省エネ効果もアップ。照明選びのプロが実践する「一室多灯」を取り入れたインテリアのコツ3つ
長い時間を過ごすリビングの照明には、間接照明を用いた「一室多灯」の明かりがおすすめです。一つの照明で部屋全体を照らす「一室一灯」の明かりに比べて、心地よさも省エネの効果もアップします。大手電機メーカーの照明プランナーとして住宅の照明計画を多数行っていた、整理収納・照明アドバイザーの伊藤美佳代さんに間接照明の効果的な取り入れ方をお伺いしました。
- 2023.11.15
- ライフスタイル
「一室多灯」は部屋での過ごし方をイメージすることから
一般的に部屋の天井の真ん中に照明(シーリングライト)が一台取り付けられていることが多いリビングや居室の明かり。そのような「一室一灯」の明かりは部屋全体を明るくしてくれるので、安心の明かりでもあります。最近のLEDシーリングライトは一台で明るさや光の色(調光・調色)もリモコンで調節できるので、一灯の明かりでも生活シーンに合わせて使うこともできるようになっています。
でも、より心地よさをアップさせたいなら、明るさや光の色を部屋全体で均一に調節するより、「必要な場所に必要な明かり」をプラスして、くつろいだり本を読んだり、生活シーンに合わせて明かりを調節できる「一室多灯」がおすすめです。複数の明かりを用いることで、部屋に陰影が生まれて心地良さがアップします。さらに生活シーンに合わせて明かりをつけたり消したりできると省エネ効果もよりアップします。
「一室多灯」照明は取り入れ方が難しそう…明るさが足りず暗く感じそう…など、取り入れ方を難しいと感じる方も多いと思います。でも今使っている照明にプラスしてつくる「一室多灯」なら、明るさもしっかり確保しながら、心地よさも省エネ効果も簡単にアップさせることができます。まずは部屋のどの場所で何をするか「食事・仕事(作業)・読書・くつろぎ・シアター・寝る」などの生活行動と、行う場所をイメージしてみましょう。生活シーンによって、どの場所にどんな明かりが必要か意識することが大事です。
「1室多灯」照明を取り入れる時はこの3つがポイント
ポイントさえ押さえれば間接照明の効果的な取り入れ方も案外簡単。 今使っている照明にプラスして作れる、リビングの多灯照明の3つのポイントをご紹介します。
1.手元の明かり
「一室多灯」の1つ目のポイントは、手元の明かりをしっかり確保すること。天井照明(シーリングライト・ペンダントライト)があれば、それだけで明るさは確保できますが、さらに本を読んだり、スマホを見たりする場所に、スタンドライトなどで明かりをプラスすると、より手元は明るく、時間によっては天井照明の明かりを消してスタンドライトの明かりだけで過ごすことができます。
例えば写真のようにソファの横にフロアスタンドを置きます。就寝前は全体照明を消してフロアスタンドの明かりだけにして手元の明かりを確保しながら、くつろぎ感もアップさせることができます。全体照明を消すことで電気代もおさえる効果もあります。
例えば写真のようにソファの横にフロアスタンドを置きます。就寝前は全体照明を消してフロアスタンドの明かりだけにして手元の明かりを確保しながら、くつろぎ感もアップさせることができます。全体照明を消すことで電気代もおさえる効果もあります。
2.テレビ裏の明かり(壁面の明かり)
「一室多灯」の2つ目のポイントは、壁面を照らすこと。壁に当てた光は柔らかく、視線の行く先の壁面が明るいと部屋もより明るく感じさせてくれます。そして陰影のある空間は心地よさもよりアップさせてくれます。壁面を照らすのにおすすめの場所はテレビ裏の壁面。テレビ裏を明るくすることで画面との陰影の差を少なくし、目の疲れの軽減にもつながります。
取り入れやすい方法は、クリップ式のスポットライトをテレビ背面やテレビ台に挟んだり、置き型の小型のスポットライトを置くだけ。テレビまわりにはコンセントもあるので取り入れやすく、簡単に壁面を照らすことができるのでおすすめです。もし、テレビまわりの設置が難しい場合は、観葉植物などのまわりに設置して植物や壁面を照らすのもおすすめです。写真のスポットライトはホームセンターや家電量販店などで購入できるクリップ式のライトです。TV裏など目立たない場所に設置する場合はインテリア性もあまり気にすることなく買いやすいもので充分です。
また、チェストなど低めの家具にスタンドライトを置いて壁面を照らすのもおすすめです。視線が行きやすい壁面を意識して好きなインテリアも照らしながら楽しんでみましょう。
3.低い位置の明かり
「一室多灯」の3つ目のポイントは、低い位置に明かりをプラスすること。床面に近い低い位置の明かりは落ち着き感をもたらしてくれます。就寝前の良い眠りをもたらす明かりとしてもおすすめです。 置き型の小型スタンドライトなどインテリアに合わせてみると良いでしょう。小さなお子さんやペットがいるなどで足元に置くことが不安な時は、ポータブルライトもおすすめです。USB充電式や電池式なら持ち運びもしやすく、必要な時に気軽に近くに置いておくことができます。防災時に使う時にも使い慣れていると安心です。
今ある照明器具に間接照明などをプラスしていく「一室多灯」は、明るさが足りないなどの不安もなく、3つのポイントがわかれば簡単に取り入れられそうではないでしょうか。必要な場所に必要な明かりがあると、生活シーンに合わせて必要な明かりだけをつけることが多くなるので、全部の照明をつけておく時間も減ります。そして、プラスするのはぜひLED照明を選びましょう。白熱灯や蛍光灯に比べて格段に消費電力も抑えられます。省エネ効果もアップしながら、心地よいインテリアを体感してみませんか。
photo / 伊藤美佳代
住宅収納スペシャリスト/整理収納・照明アドバイザー
伊藤美佳代(instagram @ito_mikayo)
ハウスキーピング協会認定
整理収納アドバイザー2級認定講師
住宅収納スペシャリスト認定講師
インテリアコーディネーター
HP 「笑顔あふれる住まいづくり」
※掲載内容は記事公開時点のものです。最新情報は、各企業・店舗等へお問い合わせください。
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