秋に食欲が増すのはなぜ?食べ過ぎを無理なく防ぐ簡単習慣3選

栗やかぼちゃ、秋刀魚にさつまいも。旬を迎える食材が多いこの季節は「食欲の秋」と呼ばれています。秋になるとついつい食べ過ぎてしまう…という方も多いかもしれませんが、食欲のままに食べるのは良いことではありません。今回は、食欲のコントロール方法について、ヨガインストラクターの高橋かなこさんに伺いました。
 Sheage編集部

なぜ秋は食欲が増すの?

「食欲の秋」と呼ばれる理由には諸説ありますが、ひとつには、旬のおいしい食べ物(果物や穀物など)を食べる機会が増えるから、という説があります。また、科学的な根拠でいうと、下記のような理由が考えられます。

幸せホルモン「セロトニン」の分泌減少

セロトニンは食欲抑制の働きがあるといわれるホルモンです。日光を浴びると分泌量が増えるため、日照時間が夏より短くなる秋は、セロトニンの分泌量も減少する傾向にあります。(※1)

基礎代謝の上昇

気温が下がると、人は体温を保つために基礎代謝が上がりやすくなります。基礎代謝が上がると、その分エネルギーの消費量も増えるため、食欲が増してしまうのです。(※1)

夏バテの解消

猛暑が続く夏は食欲不振になる人も多いでしょう。秋は気温が下がって過ごしやすくなるので、本来の食欲が戻り、それを「食欲が増した」と感じている可能性もあります。(※1)

食欲のままに食べ過ぎてしまうとこんなデメリットが…

さまざまな食べ物が旬を迎える秋ですが、食べ過ぎると消化不良になったり、栄養が偏ってしまったりするなどのデメリットがあります。これが続くと糖尿病や動脈硬化などの病気につながる可能性もあるので、食欲はある程度コントロールすることが必要です。(※2)

秋の食欲を抑える方法を紹介

食欲を抑えるには、具体的にどのような方法があるのでしょうか。

糖質を摂り過ぎない

糖質を多く摂ると血糖値が急上昇し、その後急降下することで空腹感が強まり、食欲が増すといわれています。食事の際には糖質を控えめにし、代わりにタンパク質や食物繊維を多く含む食品を摂るようにしましょう。血糖値の安定が図られ、満腹感を持続しやすくなります。(※3)

食前に水や炭酸水を飲んで食欲をコントロールする

食前に水や炭酸水を飲んでみるのもおすすめです。胃が膨らみ、満腹感を感じやすくなります。また、炭酸水は胃にガスを発生させて満腹感を促進し、食事の量を自然に抑えて過食を防ぐ助けになります。

ツボ押しで食欲を抑える

ツボには、便秘解消や脂肪燃焼促進など、健康に嬉しい効果が期待できるものが多くあります。そのなかで、食欲を抑えるといわれるツボは「飢点(耳の前の真ん中にある突起のくぼみ付近にあるツボ)」「胃・脾・大腸区(手のひら側の親指の付け根から手首にかけてあるツボ)」などです。(※4)

秋の食欲対策には漢方薬も役立つ

食欲抑制には、漢方薬の力を借りるのもおすすめ。漢方薬は体質改善を得意としており、ホルモンバランスや自律神経の乱れを整えて過食を軽減する効果が期待できるものもあります。決められた量を飲むだけなので、忙しい日常にも簡単にとり入れられるのがメリットです。また、西洋薬より比較的効果がマイルドで、副作用が少ないといわれています。

食欲を抑えるためには、下記のような働きのある漢方薬を選びましょう。

・過剰な胃腸の働きを抑える
・自律神経やホルモンバランスを整えて、ストレスによる過食を軽減する

食欲対策におすすめの漢方薬

・抑肝散(よくかんさん)
からだにこもった熱を冷まして精神を安定させることで、イライラや怒りによる過食を抑えます。女性特有のホルモンの変化に伴う症状や、更年期障害などにも使われます。(※5)

・大柴胡湯(だいさいことう)
エネルギーの流れを整えることで気持ちを落ち着かせる漢方薬です。こちらもイライラによる過食に働きかけます。(※6)

ただし、自分のからだに合っていない漢方薬を選んだり、間違った組み合わせで服用したりすると、効果が薄まったり副作用が生じたりする可能性が高まってしまいます。漢方薬を服用するときは、漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談して自分に合ったものを選択しましょう。

食欲をコントロールして健康を保とう

食欲が増すことは誰にでも起こり得えます。特に秋は、つい食べすぎてしまいがちな季節ですが、コントロールする方法を知っていれば怖くありません。自分に合った方法を見つけて、食欲とうまく付き合っていきましょう。


参考
(※1)セントラルメディカルクラブ世田谷「なぜ秋は食欲が増すの?食べ過ぎには理由があった!」
https://centralmedicalclub.com/column/autumn-of-appetite
(※2)ヒロクリニック 心療内科「コントロールできない食欲の増加・減少はどうすれば良い?【医師監修】」
https://www.hiro-clinic.or.jp/mental/overeating-anorexia/
(※3)健美クリニック「血糖値の変動を抑える食べ方のコツ」
https://kenbi-clinic.com/column/2023-05-19-1232/
(※4)四国医療専門学校「食べ過ぎが抑えられるツボ」
https://www.459.ac.jp/heal/15262/
(※5)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ抑肝散エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=9191
(※6)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ大柴胡湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=7877

photo / pixabay, unsplash

執筆者
高橋 かなこ(たかはし かなこ)

2021年よりRYT200(全米ヨガアライアンス認定)修了インストラクターとして幅広い年齢層へのクラスを開催。企業での事務経験から、デスクワークで疲れた部位や崩れた姿勢のためのレッスン組み立てを得意とする。
自身のダイエット成功経験を経て、美しい体を作るためには、食と思考が大切だと痛感。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」などで、同じ悩みを持つ方に向け精力的に情報発信を行う。

https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=21233zc8shea0114

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