冷え性の原因と治し方は?症状別4つのタイプ&薬剤師おすすめの対策【食材,ツボ,漢方etc.】

長い夏が終わったと思えば急に気温が下がり、冬の訪れを感じるように。11月7日の立冬を過ぎ、寒さが厳しくなっていく時季で、私たちのからだにも冷えによる不調があらわれやすくなります。冷えを改善するためのポイントを、薬剤師で漢方アドバイザーでもある山形ゆかりさんに伺いました。
 Sheage編集部

冷えによる不調の種類

外の気温が変化すると、私たちのからだは自律神経をコントロールして、体温が一定になるように調節をしています。

ところが、この調節がうまくできずにからだが温まらないと、冷え性になり不調が起きてしまうのです。(※​1)

冷えによる不調には、次のようなものが考えられます。

1.手足の冷えを感じる

寒さでからだが冷えてくると、重要な臓器を温めようと全身の血液がからだの中心に集まります。そのため、末端にある手先や足先には十分な血液が行き渡らなくなり、冷たさを感じるようになるのです。

2.生理痛や生理不順

からだが温まっていると血液は適切に流れますが、からだが冷えていると血行が悪くなり、生理時も経血をスムーズに排出できなくなります。冷えた血液を無理に排出しようとするために生理痛や生理不順を起こし、痛みを感じることも。(※2)

3.よく風邪を引く

風邪を予防してくれる免疫細胞は、からだが冷えていると活発に動けなくなり、体内に入ったウイルスに抵抗できなくなってしまいます。また、臓器の冷えによって自律神経が乱れて免疫力が低下することも、風邪を引きやすくなる原因の一つです。(※3)

あなたはどれに当てはまる?冷え性の4つのタイプ

冷え性は冷えを感じる部位に応じて、4つのタイプに分けられます。自分のタイプを知っていると、適切な対策ができるようになりますよ。

1.全身型

気温の変化に関係なく、一年を通してからだ全体に寒さを感じるタイプ。基礎代謝の低下によるものですが、常に冷えを感じているため、自覚症状がない人も少なくありません。倦怠感や疲労感を感じやすかったり、食欲や気力が出なかったりする方は、全身型冷え性が原因の可能性が。タンパク質を摂って筋肉をキープする、積極的に体を動かすなどして、基礎代謝をアップさせましょう。

2.四肢末端型

手先や足先だけが冷えるタイプ。ダイエット中で食事の量を減らしている方や、運動不足の方に多く見られます。エネルギーが不足し、四肢の末端まで血液が巡らないことが原因なので、運動やストレッチで筋肉をしっかりつけて、バランスの良い食事を摂ることを心がけましょう。

3.下半身型

上半身は温かいのに、お尻や太もも、お尻などの下半身にのみ冷えを感じる方は、この下半身型タイプかも。デスクワークなどで長時間同じ体勢でいる方や、むくみやすい方、加齢に伴う筋力の衰えにより血行が悪くなっている方に多く見られます。こまめに姿勢を変えたり、意識的に歩いたりするなど、積極的に筋肉を動かして血行を促進しましょう。

4.内臓型

手足やからだは温かいのに、内臓だけが冷えてしまう「隠れ冷え性」タイプです。胃腸が弱い方や、筋肉の少ない方は要注意。お腹が冷えたり、お腹が張ったりする方はこの内臓型冷え症に当てはまるかもしれません。体を温める飲み物・食べ物を摂って胃腸をいたわったり、カイロや腹巻きを使ってお腹をしっかり温めるようにしましょう。

冷えを改善して冬を楽しく過ごすポイント

冷えを改善しながら、冬でも楽しく過ごすポイントをご紹介します。自分のタイプに合わせて、日常的にできそうなことから取り組んでみましょう。

1.からだを温める食材を摂る

食事をするときは、からだがポカポカと温まるメニューや食材を積極的に取り入れましょう。人参や大根などの根菜類は、血行や代謝をよくする野菜として知られています。

とくに生姜は熱を通すと血行を促進し、からだを内側から温めてくれます。冬にぴったりのお鍋やスープ、煮物などに積極的に取り入れましょう。

2.からだを温める飲み物を摂る

からだを中から温めるような飲み物も冷え性改善の効果が期待できます。生姜湯や白湯などでからだを温めて血行を促進しましょう。血行が良くよくなると、全身に血がめぐってポカポカするようになりますよ。寒い冬ならではのホットチョコレートやホットカフェオレなどもおすすめです。

3.入浴を工夫する

夏は簡単にシャワーだけで済ませてしまう人も多いかもしれませんが、冬はできるだけ湯船にしっかりと浸かって、からだを芯から温めましょう。

温度は38度前後にして、15〜20分程度入るのがポイントです。アロマを焚いたり、入浴剤を入れて香りを楽しんだりするなど、工夫してみてください。

4.冷えに効くツボを押す

手のひらの真ん中にある労宮(ろうきゅう)をマッサージすると、自律神経が整い、冷え性やからだの不調の改善に効果が期待できます。
サロンのアロマトリートメントなどで、全身をマッサージをしてもらうのも良いでしょう。

冷え対策には漢方薬も役立つ

冷え対策には、根本から体質を改善するとされている漢方薬も役立ちます。からだを温めるために「熱を作り出す」「熱や気のめぐりをよくする」漢方薬を選びましょう。

冷え対策に役立つ漢方薬を2つ紹介します。ただし、からだに合っていない漢方薬を選んだり、間違った組み合わせで服用したりすると、効果が薄まったり副作用が生じたりする可能性あります。必ず漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談してから試すようにしてください。

冷え症におすすめの漢方薬

・八味地黄丸(はちみじおうがん)
全身のからだを温めて、内臓の機能を高め、機能低下によるさまざまなトラブルを改善します。

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
全身に栄養を与えて血行をよくし、水分代謝を整えて冷え症や生理不順を改善します。

寒い冬も、冷え対策をして温かく過ごそう

「立冬」を過ぎると徐々に寒くなっていくとともに、冷えや不調を感じやすくなります。

今回は、冷えを改善し、寒い冬を楽しく過ごすポイントをご紹介しました。冷え対策でからだを温めて、寒い冬を乗り切りましょう。

【参考】
※1 “手足の冷え(冷え性)の原因” くすりと健康の情報局by第一三共ヘルスケア. 
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/11_teashinohie/
※2“「生理痛」と「冷え」には関係があるのでしょうか?” エステー 製品サイト. 2019-02
https://products.st-c.co.jp/plus/question/10397/
※3 “かぜの本格シーズン到来温かい体で乗り切ろう!” 大正製薬 製品サイト
https://www.taisho-kenko.com/column/31/
(すべて参照 2024-11-20)

photo / Shutterstock, pixabay, unsplash

監修者
山形ゆかり(やまがたゆかり)

病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ。牛角・吉野家を始め、薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。
「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信するYouTubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。


あんしん漢方へのリンク

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