古材や古道具…古いものを受け継ぐ温かな暮らし【アンティークナチュラルなインテリアのコツ】

“サステナブルな行動”のバトンをつなげていく、リレー連載企画「#TSUNAGU100」。整理収納アドバイザー佐々木奈美さんは、古いものや自然のものを取り入れることが心地よい暮らしにつながっているのだそう。古い板を活用してDIYしたり、古道具を受け継ぎ暮らしに取り入れている、その理由をお伺いしました。
 佐々木奈美

古いものを取り入れた暮らしに惹かれる理由

モダンなインテリアももちろん素敵ですが、私は古いものを取り入れた暮らし方に惹かれます。
なぜなら、古いものには人が使った傷や汚れが味のように現れ、家族の歴史が刻まれていくように思うから。
新しいもので囲まれた暮らしは、きれいでこざっぱりとしているのに対し、古いものは素朴で温かみがあります。
それらがインテリアに馴染むことで、住まいが古びていくことさえも、味わいとして受け止められるようになりました。
ものはいつか必ず古くなるもの。
住まいが古くなっていく様子を、生きていく過程として味わい、楽しめることができたら素敵ですよね。

古道具を暮らしに取り入れて、歴史を楽しむ

ものが古くなるのは、とても自然なこと。
最初はピカピカなものも、使っていくにつれてシミが付いたり、子供が汚したり、傷がついてしまったり…と、古くなっていきます。
「新しいものに買い替えないと…」
買い替えが容易な分、そんなふうに考えてしまっていませんか?
私はそれを、新しいものを次々と買い足す暮らしのループにはまっているように思います。
ちょっと肩の力を抜いて、「これくらい傷がついている方が、味わいがある」
と思い直してみると、意外とそんな大したことはなくて、シミも傷も家族と家との思い出として愛おしく感じられます。

そう思えるようになったきっかけは、この金槌。
義実家からお下がりとしてもらったものなのですが、ピカピカで落ち着かなかった新築の家に、なんともホッとする佇まい。
何気ない道具でしたが、「古いものでも意外と新築にマッチするんだ」と感じたのを覚えています。
人の手で使い込まれた味が出ていて、むしろ落ち着く。
住まいも同じで、住んでいくうちに傷がつくのは自然なこと。
一つの古いものがきっかけで、ものの傷や汚れは、使う上でごく当たり前のことと受け止められるようになったのです。

アンティークナチュラルなインテリアになるアイテム

1.古材の足場板で棚をDIY

古くなっていくマイホームに「まぁいいか」と思えるようになった頃、「そろそろDIYで収納棚でも作ろうか」という話が上りました。
選んだ木材は、足場板として使われていた古材。
建設現場で職人さんが歩くために使われる仮設材を、インテリア用材として再利用したものです。

キッチンに取り付けると、アンティークナチュラルな雰囲気になり、新築にはないオリジナリティが出ました。
再利用した木材という点がサステナブル。
もともと足場板だったので、木材は一点一点違い、傷も当たり前にあります。

2.手作りした古材の足場板のミラー

トイレには、子供たちがワークショップで作った古材の足場板のミラー。
真っ白だったインテリアにアンティークな古材がプラスされるだけで、モダンからナチュラルに。
また、木が一つ加わると、木の雑貨を置いたり、かごを飾ったりと、イメージをがらりと変えることができます。

3.古材のステップ

こちらは、子供たちが小さな頃から使っているステップ。
古材の傷に加え、子供たちが付けたシミもたくさん。
家族の思い出が染み込んでいるようで、わが家では捨てられない大切な道具です。

古道具をインテリアに取り入れるコツ

かわいいけれど古道具を実際に使うのは抵抗がある…という方におすすめしたいのが、インテリアとして飾る方法。
古道具は新しいものに比べて、使いやすさや機能は劣るけれど、見た目がいびつな唯一無二のデザインは、インテリアにぴったりです。

部屋に何か飾りたい時、新しいものを買うのではなく、今あるものに目を向けます。
例えば、使い道はないけれど、どこか惹かれて拾ってきてしまった石。
買ったはいいけれど使う機会のない、アンティークの暮らしの道具。
祖父母から譲り受けた、手作りの古道具。

心地いいと感じたものこそ、インテリアにできないかトライしてみます。
この大きなざるは、祖父母の家から持ち帰ったもので、裏には大きくマジックで名前が書いてあります。
それがなんとも味わい深くて捨てられず、譲り受けました。
「ドライフラワーを置いたり、雑誌をまとめたりするとおもしろいかも」
そんなふうに、ものに大切な役割を与えて付き合っていきます。
新しくものを買わずに、すでにあるものを活かして、新たな使い方を発見してみは。
わたし、身近な誰か、地球にもいいコト起きる“サステナブルな行動”をここからつなげていこう!
暮らしにいいコトの循環“サステナブルな行動”が一人でも多くの人につながってほしい、という思いを込めた、リレー連載企画「#TSUNAGU100」。
サステナブルな行動は、環境だけでなく、実はみんなが思っている“モヤモヤ”“小さな不満”を解決してくれます。

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“サステナブルな行動”とは?
✓ゴミを減らす工夫、使わなくなったものを再利用、モノを大切に使う気持ち
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photo/佐々木奈美

整理収納アドバイザー 佐々木奈美(@nmmc73)
整理収納アドバイザー。夫と男の子3人と5人暮らし。「家事は肩の力を抜いて、ラクをしながら丁寧に暮らしたい。」という想いのもと、インテリアを収納でカスタマイズしながら、時短家事、家事効率化を暮らしに導入。こだわりある暮らしが垣間見える投稿が人気です。

https://www.instagram.com/nmmc73/

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