八雲立つご縁の国のヘルシーフード、本格「出雲そば」を東京でいただけるお店

出雲そばは、縁結びの神さまを祀る出雲大社のお膝元、島根県の名物料理。東京の一般的なそばに比べて黒っぽい色が特徴で、実はミネラルをたくさん含んだヘルシーフードでもあります。出雲そばの特徴とお作法、そして、東京にある美味しい出雲そばのお店をご紹介します。
 山根 大地

ミネラルも一緒にいただけるヘルシーフード、出雲そば

日本三大そばのひとつとされる出雲そば。縁結びをつかさどる出雲大社とも深い関わりがあり、江戸時代には、全国から出雲大社にお詣りに来る参拝客に振る舞われていたといわれています。
東京のそばと比べて、出雲そばは黒い色をしています。これは、そばの実の甘皮をつけたまま挽いているから。お米にたとえると玄米のようなもので、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
色だけでなく、味や香りも濃厚です。それに合わせて、そばつゆも少し甘めの濃い味のものを使います。江戸のそばがシャープでクリアな男性的なそばならば、出雲そばは豊潤な味と香りをじっくり楽しむ女性的なそばといえるかもしれません。そばにつきもののそば湯もやはり濃厚です。そばの栄養分がたっぷり溶け出していてヘルシーな飲み物。味が苦手という人は、そばつゆを少し足してから飲むとよいかもしれません。

割子そばのいただき方

ぜひ試していただきたいのは、「割子そば」と呼ばれる出雲そば特有の料理。平底の丸い器に冷たいそばが入っていて、それを3段くらいに重ねたもので出てきます。割子とは、江戸時代のランチボックスのこと。もともとは、江戸時代の松江で、そばを屋外で楽しむために生まれた風流な食べ方だと言われています。
いただき方も特徴的。付いてくる薬味から東京のそばとは少し違います。小ネギ、刻み海苔に、大根おろしとすり唐辛子を混ぜた“紅葉おろし”、この3点が付くのが一般的です。この薬味をお好みの分量だけそばにのせたら、そば徳利に入っているそばつゆを直接そばにかけてください。1枚食べたら、器に残った薬味とつゆを次の割子にかけて移します。薬味とつゆが足りなかったら、その上から補って、食べていきます。食べ終わったときには、そばと一緒に薬味とつゆもすっきりなくなります。また、1枚ずつ特別なトッピングを楽しめる「三色割子」という豪華な料理をいただけるお店もあります。

東京で出雲そばをいただく

「出雲そば やくも」

調布駅前で20年近く続く「出雲そば やくも」では、正統派の割子そばをいただけます。「三色割子」は、とろろやうずら、おろしなめこなど11種類のトッピングから3つ選んで乗せることができます。また、おすすめの「あごフライ定食」は、日本海の名産のトビウオ(あご)のフライに島根のお米、割子も1枚ついて、島根の味を楽しむことができます。

割子そば 3枚960円

「主水 日本橋店」

日本橋三越前にあるお店です。少し太めに切ったそばを、かつおぶしでだしをとった甘めのつゆでいただきます。料理の食材はほぼ島根産で、海鮮丼などもおすすめです。島根の地酒も充実しています。おとなりは島根県のアンテナショップなので、お買い物のついでに寄るのもよいでしょう。

出雲割子そば 1枚380円


東京の出雲そばのお店は、それぞれそばの味が違ったり、一緒にいただけるお料理に特徴があったり、個性があります。どのお店もこだわりの島根の食材、料理を揃えているので、出雲へ旅に行きたくなるかもしれませんよ。

photo / 山根 大地

出雲そば やくも
調布市布田1-26-12 
tel:042-499-3777

主水 日本橋店
東京都中央区日本橋室町1-53 
tel:03-3231-2213

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