細に演じています。プロデューサーも「想像以上にビリー・ジーン・キングに似ていた」と称賛を惜しみません。

細部までこだわり抜いたファッションにも注目

バトル・オブ・ザ・セクシーズの一場面4

劇中を彩るファッションにも注目を。1973年はファッション業界も転換期でもあり、服装で自己表現するという概念が生まれた時期でした。女子テニス界に所属する選手一人ひとり、個性に合わせて異なるテニスウェアを作っていたそう。劇中で使用したテニスウェアのカラフルでかわいらしいこと!現在では手に入らないビリー・ジーン・キング愛用のadidasの青いシューズも再現しています。このような細部に渡るこだわりが、1970時代を表現するのに一役買っています。

女性VS男性が戦った前代未聞のテニスマッチ。勝利は誰の手に?

本作は手に汗握るテニスマッチを通じて、主人公が自分を取り戻す様を綴ったヒューマンドラマでもあります。結婚していながらも、女性に対する恋心に気付き苦悩する日々。デリケートな問題を浮き彫りにした物語はひりひりとした感触で、ほろ苦く胸に迫ってきます。それでも女性の権利を勝ち取るために戦おうとするビリー・ジーン・キング。彼女のようにはなかなかなれませんが、その奮闘から勇気をもらえそうです。

女性が明るい未来を勝ち取るためのエールともとれる本作。臨場感たっぷりの試合の勝敗やビリー・ジーン・キングの奮闘の行方を映画で追体験すれば、その結果に日々のストレスが晴れるかもしれません。

photo / (C)2018 Twentieth Century Fox 

『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』
監督:ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス
脚本:サイモン・ボーフォイ
出演:エマ・ストーン、スティーブ・カレル、アンドレア・ライズブロー、ビル・プルマン、アラン・カミング(17/米/122分)
配給:20世紀フォックス映画 
7月6日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか、全国順次ロードショー

http://www.foxmovies-jp.com/battleofthesexes/

この記事を書いた人

Kotake Aki 編集・ライター。旅行会社、情報誌、カルチャー誌の勤務を経てフリーランスに。カルチャー誌やWEBサイトなどを中心に、日本と韓国のエンターテイメントに関するコラム記...

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