梅雨の体調不良の原因は?だるい「湿度負け」を防ぐ方法

「最近、肩凝りや頭痛に悩んでいる」「なんだか食欲がない」「寝つきが悪い」という方は、湿度負けの疑いがあります。今回は、多湿と不調の関係に着目し、湿度によって引き起こされる不調「湿度負け」を防ぐからだ作りについて、あんしん漢方の薬剤師、碇純子さんに伺いました。
 Sheage編集部

多湿と不調の関係とは

photo:unsplash

5月末から7月の中旬頃までの梅雨の時期は、湿度が非常に高くなります。地域差は多少ありますが、湿度は70〜80%まで上昇し、人間にとって過ごしにくい環境といえます。
急激な湿度や温度の変化にからだが戸惑い、自律神経に影響を与えて交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまうことも。

自律神経の乱れは、心身の両面に不調「湿度負け」をもたらします。以下に、具体的な湿度負けの症状をご紹介します。

湿度負けの症状

下記のチェックリストで、ご自身に当てはまる症状がないかチェックしていきましょう。

□肩凝り・頭痛
□食欲がない・おなかの張り感・胃が重い
□下痢や軟便
□からだがむくむ
□おりものが多くなる
□関節が腫れる・痛い
□寝つきが悪い
□不安感・イライラしやすい

人によって症状はさまざまで、ささいなことでも怒ってしまったり、すぐに落ち込んでしまったりと、メンタルに不調がでる方もいます。

湿度負けしやすいタイプ

続いては、湿度負けしやすいタイプかどうかをチェックしていきます。

□汗をかきやすい
□ぽっちゃりしている
□雨の日に体調が悪くなりやすい
□むくみにより、舌のまわりがギザギザしている・表面の舌苔が厚い

東洋医学(漢方)では、からだの外から来るものが不調の原因のひとつになりうると考えます。これを外因といい、梅雨の多湿や気圧変化は「湿邪(しつじゃ)」と称されます。

また、からだに余計な水分がたまっている状態を「水滞・水毒(すいたい・すいどく)」、「痰湿(たんしつ)」と表現します。これらはからだの体質や傾向のことで、上記のチェックリストのような不調とも深い関わりがあります。

湿度負けを防ぐからだ作りのアイデア

photo:pixabay

ここからは日常生活で簡単に取り組める、湿度負けを防ぐからだ作りのアイデアを4つご紹介します。

1.軽い運動やストレッチで血流を促す

梅雨は低気圧の影響で血管が萎縮し、血流が悪くなりやすい季節です。軽めの運動やストレッチを行うことで、血流の解消に期待ができます。おすすめの運動やストレッチは以下の通りです。

・ウォーキング
・階段の上り下り
・スクワット

ウォーキングはどこでも行えるのでとくにおすすめです。1,000歩を歩くのにかかる時間は約10分、距離にすると600〜700mほどです。1日の合計ウォーキング時間が20分以上になるのが理想のため、いつも利用している駅の一駅手前から歩く、少し遠くのコンビニを利用するなど、歩く距離を増やす習慣をつけるといいでしょう。

2.湿度負けを緩和する食べ物を摂り入れる

からだに余分な水分がたまる「水滞」を緩和し、利尿作用がある食べ物を積極的に摂り入れるといいでしょう。水滞を緩和する食べ物は以下の通りです。

・きゅうり
・ズッキーニ
・豆もやし

余分な水分を体外に排出する効果のある「カリウム」が多く含まれる、きゅうりなどの夏野菜がおすすめです。
また、豆もやしにはむくみの解消が期待できます。茹で時間を短時間にすることで、食感を楽しみながら食べられますよ。

3.お風呂で汗をかく

入浴は、血行促進や汗をかくことによる水分代謝の活性化が期待できます。水分の滞りによるむくみの解消にもつながるので、なるべく毎日湯舟に浸かりましょう。

ただし、長風呂や熱すぎるお風呂は禁物です。40度程度のお湯に20分ほど浸かるのが適切です。半身浴にするとからだに負担がかかりにくくなります。

4.睡眠環境を整える

梅雨の多湿は不快感を上昇させるので、睡眠の質の低下にもつながります。睡眠環境を整えることで、睡眠の質を高め自律神経を整えやすくします。睡眠環境を整える方法は以下の通りです。

・エアコンの設定は冷房ではなくドライに
・寝る直前にスマホをいじらない
・寝やすい服装や寝具を使用する

エアコンの設定はドライ、または除湿にしましょう。冷房設定はからだを冷やしすぎてしまい、かえって不調の原因になるといわれています。
また、就寝直前までスマホをいじるのも禁物です。脳が興奮状態になってしまい、睡眠ホルモンのメラトニンが抑制されるので、入眠障害や睡眠の質の低下につながることもあります。

滞った水分を排泄する+αな方法

photo:photo-ac

湿度負けは心身のさまざまな不調と関わりがあります。上記でご紹介した4つのセルフケアと併せて試したいのが、漢方薬です。
漢方薬は体質改善が得意で、湿度負けしやすいタイプの水滞体質の改善に期待ができます。

水滞体質を緩和する漢方薬

・五苓散(ごれいさん)
からだの水分バランスを整え、水滞に対処する代表的な漢方薬です。水分代謝を改善し、余分な水分を体外に排出することで水分の循環を正常にしてくれるので、むくみやめまいなどの症状の緩和が期待できます。

・防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
水分の循環を促して、余分な水分を排出するはたらきがあります。汗かきやむくみ、水太りの改善が期待できます。

漢方薬は自分のからだにあったものを選択しましょう。自分にあっていない漢方薬や、間違った組み合わせでの服用をしてしまうと、効果が薄まったり副作用が生じたりする可能性があります。必ず漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談して、選択しましょう。

湿度負けしないからだづくりを心がけよう!

photo:photo-ac

湿度の高い梅雨は気分が滅入り、心身ともに不調に悩まされることが多い季節です。今回ご紹介したセルフケアなどを参考に、梅雨が過ごしやすくなるからだづくりを目指しましょう!

あんしん漢方
医師や薬剤師などの漢方に精通した医療チームが、個人に合った漢方薬を見立てるサービス。相談から注文までオンラインで完結し、スマホひとつで自宅までお届けします。AIを活用した個別相談サービスでは、今の状態に適した漢方薬を精度高く見極めることが可能です。「不調を根本から改善したい」「お手頃価格で健康になりたい」「自然由来でナチュラルに体質改善したい」と思っている方へ。あなたのつらい心とからだに、しっかり効く漢方薬を。

https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=21233zc8shea0085

※掲載内容は記事公開時点のものです。最新情報は、各企業・店舗等へお問い合わせください。
内容について運営スタッフに連絡

関連キーワード

関連特集